夏日のオランダからこんにちは、スノーウィーです。
今週末にかけて西欧にも熱波が来るそうで、オランダは30度を超える予報!火――熱い―――!
今年は中止になった数々のイベントですが、その中から8月の第1土曜日に行われる運河ゲイパレードを過去の写真からご紹介します。納涼と言えばこれ!夏と言えばこれ!なのに今年はないいいい~!!
おのれコロナめ…人々の楽しみを奪いおって…憎しーーー!
2016年のゲイパレード時の写真。アムステルダム中央駅に着くと、レインボーカラーの人、ピンクの人でにぎわっていました。
トラムはレインボーとアムステルダムの旗(赤黒白)をモチーフにした、この日のための特別仕様。道行く人も、虹色やピンクを身に着けた方が多いです
ゲイパレードで掲げられる虹色は、マイノリティに捧げられる色。
異性愛と同性愛の違いだけでなく、それぞれがお互いの違いを受け入れ合い、自分の色で輝けば世界はこんなにも豊かな彩りを持って美しくなれる、という願いです。
そしてこの日は老いも若きも、ド派手なピンク色を身にまとった方が目立ちます。
虹色とピンクは、同性愛のシンボルとなっていますが、それはなぜか?
第二次世界大戦中、ナチスドイツが迫害し、強制収容所に送ったのはユダヤ人だけではありません。政治犯や思想犯と一緒に、ジプシーや同性愛者も「罪人」として扱われ、社会から抹殺されました。
ユダヤ人がダビデの黄色い星を着けることを強制されたように、同性愛者は逆三角形のワッペンを見える所に付けさせられます。男性はその色がピンクでした。(女性は黒色。)
戦後、性的少数者 LGBT の誇りと権威を示す色としてピンクは用いられるようになります。
オランダは早くから同性愛者を受け入れ、まずパートナー制度によって、後には婚姻で、彼らも家族として成立するように法を整えました。
それは個人の幸福を他人が侵害することはできない、という考えからです。
このゲイパレードには、アムステルダム市は勿論、オランダの国鉄、国防軍、政党、大手企業、警察も賛同し毎年ド派手なボートを出して参加します。
この日はアムステルダムの街に集まった人達がみんな一緒になって、個人の自由と、生命の平等を謳い讃え合う日です。
街に溢れる虹色とピンクは、性差別、人種差別、子供や弱い立場の人への暴力、ハラスメントなどが蔓延する世の中で、これからを生きる私たちの希望の色です。
誰もが幸せに生きるために生まれてくる、美しいこの世界に。
そう記されたアンネの日記の舞台、隠れ家「アンネの家」の前を流れる、プリンセン運河がパレードのコースです。アンネたちが見たらさぞびっくりするでしょうね。
そしてアンネたちが密告により発見、逮捕されたのは1944年8月4日、ちょうどゲイパレードが開催される時期です。(合わせたわけではないですが。)
第二次大戦下の当時から変わらない街並み、交錯する現代と過去、変わらない人々の想いを繋いで、この日がまた例年通り祝われることを待ち望んでいます。
■「アンネの日記」とアムステルダム・バーチャルツアー
開催:8/14(金) 19:30 (日本時間)
参加費:1グループ 10€
https://activities.his-j.com/TourLeaf/AMS0216/
「アンネの日記」を読んだことが無くても、タイトルは聞いたことがある方は多いかと思います。
ナチス・ドイツによるユダヤ人迫害の中、オランダに逃れてきたフランク一家が暮らした街、アムステルダム。
第二次世界大戦の終戦75年のこの夏に、アンネの足跡を辿ります。
人類の幸せの意味を、現代の我々に問いかける「アンネの日記」、ぜひ機会があれば一度お読みください。
このアンネの日記のツアーを準備しているとどうしても気が滅入りますが(言葉を絶する史実なので)、皆様に参加して良かったと思えるものをお伝えできるよう、頑張ります!
by スノーウィー でした