【チョークアートのはなし】
昔はよく子供たちが道路にチョークで落書きをしたものです、先日久々にゴールドコーストでも子供達が道路に落書きをしている懐かしい光景を見ました。今でもあるんですね…。イタリアではこのチョークで床に宗教画などを描いた有名なチョークアートがあります、サーファーズパラダイスでも昨年からそれに似た催しが行われており先日もカビルモールで今年で第2回目の“chalk the walk” と言うイベントがありました。
チョークアートは幾つか種類がある中で今回は上記のとは違うものをご紹介したいと思います。皆さんもご覧になった事があるかと思いますが今回のチョークアートとは主にレストランやカフェにある手描きの看板のことです。それは黒板にメニューや文字を描いたものですが、この看板、古いスタイルではチョークで黒板に文字や絵を事務的に書いただけの芸術性と魅力に欠けるものです。ちなみに欧米ではこの古いスタイルのチョーク看板が主流。オーストラリアでは1990年代には新しいチョークアートが編み出されていました、それは古いスタイルを進化させたものですが呼び方は同じチョークアートです。
【新しいチョークアートはゴールドコースト生まれ】
新しいスタイルとはチョークの代わりにオイルパステルを使用します、その為 色が豊富な事とグラデーションが効果的に用いることができ本物のような香りや感触が伝わってくるように描く技法です。この新しいチョークアートはゴールドコースト生まれのポップアートです、芸術的なレベルが非常に高くこの様なスタイルはかつてなかった為、古い
スタイルのチョークアートとは一線を画しています、広告としての効果は抜群でゴールドコーストならではのカラフルで独特な色の組み合わせが存在感を演出し印象的です。
ポップでキュートでカラフルと言う言葉がピッタリ、しっかりと目を捕らえる事ができます。しかも見ている人の気持ちをHappyにしてくれるカラーヒーリング効果も期待できるのだそうですが本当に見ているだけで気持ちが明るくなる描きかたです。
この画期的な技法は目を引きつけ印象に残る描き方という事で1990年代には【魔法の技法で描いているみたい】と言われていました。その頃ゴールドコーストにこの新しいポップアートを編み出して一躍有名になった工房がありました。この工房では二人の女性アーティストが看板を描いており一人は工房のオーナーでした、二人が描くチョークアート看板にはオーストラリア全国から有名企業の名前も連ねて制作依頼が殺到していました。このHappyで楽しいポップアートはゴールドコーストの大自然と300日が晴天といわれた現地の恵まれた環境に暮らしながら古いタイプのチョークアートをもっと楽しくリアルに描きたいと思う地元のアーティストの感性がコラボレートされて生まれたアートだと言われています。これらの理由により新しいチョークアートはゴールドコースト生まれと、いわれるようになりました。
【世界で最初のチョークアート・スクール】
このアートが日本で知られるようになったのはゴールドコーストの一企業AASTが
1990年代の後半に【魔法の技法】で描きチョークアートで看板を制作していた
バーリーヘッズの一工房で二人のアーティストを発見した事から始まります、その後
日本に紹介させてもらえる様、説得し新しいチョークアートが日本に紹介できる
学校として【AASTチョークアート・スクール】第1校目が設立されました。
当時この工房では他人に【魔法の技法】を伝授する事を強く拒み、アイディアや技法の流出を大変恐れていました。その頃はチョークアートを教えている所はありません、この工房では他人に技法を教えることは絶対禁止の門外不出だったのです、自分達だけで看板制作を行う考えのもと教室や学校という構想は皆無でした。そのような状況の中AASTは工房の一人、オーナーアーティストと日本人を対象にしたチョークアート・スクールの設立を提案しました、しかし、オーナーはアイディアの流出を恐れていた事と日本人を好ましく思っていなかった過程があり新しいチャレンジには、なかなか良い返事がもらえませんでした、長い間 説得を重ねてようやく了解してもらえてできたのが第1校目の
【AASTチョークアート・スクール】で世界初のチョークアートを教える学校でした。
【チョークアートが日本に広まった歴史】
一工房が編み出した技法ですから、どこにもない新しいチョークアートです。
学校も世界でたった一つの学校です。ちょうど、インターネットが盛んになる時代にあり当時AASTはインターネットを通じて日本にチョークアートの情報を発信しこのアートの普及とアーティストの養成に努めていきました。聞きなれない新しい名前の情報に直ぐ日本の若い女性達が関心を示し、その後より現在に至っても、たくさんの方がゴールドコーストにチョークアート留学をするようになりました。その結果、魔法の技法のチョークアートが日本に持ち帰えられ広まって各地に学校やカルチャースクールができ、また個人で看板を描くビジネスが行われるようになったのです。現在、この業界でご活躍されているチョークアーティストの方々は殆ど【AASTチョークアート・スクール】の卒業生やそのお弟子さま達です。今では大勢の方々が日本に新しいビジネス業界を作り出し
社会の経済効果に貢献をされるようになりました。
【チョークアートは時代とともに変化しています】
それから十数年たった現在はチョークアートの内容も変化してきております。日本では
現在もチョークアートが盛んです、特に湘南方面で人気がありアーティストの激戦区になっているようです。一方ゴールドコーストのカフェーやレストランでは、かつてのポップでキュートなメニューボードや看板が見られなくなりました。また発祥地であるゴールドコーストにはAASTが2校目の学校を作り、そこの講師が1990年代に初めて出会った工房のもう一人のアーティストのリサ・ポロック先生です、リサ先生はかつてAASTの第1校目の学校ではチョークアート教授法のスキルを開発し中心になって生徒の指導を
されていた先生です、当時のAASTのホームページにもそのようにご紹介しておりましたので覚えていらっしゃる方があるかもしれません。その後リサ先生が2004年にインテリア・デザイナーとして独立され、時代のニーズが変化してきたことに合わせ更に新しいタイプのチョークアートを模索しインテリアデザインが学べてインテリア製品も制作できる学校として2008年にAASTの第2校目の学校 【オーストラリアン・チョークアート】が設立されました。
【チョークアートアーティストと空間デザイナーを目指して】
この学校ではチョークアートを基本にしながらプロになるためのインテリアデザイナーやカラー・コーディネーターを養成しています。日本では地域により差があるようですがインテリア・デザインという言葉はまだ身近ではなさそうです、インテリアデザイナーの職業には専門分野がありますがこの場合は建築図面・工学・設計などの基礎を携わるのではなく、例えば欧米では主婦が簡単に部屋の壁を塗り替え、それに合わせて壁を飾る額やクッションなどもコーディネートさせてしまう等が日常的に行われていますがオーストラリアもほぼ同様です、当地ではこうゆう働き方をしているインテリアデザイナーの方が多くいらっしゃいます。私達はインテリアセンスを磨き少し手を加える事で家庭や職場が
【心地ち良い空間】として生まれ変わるという事の一助になれればと願っている次第です。
Mareeze
AASTのインテリア チョークアート スクール
【オーストラリアン・チョークアート】
http://www.australian-chalkart.com/