ブログ
2013.02.26
ずっと気になってはいたものの、チャンスがなくて一度も行った事のなかった
念願のティリカム・ビレッジに行ってきました
ティリカム・ビレッジは、アメリカン・インディアン(政治的に正しくはネイティヴ・アメリカン)の文化を体験できるワシントン州立公園のひとつで、シアトルの名前の由来にもなったシアトル酋長の生まれ故郷でもあるドレイク島にあります。
ダウンタウン から10分ほどの距離にある56埠頭から、
クルーズ船が出ています。
当日はあいにくの曇り空でしたが、天気がいい日には夕焼け が
見事に見えるそうです…残念
ガイドさんの説明を聞きながら、地元シアトルっ子に人気のアルカイ・ビーチの近くを通り、約50分でドレイク島に到着です。
船を下りると、
トーテムポールが立ち並ぶロングハウスと呼ばれる建物が見えます。
中に入ると、マグカップに入ったアサリ蒸しとともに、
スタッフが笑顔でお出迎えしてくれました。
湯気の立つアサリは柔かくて、寒い日には芯から体が温まります
食べ終わった貝殻は外に撒かれて踏み砕かれ、
埠頭に続く白い道となっています。
ディナーはビュッフェ・スタイルです。
・サラダ(お好みでクランベリー、ブルーチーズ、ナッツをトッピング)
・3色豆のサラダ
・伝統的なバイソンと鹿のノース・ウェスト風シチュー
・ティリカム・ビレッジ特製パン
・生フルーツ
メインディッシュは、
ノースウェスト・インディアン・スタイルの直火焼きサーモン
開いたキングサーモンをヒマラヤスギの串に刺してじっくり焼くのですが、
脂が乗って柔かく、香ばしくて実に絶品でした
ワシントン大学の教授によると、この昔ながらの調理方法が、
サーモンを一番美味しく仕上げるんだそうです
デザートのアップルタルトが出されて間もなくすると、
いよいよ舞台の始まりです。
スクリーンに映し出された語り部が、先人達の知恵、
自然との調和について語り、野獣と狩人の踊り、水の踊りへと続きます。
規模こそ大きくないものの、暗闇に浮かび上がる踊り手と、
力強い太鼓の音が幻想的な雰囲気を醸し出します。
(舞台中は撮影禁止なので、ぜひご自分のとでどうぞ)
語られた話のひとつをご紹介します。
ある日、空がとても低くなってしまいました。
立ち上がると頭をぶつけてしまうので、人々は俯いて歩くようになり、
イライラが募って些細なことで諍いが増えるようになりました。
そこで少女が「空を押し上げてみたらどうかしら?」と提案しました。
村人は皆、「そんなことができるはずがない」
と相手にしなかったのですが、
少女の強い説得により、半信半疑ながらも協力する人が現れました。
力いっぱい空を押すと、ほんのちょっぴり空が高くなりました。
「もっとたくさんの人が押せば、きっと空がもっと高くなるわ」
今度は村人全員で力いっぱい押し上げると、
さっきよりも少し空が高くなりました。
さらに周囲の部族にも声を掛けて、とても大勢の人が集まりました。
でも部族ごとに言葉が異なるため、
どうしたら同じタイミングで空を押せるのか悩んでしまいました。
そこで、村一番の長老が知恵を授けます。
「掛け声に合わせて、一斉に押し上げればよい」
長老が教えてくれた掛け声に合わせて、
皆で一緒に力いっぱい空を押しました。
(ここで我々観客も立ち上がり、掛け声を上げながら一緒に空を押します )
すると空は昔のように高く高く押し上げられ、人々はまた顔を上げて歩き、
仲良く暮らすことができるようになりました。
その続編で、空が持ち上がった際に鳥の歌声が空に引っ掛かってしまい、
カラス、鷹、鷲、レン(ミソサザイ)が取り戻しに行く話もとてもユニークでした。
先人達の教えは、彼らの踊りと歌に今も引き継がれています
舞台鑑賞の後は、船の出発時間まで自由時間です。
実際に舞台で使われている仮面を彫っている所も見学できます。
仮面を持たせていただいたら、かなり重くて、
これを被って踊るのは結構重労働だなぁと感心することしきり。
この仮面が2万ドルもすると聞いてさらにびっくり
建物内には、トーテムポールや緻密に編みこまれた籠、お面等、
数々の工芸品も展示してあります。
クリントン元大統領も、このティリカム・ビレッジを訪れたそうです。
お隣はお土産屋さん。
お馴染みのドリームキャッチャーやシルバーアクセサリーの他、
タンブラーやマグカップなんかもあります。
こちらはとても可愛いとは言い難いぬいぐるみの数々。
小さな子供にあげたら、怯えて泣かれること間違いなしです
このちょうどこの裏側が舞台です。
ドレイク島は自然に恵まれ、とても美しい島です。
建物のすぐ近くで、鹿の親子を目撃しました。
ちなみにこの日には、近くで結婚式も行われていました
突如、船の警笛が大音響で鳴り響きます
ちょっぴり名残惜しくも、島を離れる時間がやってきました。
帰りの船では、(天気がよければ)
シアトルの美しい夜景 を楽しめます。
ネイティヴ・アメリカンの世界をちょっぴり垣間見た一日でした
日本に住む母がシアトルを訪れたら、ぜひとも招待してあげたいです
AKI
H.I.S.シアトル支店では、今回私が体験したティリカム・ビレッジを訪れる
「ティリカム・ビレッジ・ツアー」を催行しております
異文化に触れてみたい方、ちょっと変わったツアーに参加したい方、ふるってご参加ください
ティリカム・ビレッジ・ツアー(チケット手配のみ)
※今シーズンのティリカム・ビレッジに行くツアーは、
3月2日から始まります