モノクローム・フィレンツェ12高井晶子
フィレンツェの建物は、どれも大きい。重量感のある石積みの建物は、見上げるばかりの大きさだ。建築された当時、電力などはなかった訳で、その技術力にはただ驚かされるばかりだ。
copyright2007-2008 AKIKO TAKAI

モノクローム・フィレンツェ13高井晶子
ところが、驚くべきこの「大きさ」が、写真を撮る時にはちょっと困ったこととなる。写真に収まりきらないのだ。
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モノクローム・フィレンツェ14高井晶子
全体像が美しく収まった絵葉書のような写真を撮ろうとしても、なかなか上手くいかない。しかし、絵葉書のような写真を撮る必要があるだろうか。自分の目で見たフィレンツェは、絵葉書のようではなかったはずだ。曇ってどんよりとした空だったり、雨で石畳に水溜りができていたり。多くの観光客でざわついているかもしれないし、冬の閑散期でちょっとひっそりしているかもしれない。
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モノクローム・フィレンツェ15高井晶子
写真には、その時だけそこに漂っていた空気感というものが写り込む。空気に含まれる水分や陽射しの量、そしてもちろん、そこに集う人々。様々な要素によって醸し出される街の空気感は、写真の雰囲気に大きく影響する。
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モノクローム・フィレンツェ16高井晶子
絵葉書はもちろん美しい街の姿を収めているが、どこか最大公約数的だ。思いでの写真を見るときは、自分の目で見て肌で感じたその雰囲気が甦るような、そんな写真を撮りたいものである。
copyright2007-2008 AKIKO TAKAI

記事&写真提供: 写真家 高井晶子

高井晶子(写真家)
7年間のOL生活を経て、2000年7月渡英。
Kent Institute Of Art and Design
(現University College of the Creative Arts)にて
写真を学び、卒業後日本に帰国。
現在は写真家として活動し、写真教室講師としても勤務。

グループ展・個展
2005年 Art Photo Site Galleryにてグループ展『Cityscapes』に参加
2006年 NADAR/SHIBUYA355にて個展『tokyo nostalgia』

在英中には、友人と写真集『this living thing』を自主出版。

◆写真家「高井晶子」個展のお知らせ◆
こちらのブログで紹介させてもらっている写真も展示予定。

『silent walker』
場所:NADAR/SHIBUYA355
日時:2008年4月28日(月)~5月17日(土)
開館時間:10:00-19:00   *最終日は16:00まで
休廊日: 日祝
詳細インフォメーション


**本記事内のすべての写真は写真家・高井晶子の知的財産であり、無断に複写・転載を固く禁じます。

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