朝も開けきらない中、列車は8:28ぴったりに出発しました。
朝もやの中をひた走るBERNINA。
時折鳴らす「ピーッ!」という汽笛も、
昔懐かしい縦笛のようなかわいらしい音です。
しばらく行くと(この間約30分)、
かの有名なランドバッサー橋を通過。
目もくらむような高さで噂に違わぬ迫力です。
但し通過時間は僅か2~30秒・・・。
写真撮影に夢中になっていると、見逃しますよ!
ファインダー越しに見るより、直に眺めた方が迫力あります。
途中の景色は「黄葉」が見事で外を見ていてもあきません。
(↓撮影は10月上旬に乗車した時ものです)
途中下車しての「秋のハイキング」も中々素敵ですね。
家族連れのハイカーも多く目にします。
やがて列車は氷河のすぐ近くを通過、
車内からもその迫力ある景観が楽しめます
実は、かの有名な「氷河特急」からはネーミングとは異なり
現在氷河を見る事はできません。
誰かが「ベルニナ急行こそ氷河特急と名乗るべきだ」
と言っていたのを思い出します。
どんどん高度を上げてゆく列車は
ついに標高2000mを越える地域に突入。
いつの間にかあんなに見事に見えていた「黄葉」も
すっかり見えなくなり、荒涼とした地域になってきました。
有名な氷河湖「ラーゴ・ビアンコ」の横をひた走ります。
見てくださいこの湖の色!
周りの荒涼とした景色に非常にマッチしています。
沿道にはハイキングを楽しんでいる人達も。
是非手を振ってみましょう。喜んで応えてくれるはずです。
もうすぐ沿線の最高地点「オスピツィオ・ベルニナ」です。
「オスピツィオ・ベルニナ」を超えると、
列車はグングン高度を下げていきます。
まるでコースターか何かに乗っているような感覚で、
まるでトラムのよう!
一般車道を車と並走しながら街中を抜けてゆきます。
この非日常的な乗車感覚に、
頭の中でTV番組「世界の○窓から」のテーマ音楽が
流れてきたのは私だけでしょうか?
ここで世界的にも珍しい、
フル・オープンのループ橋「ブルジオ・ループ橋」を通過。
外を見ていると、つい方向感覚が狂ってしまいます。
ついに終点、イタリア領の「ティラーノ」に到着です。
片道やく4時間とちょっと。
イタリアですから、ちゃんとイミグレーションもあります。
パスポートは忘れずに持参しましょう。
ここで帰りの列車まで(約1時間半)、
ゆっくり本場イタリアンのランチを堪能。
駅近くにはオープンエアーのいい感じのレストランが
軒を並べています。
しかもスイスと違って比較的リーズナブルで味わえます。
ワインもすすむ!
レストラン脇で元気に遊んでいた子供達に
カメラを向けると・・・皆そろってニッコリ!
となりの駅では、「ミラノ行き」の列車案内が。
そうです。ミラノまではここから僅か2時間半の距離。
だってイタリアですもの。
*** *** ***
そうこうしていると帰りの列車の発車時刻となりました。
全く同じルートを行く列車ですが、
行きと帰りは日の光が当たる角度も違って同じ景色も
異なって見えるから飽きる事はありません。
しかも行きの列車でシャッターチャンスを逃した人も
もう一回チャンスが巡って来る訳です。
クールでの乗り継ぎも楽々で、
夜8時頃にはチューリッヒ中央駅に到着しました。
チューリッヒからの日帰りで楽しめる、絶景めぐりの旅でした。
スイスパスを持っていれば、
座席指定料金(片道9フラン)だけで楽しめますよ!
<<<おまけ>>>
★「パノラマ車両の車内は直射日光で暑い・・・?」
いえいえ。ベルニナEXには電動サンシェードが
付いているので大丈夫。
でも折角のすばらしい景色だから、
なるべく使いたくないですよね。
★「良い写真が取りたいのに、窓が開かない!」
そうなんです。ベルニナEXの痛いところですね。
でも大丈夫!車両の端・トイレの前には
僅かに頭が出る位の幅で空けることの出来る窓が有るんです。
非常に人気のポイントですから、
周りのお客さんと仲良く交替しながら撮影して下さいね。
★「デジカメの電池が・・・!」
絶景が連続するベルニナEXなだけに、
ついついカメラのシャッターを押しまくっちゃって電池切れ・・・。
でも大丈夫!車内には何と電源コンセントがあるんです!
但し数は少ないので要注意!
また日本のそれとは形もボルトも違うから、
アダプターは必要です。
あと、使う前には一言車掌さんに声をかけた方が安心して使えます。
★「腹減った~、喉が渇いた~・・・」
車内販売も回ってきます。
あと、ちょっとしたグッズも売ってますから
良い乗車記念のお土産になるかも。