こんにちは、台北支店のKです。
今日、ご紹介するのは台湾の変わったタイ式料理、椒麻鶏(ジャオ・マー・ジー)です。
椒麻雞とは、鶏のから揚げに花椒・黒酢・酒・醤油の効いたソースをかけて、
唐辛子・ニンニクなどを振りかけたピリ辛料理です。(ただし、決まった作り方はありません。)
写真はHIS台北支店の近くにある『銀魚タイ式料理屋(銀魚泰式料理)』が販売している椒麻鶏弁当です。
台湾ではタイ式料理のジャンルにされていますが、実は本場のタイでは食べられておらず、異国風の台湾料理なんだそうです。
要するに、タイ式の台湾料理です。
例えるなら、名古屋の台湾ラーメンのような感じですね。
元々は中国の雲南省の郷土料理です。
1945~1950年、中国の第二次国共内戦(中国国民党と中国共産党の内戦)で、敗戦した国民党の一部の軍人とその家族は雲南省からミャンマー/タイに逃れて、そこに移住し始めました。
同時に椒麻鶏という料理をミャンマーやタイ北部に持ち込み、味をアレンジしました。
ところが、1967年にミャンマーで排華事件(中華系住民を排除する事件)が発生し、多くの華僑が殺害、逮捕されて、中華系学校が封鎖されてしまいました。
多くの中華系住民はこのままミャンマーに残ると、永遠に差別されて、子供たちは正統な中華文化を習得することができなくなると思い、他国に移民する決意をして、多くの国民党出身の者は国民党が統治する台湾に移住し始めました。
当時、台湾ではタイ式料理があまり流行っていませんでしたが、台湾に来たミャンマー系華人が雲南省、ミャンマー、タイの郷土料理を持ち込み、タイ式料理を名乗るレストラン、食堂がだんだん流行っていきました。
椒麻雞という料理は台湾人の味、現地の食材に合わせて、更なるアレンジがされ、異国風の台湾料理となりました。
台湾の人気グルメ、塩酥鶏イエンスージー(台湾式の唐揚げ)と比べると、塩酥鶏は基本的にサクサクとした食感で、中華風のスパイスを振りかけるのが一般的ですが、それに対して、椒麻雞は酸っぱくて、辛いソースをかけて食べます。
銀魚タイ式料理屋は住宅街に隠れた店ですが、弁当が美味しくて、コスパが高いので、近所のサラリーマン、OLにとって、ありがたい存在です。
弁当は全部台湾ドル100元(約350円)で、ご飯が食べ放題、ドリンク飲み放題です。
おかずは2種類あり、一つはキャベツ炒めで、タイ式の味にアレンジされています。
もう一つはタイ式のキムチです。辛くなく、甘くて酸っぱい味です。
ご飯は細くて、粘りが少ないタイ米で作られています。
主菜の椒麻雞です。見た目は結構辛そうに見えますが、酢の酸味が強く、あまり辛くないです。辛いのが苦手な人でもおすすめします。
飲み物も二種類あります。一つはタイティーです。(タイ式ミルクティー)
もう一つは西米露(タピオカ・ココナッツミルク※日替わり)です。
如何ですか?台湾にいらっしゃいましたら、一度、椒麻雞を食べてみませんか。
以上、台北支店でした。