¡Hola!
今回はイケダが担当します
突然ですが、みなさんはキューバがバレエ大国だとご存知でしょうか?
キューバのバレエ団といえば「キューバ国立バレエ団(National Ballet of Cuba)」世界的にもそのレベルの高さで知られています。
創設者は、20世紀で最も偉大なバレリーナの一人とされる、アリシア・アロンソ(Alicia Alonso)さんです。
今回は幅広い演技と独特の迫力あふれるカリスマ性で、世界的な名声を築いたアリシア・アロンソさんについてご紹介します!
生い立ち
アリシア・アロンソさん
アロンソさんは1920年、キューバのハバナに生まれました。
子供の頃からダンスを習い、16歳の時、バレエダンサーのフェルナンド・アロンソ(Fernando Alonso)さん(1914~2013)と結婚しました。ニューヨークに移住後、現在のニューヨーク・シティー・バレエの前身となるバレエ・キャラバンに加わりました。
同時期に悲劇が希代のバレリーナを襲います。19歳頃から視力が衰え始め、22歳の時に網膜剥離で3回手術を受けた後、視力をほとんど失ってしまいました。
しかし、彼女は挫折しませんでした。舞台の上で仲間たちの囁きを聞きながら移動方向を探し、照明に頼って出口の位置を推測する方法を身につけ、23歳の時「ジゼル」でデビューしました。
その後、1940年代後半頃まで主役を務めるようになりました。
彼女が芯の強い女性だったと垣間見えるエピソードとして、インタビューで残した言葉があります。
「公演が良くないときは視力のせいだと同情を受けたくないし、公演が見事なときは『視覚障害を押し切って』という賞賛を聞きたくもない」
その後、40歳になっても「白鳥の湖」の32回転フェッテを踊りました。
彼女はほぼ盲目のバレリーナだったにも関わらず、ドラマチックなジャンプと官能的なバレエスタイルで観客を魅了し、バレリーナ最高位の称号「プリマ・バレリーナ・アッソルータ」を受け取るまでになりました。その後なんと70代まで踊り続けました。
アロンソさんとキューバ国立バレエ団
ハバナ大劇場(Gran Teatro de La Habana)
サルサ音楽の国キューバでは、アロンソさんが登場するまで国内でもクラシックバレエはほとんど知られていませんでした。
そんな時代の中、1959年に、夫のフェルナンド・アロンソさん(後に離婚)と共に「キューバ国立バレエ団(National Ballet of Cuba)」を設立しました。官能的なキューバのリズムと精密なダンス技術を融合させた独特のスタイルを確立し、国際的に名高い地位を確立させたのです。
アロンソさんは75歳を前にバレリーナは引退しましたが、引き続きバレエ教師、振り付け家として厳しく生徒たちを指導していました。スタジオでは鮮やかなスカーフを頭に巻き、口紅とマニキュアも欠かさず、常に優雅で洗練された装いを崩しませんでした。
強烈な個性と規律の厳しさで知られ、キューバで最も畏敬の念を集める人物の一人だったアロンソさんは国民に惜しまれながら、2019年10月に98歳で故郷のキューバのハバナで亡くなりました。
亡くなった時はディアスカネル国家評議会議長(当時のキューバの大統領的地位)が「アリシア・アロンソは非常に大きな空白を残して去ってしまった。しかし同時に素晴らしいレガシーも残してくれた」「キューバをダンス界で最高の場所に位置付けた」と発言し、感謝の意を表明しました。
キューバ国立バレエ団では、彼女の信念を受け継いだ後継者たちが現在もキューババレエの発展を進めています。
若き日のアリシア・アロンソさん
今は新型コロナウィルスの影響でキューバは入国制限をしており、バレエも当分は休演が決まっています。日常が戻り、キューバへまたお越し頂ける機会にはぜひ、アロンソさんが遺したレガシーを体験して頂きたいです。
H.I.S.キューバ支店ではキューバ国立バレエ団のチケット販売もしております。次回のキューバ旅行の際には是非検討してみてください。
イケダ
===編集後記===
新型コロナウィルスの影響で、キューバは3月24日~4月22日まで入国制限を実施していますが
キューバブログでは今後も水曜、土曜更新でキューバについてのニュースをお届けします。
普段通りの日常が戻った暁には、ぜひキューバへお越しください!