オーロラの色と形 さて、これまでレポートして参りましたオーロラビレッジ(イエローナイフ/カナダ)で鑑賞する「夏オーロラ」。撮影した写真を整理しているうちに、色と形にパターンがあることがわかりました。
ここでは最後にもう一度実際の鑑賞の参考に「冬オーロラ」の写真も含めて「色と形」についてまとめてみたいと思います。
オーロラの形
様々な形に変化するオーロラを、以下の4つのパターンに分けてみました。
(1)一本筋(すじ)のオーロラ

オーロラが出現する時に良く見られる「一本の筋」が走るオーロラ。オーロラ・ビレッジではスタッフやカメラマンの皆さんが常時空を見ていて、少しでも動きがあると「~の空にオーロラが出始めました」と声をかけてくれます。
これまでの経験で言うと、こうした一本筋のオーロラが出現し、薄いものから濃いものに変化したり「たなびく」ように動き始めると、以下のようなオーロラに発展する可能性があります。
(2)カーテン状のオーロラ

一本筋のオーロラが形を変えるパターンの一つとして良く見られたのが、「カーテン状のオーロラ」。たなびきながら幅が広がる形での展開です。動きが緩やかな場合は5分~10分と滞在時間の長いオーロラを楽しむ事ができ、最後に一本筋のオーロラに戻って消えて行くことがあります。動きが強くなると、さらに「渦巻き」に発展することがあります。

「渦巻き」に発展しない場合は、このように空に大きく広がるオーロラになることがあります。

地平線から天上に向けて縦に伸びるパターンもあります。オーロラの起点となるところから形が変わって行く様子が見られます。場合によっては起点と反対側の場所でも強いオーロラになることがあり、起点と終点の両方を見ているとダイナミックなオーロラを鑑賞することができる場合があります。

天上にオーロラが出た場合には、このように天上の一点からカーテン状に広がるオーロラを見る事ができます。活動が強い場合には、「空から降ってくる」姿を肉眼でもはっきり見る事ができ、天上でカーテンがたなびくように見える迫力あるオーロラを見る事ができます。

これは空から降ってくる帯状のオーロラの別パターン。空の一点から始まり、地平線に向かって帯状に伸びている様子がはっきりと見てとれます。
(3)渦巻きオーロラ

一本筋から帯状になったオーロラのうち、動きが強い場合にはこうした「渦巻き」になる場合があります。経験的にですが「一本筋」から始まったオーロラが「渦巻き」に発展するとだいたいそのオーロラはそこで完結する場合が多く、活動が静かになるにつれて一本筋に戻って行く場合もあります。

縦に伸びたオーロラが見事な渦を巻いたオーロラ。中心に強い核のようなものができ、周辺に向かって渦を巻きながら降り注ぐカーテンのようにオーロラが見えています。
(4)全天を覆うオーロラ爆発

通常は「一本筋」「カーテン」「渦巻き」がゆっくりと時間をかけて(場合によっては1時間以上)見られるわけですが、これが大変短い時間に現れることがあります。これを「オーロラ爆発」と呼ぶようです。実際に前回冬の時に目撃したのはほんの数分。今回夏の場合は10分ほどだったでしょうか。一本筋からカーテンまでほんの「数秒」で展開し、あれよあれよという間に「全天」にオーロラが広がり、まるでダンスをしているみたいなオーロラ・ショーを見る事ができました。
オーロラの色
肉眼では薄いグレーのように見えるオーロラもカメラで撮影すると、さまざまな色があることがわかります。
原理としてオーロラの色は、太陽からの「太陽風(太陽から降り注ぐプラズマ=陽子/電子)」が地球に到達した時にぶつかる大気中の粒子によって決まると言われています。発色の原理は、赤=密度の濃い酸素(上空500~250km)、緑/白=酸素(250~100km)。そして紫/ピンクですが、これは窒素(100km付近)との反応によって起こるものです。
活発なオーロラの場合は、肉眼でも赤やピンクの色つきオーロラを見る事ができますので、ぜひチャレンジしてみてください。
(1)緑のオーロラ

