世代を超えて普遍の感動を呼び、アンコール王朝の至宝である
アンコール・ワットを今回はご紹介したいと思います。誰もが一度は
その名前を耳にしたことがあるくらい有名な世界遺産の1つであり、
一生一度は訪れてみたい世界遺産ベスト10に入る観光名所の1つ
であることに間違いありません。ベタ褒めしてますが、数々の賞賛に
充分値いするだけの価値が確かにあります。 老若男女を問わず、
誰もがそのスケールの大きさに圧倒され、感動を覚えるはずです。
同じ感動を一人でも多くの身近な人と共有する為にも、是非とも!
ご家族揃ってアンコール・ワット詣でにカンボジアに来て見てください。
アンコール・ワットは12世紀前半にスールヤヴァルマン2世が自ら
の王廟として建造したとも言われています。東南アジアの寺院は東
が正面になっていますが、アンコール・ワットは西が正面になってい
るからです。その為、観光するなら、逆行となる午前を避けた午後の
方が良いとされています。しかし、朝日と夕日の時間帯も最高です。
時間的に余裕があれば、是非!両方共にご覧になってください。
シェムリアップの市街地からアンコール・ワットへは車で10分ほどの
所にあります。そして、さらに奥にはアンコール王朝の遺跡の数々が
点在しています。市街地からは主に3つのルートを通って遺跡エリア
に入ることができます。通常はチケットブースのある市街地を北上する
ルートを通ります。チケットブースを過ぎてアンコール・ワットに至る
直線道路の脇にこんな案内を見つけました。バスで通るとあまり気付
きませんが・・・。ちなみに、裏側にはTHANK YOUと書いてあります。
写真の中のこの道はそのままアンコール・ワットの北側の環濠に
突き当たります。環濠に突き当たったら、左折して、右手に環濠を
見ながら、アンコール・ワットの西参道正面に周ります。周囲は
南北1.3KM、東西1.5KM、幅190Mの環濠に囲まれています。
現在もヒンドゥー教の宇宙観でいう無限の大海を表す環濠は満面
の水を湛えています。まず、来た者はその大きさに圧倒されます。
アンコール・ワットはさながら、大海に浮かぶ島の古城のようです。
世俗界と天上界を結ぶ架け橋のように、大海のちょうど真ん中に、
こちら側の岸よりあちら側の岸まで、ただ1本の石作りの参道が
両岸を結んでいます。あちら側の岸である島部分の寺領に渡るには
西参道と東参道の2つしかありません。来訪者は通常西参道を渡り
ます。東参道は裏側というイメージがあります。また、次の機会に
東参道をご紹介しますが、そちらは参道というよりも道になっており、
車も通れます。島部分の寺領の面積はなんと東京ドーム41倍の広さ
を誇ります。島部分の寺領は1番外側を周壁が取囲んでおり、大海を
渡り終えるとすぐ、西側正面は回廊となっている周壁にぶつかります。
入り口は真ん中に西塔門があり、その左右に通称象の門があります。
当時は位によって、通れる門が異なったそうです。門をくぐり抜けると、
いよいよアンコール・ワットの寺院本堂が目の前に広がります。
西塔門を抜けると、左右をナーガの胴体に挟まれた蛇の道のような
参道が一直線に寺院本堂まで延びており、訪問者をさらに奥の聖域
まで導いています。そして、参道の左右には対称に経蔵と聖池が順に
配置されています。中でも左側の聖池に映る逆さ中央祠堂が有名な
フォトスポットです。
参道は寺院本堂に到達すると、階段があります。階段を数段上がり、
西塔門テラスに達します。ここから先は段差や階段の連続です。
ヒンドゥー教の宇宙観では、中央祠堂は神々が住む須弥山を表し、
周囲の回廊はヒマラヤの峰々を表しています。つまり、アンコール・
ワットは地上における神の世界を表しているんです。だから、頂上を
目指すように、山をどんどん登って行くみたいに階段が多いんです。
当時、王はシヴァ神の化身、現人神とされ、王と神の交信場所として、
様々な儀式を取り行ったとされています。ちなみに、中央祠堂は正面
から見ると3本ですが、5本あります。斜めから見ないとわかりません。
正面から見える3本の祠堂はヒンドゥー教の3大神を表しているとも
言われています。シヴァ神・ビシュヌ神・ブラフマー神の3大神です。
寺院本堂は第1回廊・第2回廊・第3回廊で構成されています。
第1回廊は東西南北の壁面が浮き彫りのレリーフで覆われています。
ハッキリ言ってスゴイの一言です。神話や天国と地獄や王の行進が
延々と周壁に彫り込まれています。1回廊1回廊が相当の長さなので、
初めて見るとかなり圧巻です。余談ですが、想像してみて下さい・・・。
暑い夏の夕暮れ時、蝉の声だけ聞こえる、誰も居ない夕日に染まった
古代遺跡の回廊を一人で歩けたら、ちょっと感動しませんか?
あとで、ホテルに戻ってから、冷たいビールでも飲んだら最高です。
見所満載の回廊を一周した後、階段を数段上がると、第2回廊との間
に存在する十字回廊に出ます。ここには当時の色彩が一部残る箇所
や江戸時代に訪れた日本人が残した楽書きなどもあるので、探してみ
てはいかがでしょうか?ちなみに、右側の巨大ヴィシュヌ神像の後ろに
小さい入り口があって、第1回廊と第2回廊の間に存在する中庭みたい
な所に出れます。なんだか隠れた空間みたいで、面白いですよ。
十字回廊からまた階段を数段上がると、第2回廊に出ます。無機質な
第2回廊を横切ると、一旦屋外に出ます。そこには第3回廊に上がる
急な階段が東西南北に12箇所あります。(現在、真正面にある階段
は登れません。)しかし、階段はほんとすごい急なんです。
できれば、この階段は下を見ずに一気に登ってください。一度下を見
てしまうと、余計怖くなってしまうので、これが最良のアドバイスです。
なんとか第3回廊に辿り着けば、緑の樹海に浮かぶアンコール・ワット
からの素晴しい眺めを目にすることができます。また、天上の伽藍の
間をなんとも心地よい風が吹き抜き、大変涼しくて気持ちがいいです。
第3回廊には中央祠堂があり、四方の内部には後世に安置された仏像
が祀られています。当時は、特に第3回廊は聖域中の聖域であり、
一般人は足を踏み入れることさえもできなかったと言います。
王様が眺めたのと同じ場所に立って、遠い過去に思いを馳せながら、
今も殆ど変わらない、ジャングルに覆われたクメールの大地の原風景
を眺め見てはいかがでしょうか?
このほか、アンコール・ワットにはデバダーや伽藍などまだまだ沢山
の見所があります。いずれは支店ブログで紹介していきたいと思って
ますが、一度ではとても書き切れないくらい見所が満載なのです。
何度、訪れてもその魅力は尽きませんし、
そのたびに、新しい発見がここにはあります。
むら