カルチャー・生活
2012.11.23
バリ島といえば、きらびやかな衣装を身にまとったバリダンスが有名ですよね。バリの中でもウブドは毎晩バリダンス公演が催されていて、観光客の方もカンタンに鑑賞することができます。
レゴンやバリス、オレッグ、クビャール系ダンスなど、ほとんどのダンスが網羅されていますが、中には本当に宗教儀礼でしかお目にかかれないダンスもあるんです。
友人が卒論に「バリ島のサンヒャンダンス」をテーマにしたことがきっかけで私も今回その機会に巡り会いました。
サンヒャンの中にもいろいろな種類があり、サンヒャン・ジャランは別名ファイヤーダンスとしてよく知られ、火のついた椰子の実の上を、トランス状態になった男性が木馬にまたがり、蹴散らし歩くといったエキサイティングなダンスです。
これはケチャックダンスと組み合わされて、ウブドでも定期公演がされています。
もうひとつ、サンヒャン・ドゥダリ。ドゥダリとは「天使」という意味だそうで、これはまだ初潮を迎える前の少女2人がトランス状態になり、目をつぶったまま踊るという神秘的なダンスです。
私も一度だけウブドの公演で観たことがありますが、確かにあまり観る機会がないダンスです。
バリの人に訊いても意外と「観たことない」っていう答えが多いんです。
なので、それを調べるとなるとかなり大変。資料もあまりない中で、友人がやっとたどり着いたのがケテウェル村。この村はサヌールから車で20分ほどのギャニャールエリアにあります。
この村がサンヒャン・ドゥダリ発祥の地で、大きな祭礼のある時には必ず踊られるそうです。
ただ、ここのサンヒャン・ドゥダリは、トランスではなく、女の子が仮面を被って踊ります。
地域によって違うんですねぇ。。。。フムフム
ここがケテウェル村のバンジャール・クブール。ここのバンジャールの集会所の中にあるお寺が今回の祭礼の場所です。
村人たちがお供え物を持って次々とお祈りしていきます。境内の中に入るのは気が引けたので、塀の外からパチリ
今日の主役、かわいい踊り子ちゃんたち3人が車で登場。なんかいつもの踊り子ちゃんと雰囲気が違うのは、踊り子ちゃんたち、スッピン
だぁ。。。
それに踊るのって2人じゃないの???
サンヒャン・ドゥダリはバレにある舞台でなく、境内の中で行われます。
ガムラン隊もさっきまでバレで演奏していた人たちとは別の、サンヒャン専属ガムラン隊です。
なんかホント特別な感じですねぇ。。。
踊りの前に踊り子ちゃんたちが、仮面の入っているつづらの前でお祈りをします。
仮面をつけるお手伝いをするお姉さんたちがちゃんと横で待機しています。
仮面はひとつずつちゃんと布でくるまれていて、すごく丁寧に扱われてるんですよ。
ただのお面じゃない、とてもスピリチュアルなお面。
いよいよ踊りがスタート。仮面はなんだかジャワっぽい雰囲気の仮面です。意味がちゃんとあるんでしょうね。。。
お面が茶色に変わりました。この後、もう一度お面を交換。
最後は水色と緑の仮面です。このお面、なんだか意地が悪そうに見えるのは私だけ?
3人めの女の子はいつ踊るんだろう?ひょっとして予備?と思っていたら、踊り出しました。
よく観たら被りものも形が違いました。
レゴンダンスで締めくくりです。
奉納舞が終わったら、村人たち全員でお祈りをします。
サンヒャンを奉納するのは、疫病や災難を追い払い、村に平穏をもたらすためと、ちゃんと意味があるんですね~。お祈りする時の村人たち、空気も凛として、ホント浄化されてる感じです。
長年住んでいるのに、初めて観たケテウェル村のサンヒャン・ドゥダリ。
バリ島はホント奥が深い島ですねぇ。でもひとつ思うのはこうしたバリの人々の祈りがあるからこそ、平和に暮らしていけるのかもですね。
私も心が清められた気がします。