一番良く見るオーロラの色ですね。
(2)赤のオーロラ

肉眼で赤を見るのはなかなか難しいようですが、カメラはしっかりと捉えていました。
(3)虹色のオーロラ

緑、黄色、赤の三色が帯状に見えていました。
(3)紫のオーロラ

緑のオーロラの上に薄く「紫」があるのがご覧いただけるでしょうか? 1000枚近く撮影したオーロラ写真の中で、これがただ一枚だけの「紫のオーロラ」でした。
(4)番外編:オーロラと流れ星

今回「夏オーロラ」でよく見かけたのが「流れ星」。このショットは偶然ですがオーロラに向けて流れ星が走る様子が捉えられていました。左に見えるのは天の川です。これも「夏オーロラ」ならではの風景ですね。
終わりに
これまでお送りしてきました「夏オーロラ」レポート、いかがでしたでしょうか? 「夏でもオーロラが見られるんですか?」といまだに聞かれるのですが、冬と夏のオーロラで違うのは気温だけでそれ以外には大きく変わる所はないようです。
イエローナイフの季節は秋から冬に変わり、天気予報を見ると雪が降り始めているようです(2012年10月10日現在)。これから約一ヶ月ほどの天候が不安定な時期が終わると、11月には再びオーロラが出現する「冬オーロラ」の季節が始まります。太陽の活動(オーロラのもととなる太陽風)も活発なようですから、さらに美しいオーロラがイエローナイフの空にたなびくことでしょう。
今年は2度(2月/9月)オーロラビレッジで「生まれて初めてのオーロラ」、しかも「夏/冬」の季節を堪能する事ができました。まだオーロラを見たことがない方がおられましたら、ぜひ一度イエローナイフのオーロラ鑑賞にお出かけください!
私はすっかりオーロラのファンになってしまい、来年もまたイエローナイフにでかけたいと、今からカレンダーとにらめっこをしています。。
滞在の様子は随時Facebookページ(こちらは一日一つのトピックを選んでまとめ的に):
http://www.facebook.com/AuroraYellowknife
およびEventJot(こちらはライブ中継風に):
http://eventjot.com/2122
でお伝えしていますので、よろしければぜひご覧ください。
ここでは最後にもう一度実際の鑑賞の参考に「冬オーロラ」の写真も含めて「色と形」についてまとめてみたいと思います。
オーロラの形
様々な形に変化するオーロラを、以下の4つのパターンに分けてみました。
(1)一本筋(すじ)のオーロラ

オーロラが出現する時に良く見られる「一本の筋」が走るオーロラ。オーロラ・ビレッジではスタッフやカメラマンの皆さんが常時空を見ていて、少しでも動きがあると「~の空にオーロラが出始めました」と声をかけてくれます。
これまでの経験で言うと、こうした一本筋のオーロラが出現し、薄いものから濃いものに変化したり「たなびく」ように動き始めると、以下のようなオーロラに発展する可能性があります。
(2)カーテン状のオーロラ

一本筋のオーロラが形を変えるパターンの一つとして良く見られたのが、「カーテン状のオーロラ」。たなびきながら幅が広がる形での展開です。動きが緩やかな場合は5分~10分と滞在時間の長いオーロラを楽しむ事ができ、最後に一本筋のオーロラに戻って消えて行くことがあります。動きが強くなると、さらに「渦巻き」に発展することがあります。

「渦巻き」に発展しない場合は、このように空に大きく広がるオーロラになることがあります。

地平線から天上に向けて縦に伸びるパターンもあります。オーロラの起点となるところから形が変わって行く様子が見られます。場合によっては起点と反対側の場所でも強いオーロラになることがあり、起点と終点の両方を見ているとダイナミックなオーロラを鑑賞することができる場合があります。

天上にオーロラが出た場合には、このように天上の一点からカーテン状に広がるオーロラを見る事ができます。活動が強い場合には、「空から降ってくる」姿を肉眼でもはっきり見る事ができ、天上でカーテンがたなびくように見える迫力あるオーロラを見る事ができます。

