クイーンズランド州の学校の春休みは9月の終わりから10月の初めにかけて2週間、ちょうど1年のうちでも暑くもなく雨も少なくかなり良い時期にあたる。
ケアンズ生まれのわが娘Tiaは11歳。
今まで本物のアウトバックへ行ったことがなかったので、母娘でケアンズからアリススプリングス間のアウトバックを頑丈なバスで突っ切って行くデザートベンチャーというツアーに参加した
ほとんど舗装されていない道を合計で2200Km行く2泊3日の旅
かなりのオーストラリアの土地が砂漠やサバンナの渇いた大地で占められていることが改めて実感できて、住み易い海岸沿いに日々を過ごしていると忘れがちな厳しい自然を多く抱えているわが国の苦労を思い出させてくれる。
オージーは(海岸沿いに住むオージーも)食後の食器を洗剤を溶かした水で洗って、そのまま濯がずに乾かすかフキンでふきとる。
何年住んでも私はそれが嫌なのだが、これも昔からこのランドは‘水がない土地’というオージー的水パラノイアから来ているのではないかと私はふんでいる。
そうかと思えば(我々もいたるところに持っている日本人的矛盾を棚に上げて言わせてもらえば)皿はリンスさえしないのに、役所は一晩中スプリンクラーを回して街路樹に必要以上の水を垂れ流して無駄にしていたりとかのオージー的矛盾もあるのだが・・・
アウトバックは今は乾いていて赤茶色の世界。
木々もケアンズ周辺の熱帯雨林を見慣れた目には干からびて見える。
ひたすら乾いた大地に自分を数日置いてみただけなのにオージー的水パラノイアが私にも伝染してきそうだ。
アウトバックの代表的風景に水をポンプアップするウインミル(風車)がある。
その他には雨水を溜める大きなタンクも利用されている。
我々は飲み水はバスの大きなタンクに積んできているものを水筒に継ぎ足して飲んで過ごす。
ツアーの間アウトバックの雨水タンクの水は飲む以外に使わせていただいた、アリガトウ
9月30日
ケアンズ出発は朝7時、国道を南下してイニスフェイルからアサートン高原へ。
これより交通と携帯にさようならだ。
レイベンスホウ(村)を通過してミルストリームスフォールス(滝)で休憩
さらに2時間走ってオアシスロードハウス(オーストラリアで1番小さいバー)でランチ
バスに積んできたパン、ハム、野菜を切ってセルフサービスのサンドイッチ
Tiaはこういうの大好き
自分で作ってもりもり食べていた。
この辺から‘旅は道連れ’の面々をお互いに観察しだす。
スペイン人4人、アメリカ人2人、アイルランド人2人、年配のアメリカ在住インド人1人、カナダ人2人、オランダ人1人、スイス人1人、イギリス人1人、韓国人1人、ドイツ人3人、日本人は私を入れて2人、Tiaとドライバーがオージーで2人。
合計22人。
最初に年配のUS在住インド人は「カプチーノがほしい」と言ってドライバーの目を点にさせたが、彼もこのワイルドな旅に慣れていった・・・と思う。
カップルのアメリカ人はいつも何かしら不満があるようだが、こういうツアーに一体何を期待して参加したのだろう
このツアーでの宿はアウトバックでは上等な部類と思うが、シェアルーム(共同部屋)がお気に召さなかったようだ。
我が娘はお姉さん達といっしょに遊べて嬉しそうだったが
やけにフレンドリーな年配のドイツ人はいい人。
でもいかんせん彼の英語が恐ろしく強いドイツ訛りでわからんかったのだ!
若いスイスボーイはいつもニコニコしてトムクルーズ的かっこいい子。
韓国人ガールにひと目惚れしてけなげにもアタックしておったが・・・
カナダ人は1人は英語圏の女性、もう1人はフランス語圏の女性で2人ともフレンドリー。
この2人はよく手伝って協力的
オランダ人のアイリーンはTiaのお気に入りで英語は流暢なイギリス英語を話す。
アイルランド人カップルはフレンドリーで話し好き。
アイルランド英語なんで理解するのに半呼吸遅れ感があるが。
30をターティーと言っておった
韓国人ガールはいい子だが、なぜかランチとかの用意、後片付けを手伝わない
日本人の女の子はフレンドリーで誰ともうまくやっていた。
イギリス人(ポム→オージーと同じイギリス人の愛称)はおとなしそうに見えて話し出すとよく話すヤツ。
なにげに宿内をブリーフいっちょで歩き回る。
ドライバーの説明を聞き逃した時は彼に聞けば、さすがすべて理解していて教えてくれる。
バスで彼の後ろだった私は便利であった。
スペイン人の2組のカップルもフレンドリー。
特に妹が美人
さてここで舗装道路はおしまい、この日の旅はあと275kmのダートを行く。
次のストップはポーキパインゴージ。
オーストラリアのミニグランドキャニオンと言われる。
オージーは人に知られないようにここは秘密にしたいそうだ。
約往復1時間ぐらいのハイキングで見て来られる。
夕方6時半にこの日の宿、HUGHENDENという町にあるWESTERN HOTELに到着。
パブが宿を兼ねているオーストラリア式の田舎の宿屋だ。
さっそく酒でなんだが、ビールが乾ききった喉に心地良い
バイキング式のおいしい夕食後、Tiaは旅の仲間とトランプ
ばば抜きを教えてあげて楽しんでいた。
英語が母国語の人間はイギリス人、アメリカ人、1人のカナダ人、アイルランド人とTiaだけ。
次に英語はスペイン人の女の子2人、オランダ人と私。
あとの仲間はそれはそれはお国訛りの不思議な英語を使用していた。
スペイン人の男の子が日本人と話す時は…
スペイン人男→ガールフレンド→ガールフレンドが英語で私→私が日本語で日本人の女の子という順序で行ったり来たり・・・英語と日本語のTiaも会話に入る。
Tiaには不思議な訛り英語は解りづらいらしい
10時に部屋へ引き上げて寝る
~2日目へ続く~