冬になると街中やトラム、地下鉄でよく見かけるこのポスター。
演奏者の写真ではなく影絵なところが
なかなかインパクトあります。
これは実は、チェリストBeckmann氏による
チェロコンサートのポスターですが、
普通のコンサートと違うところは、
ホームレスや貧しい人のためのチャリティーコンサートという点。
「Gemeinsam gegen Kaelte」
(一緒に寒さに立ち向かおう・・といったニュアンス)
のフレーズにこのコンサートの意味が隠されています。
地元デュッセルドルフのAltstadt(旧市街)で
ホームレスの女性が寒さのあまり凍死したのをきっかけに、
毎冬のチャリティーコンサートを開始したそう。
Beckmann氏は一冬にかなりの数の
ドイツ全国巡回コンサートを行っています。
元・ドイツ大統領ヴァイツゼッカーが協賛しているというのも
注目すべき点。
デュッセルドルフでのコンサートに今年初めて行ってきました!
開催場所の、旧市街の教会
Dominikanerkirche St. Andreas。
長年デュッセルドルフに住んでいますが、
この教会に足を踏み入れたのは実は初めて。。
先週までの初夏のような陽気はどこへやら、
コンサートの日は冬が戻ったような寒さ
「寒さに立ち向かおう」なコンサートとなりました。
早くも満席。座席指定でないため席取りが大変。。
時間ぎりぎりに入ったため良い席が取れず・・
側廊だと柱で演奏者が全く見えません。
・・ので、2階席へ移動。
上の写真の上部、2階席、
真っ白な壁と天井、装飾が見事で、教会内を明るく見せる(魅せる?)
この日の演目は、J.S.バッハと、休憩を挟んで
チャップリン作曲の映画音楽。
このコンサートのおかげで、チャップリンが
自らの映画音楽を作曲していたことを初めて知りました。
チャップリンは独学でチェロやヴァイオリンを弾いたそう。
皮肉にもヒトラーと同年生まれのチャップリンは、幼いころは
貧困で大変な苦労をしたらしいです。
映画では貧困者や放浪者の目線で資本主義を皮肉ったりしているし、
そういう経緯もあって、Beckmann氏はチャップリンの作品をこのコンサートの
レパートリーにしているのかもしれません。
Beckmann氏はとても大柄で優しそうな方。
チェロが小さく見えました (^ー^)
この冬は、あと1回、最後にベルリンでコンサートが行われます。
残念ながらデュッセルドルフは終了ですが、
とっても良いコンサートだったので、
興味のある方、次の冬に是非出かけてみてくださいね
(夏)