これは空から降ってくる帯状のオーロラの別パターン。空の一点から始まり、地平線に向かって帯状に伸びている様子がはっきりと見てとれます。
(3)渦巻きオーロラ

一本筋から帯状になったオーロラのうち、動きが強い場合にはこうした「渦巻き」になる場合があります。経験的にですが「一本筋」から始まったオーロラが「渦巻き」に発展するとだいたいそのオーロラはそこで完結する場合が多く、活動が静かになるにつれて一本筋に戻って行く場合もあります。

縦に伸びたオーロラが見事な渦を巻いたオーロラ。中心に強い核のようなものができ、周辺に向かって渦を巻きながら降り注ぐカーテンのようにオーロラが見えています。
(4)全天を覆うオーロラ爆発

通常は「一本筋」「カーテン」「渦巻き」がゆっくりと時間をかけて(場合によっては1時間以上)見られるわけですが、これが大変短い時間に現れることがあります。これを「オーロラ爆発」と呼ぶようです。実際に前回冬の時に目撃したのはほんの数分。今回夏の場合は10分ほどだったでしょうか。一本筋からカーテンまでほんの「数秒」で展開し、あれよあれよという間に「全天」にオーロラが広がり、まるでダンスをしているみたいなオーロラ・ショーを見る事ができました。
オーロラの色
肉眼では薄いグレーのように見えるオーロラもカメラで撮影すると、さまざまな色があることがわかります。
原理としてオーロラの色は、太陽からの「太陽風(太陽から降り注ぐプラズマ=陽子/電子)」が地球に到達した時にぶつかる大気中の粒子によって決まると言われています。発色の原理は、赤=密度の濃い酸素(上空500~250km)、緑/白=酸素(250~100km)。そして紫/ピンクですが、これは窒素(100km付近)との反応によって起こるものです。
活発なオーロラの場合は、肉眼でも赤やピンクの色つきオーロラを見る事ができますので、ぜひチャレンジしてみてください。
(1)緑のオーロラ

一番良く見るオーロラの色ですね。
(2)赤のオーロラ

肉眼で赤を見るのはなかなか難しいようですが、カメラはしっかりと捉えていました。
(3)虹色のオーロラ

緑、黄色、赤の三色が帯状に見えていました。
(3)紫のオーロラ

緑のオーロラの上に薄く「紫」があるのがご覧いただけるでしょうか? 1000枚近く撮影したオーロラ写真の中で、これがただ一枚だけの「紫のオーロラ」でした。
(4)番外編:オーロラと流れ星

今回「夏オーロラ」でよく見かけたのが「流れ星」。このショットは偶然ですがオーロラに向けて流れ星が走る様子が捉えられていました。左に見えるのは天の川です。これも「夏オーロラ」ならではの風景ですね。
終わりに
これまでお送りしてきました「夏オーロラ」レポート、いかがでしたでしょうか? 「夏でもオーロラが見られるんですか?」といまだに聞かれるのですが、冬と夏のオーロラで違うのは気温だけでそれ以外には大きく変わる所はないようです。
イエローナイフの季節は秋から冬に変わり、天気予報を見ると雪が降り始めているようです(2012年10月10日現在)。これから約一ヶ月ほどの天候が不安定な時期が終わると、11月には再びオーロラが出現する「冬オーロラ」の季節が始まります。太陽の活動(オーロラのもととなる太陽風)も活発なようですから、さらに美しいオーロラがイエローナイフの空にたなびくことでしょう。
今年は2度(2月/9月)オーロラビレッジで「生まれて初めてのオーロラ」、しかも「夏/冬」の季節を堪能する事ができました。まだオーロラを見たことがない方がおられましたら、ぜひ一度イエローナイフのオーロラ鑑賞にお出かけください!
私はすっかりオーロラのファンになってしまい、来年もまたイエローナイフにでかけたいと、今からカレンダーとにらめっこをしています。。
滞在の様子は随時Facebookページ(こちらは一日一つのトピックを選んでまとめ的に):
http://www.facebook.com/AuroraYellowknife
およびEventJot(こちらはライブ中継風に):
http://eventjot.com/2122
でお伝えしていますので、よろしければぜひご覧ください。