グルメ 2020.10.30

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こんにちは、台北支店のKです。

前回は雲南料理を中心とする桃園市の忠貞市場を紹介しましたが、
今回紹介するのは新北市中和区の南洋観光美食街です。

(南洋観光美食街)

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南洋とは東南アジアの意味で、つまりここは東南アジア料理を中心とする美食街です。
ただ、台湾でよく見かけるタイ料理がメインではなく、ミャンマー料理、インド料理、雲南料理が主流となっています。

なぜなら、実はここも泰緬孤軍と縁が深い場所だからです。
(※泰緬孤軍:2020年10月16日アップの『台湾国旗が一年中はためくお店「国旗屋」』参照)

泰緬孤軍が撤退する時、全員一緒に台湾へ来たわけではありません。
1954年頃撤退の部隊は現在の桃園市中壢区の忠貞新村に移住し始めましたが、一部の部隊はミャンマー、タイに残って、現地の華僑と暮らして、土着化していきました。

その後、1960~1970年代にミャンマーで排華(中華系を排除する)事件が起きてしまったため、泰緬孤軍の一部と現地の華僑は台湾に移民することを決意しました。台湾への移住先は現在の新北市の中和区と永和区となりました。そして移民と同時にミャンマーの文化と料理が台湾へ持ち込まれたのです。

1980年代に新北市の中和区の華新街の周辺にミャンマー系華僑の集落が形成されていき、やがて、今の南洋美食観光街となりました。

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同じく東南アジア料理が中心ですが、忠貞市場と南洋美食観光街は雰囲気や料理の味がまったく違います。

忠貞市場は軍人系の住民がメインなので、台湾の1960年代によくある愛国心が溢れる雰囲気で、また、雲南出身の者も多いので、料理の味は中華に近いです。

それに対して、南洋美食観光街はミャンマー系の華僑がメインのため、料理屋の看板、メニューはミャンマー語と中国語で書かれることが多いです。街の様子は東南アジアのような情熱的な雰囲気です。料理の味は多少台湾風にアレンジされていますが、ミャンマーを中心とするオリジナル料理に近いです。

約10年前から、毎年の4月中旬にソンクラーン(水掛け祭り)が開催されて、現地の住民だけでなく、台湾の人々と外国の観光客も一緒に楽しむようになりました。

知らない人々が互いに水鉄砲を撃ち合う様子はおもしろいですね。
(参考資料:https://news.cts.com.tw/cts/local/201904/201904121957720.html 華視新聞網より)

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今回筆者はまず阿薇緬甸小吃店(アウェイミャンマー食堂)でお昼を食べてみました。

(店の外観は台湾の食堂っぽいですが、ミャンマー語の看板が目立ちます。)

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(店内は結構狭いですが、地元の常連客が多そうです。)

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頼んだのは店の看板料理、ミャンマーの国民グルメ魚湯麺(မုန့်ဟင်းခါး/モヒンガー)です。

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スープはインド風のカレー味で、ソウギョ、ティラピアなど台湾でよく見かける淡水魚のペーストをベースに作られています。

(揚げ物みたいなのはバナナの茎で作られたものです)

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麺は米で作られたビーフンですが、台湾の食堂でよくあるビーフン炒めの食感と違って、柔らくて、お粥のように食べやすいです。

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台湾でよく食べられているソウギョ、ティラピアが入っているので、異国風でありながら、台湾の味を感じる料理です。

(店のメニューは、中国語とミャンマー語で書いてあります)

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価額は80元(約280円)です。

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続いて、隣の旺旺來亞洲咖哩屋(ワンワンライアジアカレー屋)でスイーツとアイスクリームを食べてみました。

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店のメニューをよく見ると、インド風のカレーがメインですが、実はオーナーはミャンマーからの移民です。

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この店に限らず、この街の店の多くはミャンマー出身の者が多いが、インド料理も販売しています。なぜなら、ミャンマーはイギリス統治時代、インド出身の労働者が大量に輸入されるとともに、インド料理も同時に導入されたからです。

(店内は狭いですが、清潔感があって好印象です。)

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今回頼んだのは黑糖發糕(黒糖ケーキ)と 印度冰(インドアイスクリーム)です。

黑糖發糕(黒糖ケーキ)

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黑糖發糕は名前を見ると、台湾でもよくあるレトロなスイーツと思われますが、これは膨張剤を利用せずに、たまごの卵白で自然膨張させた焼きケーキです。黒糖と杏仁の組み合わせが非常にマッチしています。

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また東南アジア独特の香辛料が入っているらしく、台湾の味と東南アジアの味が見事に融合しています。

食感はパンケーキのようです。甘さが結構抑えられているので、甘いのが苦手な人にもお勧めします。

価額は50元(約180円)です。

印度冰(インドアイスクリーム)

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この店の看板料理のうちの一つです。印度冰という名前ですが、インド産のアイスクリームではありません。オーナーのオリジナル料理です。


牛乳がベースで、手作りのプリン、ゼリー、チアシード、バニラアイスが入っています。
砂糖はローズシュガーが使われています。ココナッツミルクを使わず、牛乳が入っているブブ・チャチャのような食感です。

(黄色いのはチーズっぽいですが、実は手作りのプリンです。)

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甘さは台湾のドリンクスタンドと同じく、調整もできます。

価額は60元(約210円)です。

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南洋観光美食街へのアクセスは便利で、台北メトロの中和新蘆線「南勢角駅」で降りて、徒歩で約550メートル、10分以内に到着できます。

ただし、営業時間に関しては、台湾の店と違って、基本的に午後6時以降ほとんどのお店が閉店するので、ランチの時間帯にいくことをおすすめします。

アクセスはこちら

筆者ももう一度南洋観光美食街に行って、別のグルメを食べてみたいと思います。
以上、台北支店でした。

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