ブログ 2006.08.25

特に20代の酒飲みっていうのは、酒がわかってませんので、つい飲み過ぎちゃって、居酒屋の便所とか、駅の階段なんかでゲロゲロしてる人、ちょっと前まではよく見かけたもんですが、近頃は皆さん品が良くなられまして、公園や駅のベンチなんかで寝ている人もいなくなりましたですね。ひどい酔っ払いになると飲んでるときの事をまったく覚えていないなんて人の話をよく聞いたもんでが。

まさる君もそんななかの一人に間違えありません。空港の待合席で電話での会話を思い出しています。

意気投合した彼女ジェーンさんは、オーストラリアはメルボルンの生まれで、英語を教えるために日本の、とある大学に非常勤講師として在籍しておりまして、数年教鞭をとっておりましたが、なんと言っても遊び盛りですから彼氏の一人もできちゃって、今度の夏休みを利用して舶来の彼氏って言うのを実家の家族や友達に紹介して驚かせてやろうと思い立ちました。

パスポートやら飛行機のチケットなんかをHISでそろえまして、、、、、、「え?何ですか?もう一回?」、、、そうです海外送客数ナンバーワンのHISで購入しまして、色々準備しておりましたが、出発が近付いたある日突然ふられちゃいまして、やけ酒でも飲んでやろうというところに、向こうから鴨が葱を背負ってやって来た訳です。「よった勢いで、俺も何やってんだか、、、。」とは、まさる君言いませんで、せっせと航空券の名義を変えたりパスポートを取ったりと大忙しでございます。同情なのか、彼女が可愛かったからなのか内心のほどは分かりません。

そんなまさる君、実は海外に全く興味がありません。手続きが終わると全て忘れちゃったようになぁ~んにも致しません。けんちゃんも心配になってガイドブックなんか持って来たりするんですが「余裕だよ、余裕。」なんて息巻いておりますが、夏休みが終わる前日、父親にどやされて、泣きながら宿題やったの、忘れちゃったんですかねぇ。

案の定上まさる君、国際空港内をあっちへ行き、こっちへ行きしている。何はともあれ辞書が欲しい。そうですまさる君、全く英語が話せない!やっぱりね。いまさらあせったってもう遅いんですが、空港にある本屋さんを片っ端から回ってみました。どうも思うようなのが見つからない。というのも今回の旅行の助けになればと思って買うわけですから、授業で使うような座布団みたいなものはいらない。さらに、これから行く国がどんな国なのか全く予備知識の無い彼は、せめて地図くらいは見ておきたいので、できたら地図付きが欲しい。しかし、空港の本屋さんには、ほとんど辞書はおいていません。目を血走らせながら探しましたが見つからない。当てが外れたまさる君、店先で一人船を送るみたいにぼ~っとなってしまいました。



問題の空港内で




そこへ、、、、、えー私も書くのが嫌になってきましたが、そうです呼び出しです。「アテンションプリーズ、香港経由でメルボルンへお越しのxxxまさる様、ご出発が近付いておりますので、、、、、。」チェックインをしたものの、その後の説明を上の空で聞いていた彼は、電車と同じように出発前までに搭乗すればいいのだろうと思い込んでいたのです。しかもすべてが初めての経験ですのでまさる君、慌てた慌てた。猪のように走り出し、兎に角セキュリティーゲートへ、順番待ちももどかしく、えい!とばかりにゲートをくぐるとサイレンがけたたましく鳴りだし、ガードマンやら、係員やらがわらわらよってきて彼を取り囲み、口々に何か言っているのですが、本人はパニックに陥っていますからさっぱりわからない。豆鉄砲でも食らったような顔をしながらジャケットやらバッグやらをトレイに乗せて、言われるままにポケットに手を突っ込んで小銭を取り出しましたが勢いあまって空中へスポン!小銭はしばし宙を漂った後、床へバラバラバラ。その頃にはまさる君泣いたような顔になっちゃって、息も絶え絶え。釣り上げられた魚が一匹でき上がりました。

何はともあれ無事にチェックを終えたんですが、そこにまた女性係員がいる。間違えなく怒ってます。彼の顔を見るなり「出国カードの記入お済みですか?」「え!まだですか?」「パスポート貸して下さい!」さらに無線で「xxxまさる様見つけました!すぐにゲートに向かいます!」「急いで下さい。便が出てします!」「こっちです!」「食べ物は機内で出ますから!」「ヘッドホーンなんかとってる場合じゃありません!」「トイレも機内まで我慢して下さい!」、、、、、、、。やっとの思いでタラップまでこぎつけた時にはフルマラソンを終えた谷○選手みたいになっちゃって、見るも無残なまさる君です。


ある状況を例えて“まるで嵐のよう”といいますが、パニックに陥っているまさる君の頭の片隅で「確かに。」とつぶやく余裕だけはあったそうです。

その彼に、ずいぶん怒っていただろう女性係員が最後に一言。

「いってらっしゃいませ!」


彼女の口から出たその言葉が固まりになって、狭い通路の壁や床に何度も跳ね返るのを、まさる君は暫く眺めていました。



(ふっ)

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    • 投稿: もっさん -2006年8月25日 (金) 07時05分

      ■無題
      なんか一番最初に海外に行った時の香港を思い出すのは私だけでしょうか・・・

    • 投稿: ふっ -2006年9月 9日 (土) 05時59分

      ■思い出しますねぇ~
      私も、始めて香港に行ったときは、まだ古い空港で、トランジットルームが見つけられずに3時間くらいうろうろして、警備している兵隊に銃突きつけられました。怖かったっす。

    • 投稿: もっさん -2006年9月19日 (火) 07時37分

      ■続きはないのですか?
      この話続きはないのですか?結構はまってしまい次を待っているのはわたしだけでしょうか?だいぶ前のブログで紹介していた「王妃の館」を今読んでいます。仕事のランチ中に一日50ページづつ読んでいるのでなかなか先に行きませんが面白くってはまっております。同じ部屋を使った同時ツアーなんてよく思いつきますよね。

    • 投稿: もっさん -2006年9月19日 (火) 07時37分

      ■続きはないのですか?
      この話続きはないのですか?結構はまってしまい次を待っているのはわたしだけでしょうか?だいぶ前のブログで紹介していた「王妃の館」を今読んでいます。仕事のランチ中に一日50ページづつ読んでいるのでなかなか先に行きませんが面白くってはまっております。同じ部屋を使った同時ツアーなんてよく思いつきますよね。

    • 投稿: ふっ -2006年10月14日 (土) 05時01分

      ■生きがいいすよ!
      只今生きのいいねた仕入れ中。こうご期待。

    

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