ヤンゴン・スーレー地区を歩いていると、スーレーパゴダ、教会、モスクが見えてきます。
3大宗教(仏教、キリスト、イスラム)が共存するダウンタウンですが、この地区にはインド人居住区とユダヤ人居住区もあります。
つまり"ヒンドゥー教"も"ユダヤ教"存在しているのです。
そして、この度ヤンゴン遺跡トラストに認定されたのがユダヤ教の礼拝堂“シナゴーグ”です。
“仏教の国・ミャンマー”というイメージが強いのですが、ミャンマーには多くの宗教が存在します。
その中で、特に筆者が注目したのが、ユダヤ教です。
ユダヤ教というと、嘆きの壁で有名な聖地・エルサレム イスラエルです。
イスラエルとミャンマー 特に直行便が飛んでいるわけでも、宗教が同じというわけでもありません。
しかしなぜ注目をするのかというと、「イスラエルの失われた10支族」の一部(または1支族)がイラク系ユダヤ人が移住したとされる1800年よりも遥か昔、インド、ミャンマーなどへ到達したという記録があるのです。
「メナシェ族」
イスラエルからミャンマーへ辿り着いた経路は二つあると言われ、
一つは2700年前、イスラエルを追われ、アッシリアを経由し、中国方面に到達するも迫害を受け、インドとミャンマーへ移住したという経路。
もう一つは、海を使ったというルートです。
また別の支族は日本へ到達したとされ、今日の「日ユ同祖論」として摩訶不思議な“都市伝説”が渦巻いているのです。
Musmeah Yeshua Synagogue
このシナゴーグは26番通りにあります。
「月〜土 9:30〜14:30 日:クローズ」と記載があるのですが、実際は9:30〜13:00頃までしか開いていません。
シナゴーグ内は冷たく、周囲の雑音、雑踏は特に聞こえてきません。
館内にはユダヤ系ミャンマー人の男がおり、"シャローム"という挨拶を交わします。
欧米人の姿が多いそうで、日本人の来訪者は少ないそうです。
「あなたはここをどうやって知りましたか?」と聞かれ
その質問に、「日本とユダヤが同じ祖先かもしれないという説がある」と伝え、こんな質問をしてみました。
「あなたを、ヘブライ語で言うと?」
・・・すると
「アンタ」
「話すを、ヘブライ語で言うと?」
・・・「ダベル」
「護衛(守衛)を、ヘブライ語で言うと?」
・・・「ちょっと意味がわからないな 笑・・・」
ヘブライ語では上記の言葉を"シャムラーイ"というそうで、これは日本語に直すと「侍」と発音が似ています。
日本には、ユダヤと似た文化や習慣があり、神輿はイスラエルからの伝来の文化ではないか。さらにイスラエルでは正月にコマをまわす習慣があることも、よりロマンを掻立てる何よりの証拠でもあるのです。
以前、私の知人がイスラエル人を日本へ招聘した際にカタカナ文字を見て
「ヘブライ語と似ている」と言われたそうです。
こうしたことから、日本人は遠い関係であれど、何かイスラエルに縁があると思いました。
シナゴーグを出ると、いつものヤンゴンの風景、雑踏。
シナゴーグの中だけ、一際違った時間と空間でした。