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2012.10.26
この10月、東京駅は大規模改修を終え、優美な姿を取り戻しました。平日でも「東京駅見物」のお客様が沢山押しかけています。
でもせっかく東京駅まで足を運んだのなら、「東京駅だけ見て帰る」のは、非常にもったいない。
なぜなら東京駅~皇居のお堀の間の丸の内地区は、名建築の宝庫なのです!
今回はこの話題の東京駅を中心に、丸の内の名建築をご照会いたします。
まずは東京駅。
南北の改札を出ると、壮大な「復活したドーム」が迎えてくれます。
みなさん、このドームを撮影(写メ)することに熱中(笑)
建物を外から見ると、また荘厳。
それを見るため、撮影するために、中央口正面の道はこのような人たちでいっぱい。
新丸ビルのテラスもいっぱいです(笑)
さて、新名所、東京駅を後にして、次の名建築に向かいましょう。
まずは現代の名建築家、前川國男設計の「東京海上ビル(現在の正式名称:東京海上日動ビルディング)」。1974年竣工。
私が建築工学科に入学する6年前の、その当時もっとも「ポリシーを持った建築物」として有名だったものです。
東京駅の赤煉瓦を意識し、東京駅と丸の内のオフィス街の「共存」を提案しての設計でしたが、残念ながら、その後の近隣の新築建築物に影響を与える事ができなかったことが残念。
丸ビル等の立替がすべて「東京駅を意識した外観」になっていたら、今回の東京駅改修も、もっと素晴らしいものになったでしょう。
残念ながら一般的には「名建築」とは認識されていませんが、そういった意味合いを含め、ここに紹介します。
つづいて、そこから丸の内のメインストリート、秋冬の夜は幻想的なイルミネーションに飾られる通りを歩き、お堀端にでると「明治生命館」があります。
5階分にも及ぶコリント式の柱、細かな装飾が施された重厚な扉、磨きこまれた大理石と、「古典主義様式の傑作」を見る事ができます。
背後の新築高層ビルと一体化され、まだオフィスビルとしても現役の建物です。
次に東京駅南口の南方面(京葉口)にすすむと「三菱一号館」。
鹿鳴館を設計した日本近代建築の父、ジョサイア・コンドル設計の建物(1894年竣工)で、丸の内の近代的オフィスビルの第一号と言われているものの「レプリカ」です。
なぜレプリカというと、一度高度成長期に取り壊され、最近「設計、素材、工法そのままに、復元」された建物だからです。
現在は美術館およびカフェとして一般の人も入れる建物ですので、ぜひ身近に触って見てください。
そこから南口正面に戻ると、本日最後に紹介の「東京中央郵便局の旧局舎」です。
明治生命館同様、旧舎のサーフェスに「JPタワー」という高層建築物が乗った建物です。
高層ビル建築時に、クリーニング(一部解体)されたため、非常に外壁が綺麗で、昔の建築物とは思えないような外観です。
今回ご紹介した建物以外にも、多くの「見るべき建築、都市風景」が丸の内にはあります。
首都圏への旅行の行き帰り、東京駅でお時間がありましたら、ぜひ一度「近代日本のオフィス建築」をみてください。