先日、オペレッタを観てきました。
訪れたのはゲルトナープラッツ州立劇場です
この日の演目は「ペンザンスの海賊たち」
19世紀にイギリスで作られたこのオペレッタ。
オペレッタといえば喜劇なのですが、この日もいたるところで笑えました。
今日は、このオペレッタを紹介したいと思います。
どこかの海の、とある海賊船
海賊たちは、酒盛りを開いて、仲間の最年少フレデリックの、21歳の誕生日を祝っています。
21歳は海賊の成人らしく、フレデリックも立派な海賊の一員だ!と喜んでいます。
ところがフレデリックが、「一人前になったから、これからは海賊の仲間を離れ
残りの人生は海賊退治をするんだ!」と言い出したので、大慌て
(21歳で反抗期??)
オペレッタのはじまり はじまり~
フレデリックの言い分では、「自分を年寄りの乳母ルースに押しつけて
蒸発しちゃった両親が、勝手に自分を海賊にさせただけ」
海賊並みにワイルドな両親です。
フレデリックは、ルースにプロポーズします。
設定では、ルースは4○歳のナイスミドルです。
でも、フレデリックは生まれてこの方、ルース以外の女性を見たことがなかったので、ルースをこの世で一番美しくて優しい女性だと信じて疑いません。
そして、「俺について来い!」と一緒に下船したのでした
(おそらく)親に似て、大胆な決断です
下船してすぐに、フレデリックは若い女性を初めて目にします。
それは、海岸に水遊びに来たスタンリー少将の娘たちでした。
中でもメイベルという娘の美しさに、フレデリックは一目ぼれ
そしてフレデリックは、4○歳の乳母が、自分の花嫁として
ちっともふさわしくないことに気づいたのでした
「早まった~!」と後悔するフレデリック。
彼が無知なのをよいことに騙して結婚しようとしたルースを捨てて、近くの洞窟の中にひとりで住み始めます。
ルースは歌い怒りながら、どこかへ消えていきます。
怒るのもくどくのも歌なのがオペレッタ
その後は、洞窟からこっそり少将の娘たちがはしゃぐのを覗き見・・・・
まったく、怪しい人そのものです。
こんなストーリーですが、とても優雅な劇場で上演されたのでした。
劇場はこじんまりしていて、オーケストラの音が散らばったりしません。
覗き見していると、フレデリックは海賊たちが、この娘たちを狙っていることに気づいて注意を促します。
とつぜん現れたフレデリックに娘たちはビックリ。
でも、よくよく見るとフレデリックがイケメンだったので、結果オーライだったようです。
少将の娘もメイベルもまた、フレデリックのイケメンぶりに惹かれます。
相思相愛になるとデュエットするのがオペレッタ。
なんてかっこいいの~ なんて愛らしいんだ~
と歌いあいます。
幕間にはオーケストラピットを覗き見
ピットはたいがい狭いので、チェロなどは横の人の楽器に弓をぶつけそうになりながら弾きます。
避けるところが無いので、難しいです。
せっかく注意をしに岩場から出てきたのに、好いた惚れたと歌っているもんだから、時すでに遅し。
娘たちは海賊に捕えられてしまします。
(慌てても歌っているのがオペレッタ)
海賊が港に出没したので、警官がやってきますが、かなり頼りない警官たちで、舞台をくるくる回るばかりです
最後は海賊、警官、忘れかけていたけど再登場したナイスミドルのルース、娘たちなど、全員が舞台で踊り歌います。
あわや海賊が全員を捕えてしまおうとした時、警察署長が叫びます。
「女王陛下の御名において!」
この一言で、海賊たちは戦意喪失。おとなしくなってしまうのでした。
水戸○門みたいですね。
それにしても、さすがイギリスの作品です
海賊も正義を愛しているらしく、おとなしく警察に連れて行かれようとするとき、ルースがまた登場。
「彼らは海賊になんかなっちゃって、いろいろ悪いことをしたけれど、実はみんな貴族なんです」と言い出します。
警官もビックリ、観客もビックリです。
そして、娘たちの父・スタンリー少将も「貴族なら・・・」と許しを与えます。
そして、自分の美しい娘たちを元海賊たちと結婚させることにするのでした
散々な目に遭ったルースも含めてハッピーエンドになるのだから
ビックリです。
「それでええのん??」という急展開も、オペレッタです。
オペレッタに少し興味を持ってくださった方は、秋の夜長に
ぜひ一度、劇場へ足を運んでみてくださいね
Staatstheater am Gertnerplatz(ゲルトナー州立劇場)へは
地下鉄Frauenhoferstr.駅(U1,U2)、または Sendlinger Tor駅(U1,U2,U3,U6)から、それぞれ徒歩10分弱です。