2月も終わり、最後の冬日が続くオランダからこんにちわ。
とにかく冬は暗くて寒い寒い寒い~!!そんな欧州暮らしだからこそ春の到来は待ち遠しいものです…。
春を感じる最初のイベントはカーニバル。この辺りではカトリック圏のオランダ南部、ベルギーが賑やかです。今回はベルギー南部の村バンシュのカーニバルに行ってみました。ここは伝統的なお祭りとして代々守られて、今では世界遺産にも指定された大イベントなのです!
伝統的な衣装での歴史的行事と聞けば一度は見たい~!!
し か し
今年2016年のカーニバルは2月最初の週末と早めの開催でした。そしてちょうどその時期、イギリスからヨーロッパ西部にかけて暴風(最大風速150km/hです!!)が吹き付け、とんだ悪天に。
ななななんと、カーニバルも各地でパレードやイベントが中止 or 延期に!!バンシュ大丈夫なのか~~~?
バンシュのカーニバルは謝肉祭の日曜日に始まり、子供たちのパレードがある月曜日、そして最終日の火曜日が一番有名なパレード「ジルの踊り」がある日になります。この日のために休み取ったんだー列車の券も買ってホテルも取ってたんだー!これで見れなかったらどうしよう??とちょっとドキドキしながらブリュッセルへ。駅のインフォメーションで時間と乗り場を確かめるとき駅員さんに訊いてみました。「バンシュのカーニバル、やってますかねえ??」
駅員さん「バンシュで中止はありえない。ネバーギブアップ。」
おおお、おおう…!とにかく行ってみる!途中で強風のため列車が30分近く止まるアクシデントがありましたが、無事に着きました。
エノー州のモンスに近いバンシュの村。ブリュッセルから直通列車で1時間ほどです。
駅舎が可愛い!すごくレトロ!
到着しても地図も何も持ってなかった私。着けば分かるべと思っていましたが、着いてから分かんなかったらどうしよう…と今更な不安に。
駅舎を出ると閑散としています。町の中心に向かえばいいのだけど右も左もわからない…。するとどんちゃかどんちゃか何やらにぎやかなお囃子のようなものが聞こえてきます。ドラムとベルの音??音がする方から素敵な一団が。
これです!!早速写真に取れたぜ、こいつは幸先がいいや!いやっほう!!!
道端には何故かオレンジがごろごろ転がっています。結構小ぶりで硬い。(テニスボールくらい)カーニバルは朝の8:00頃から始まり、メインのパレードは15:00からだったのでその名残でしょう。到着したのが16:00頃になっていましたが、焦らず中心へ向かいます。
さらに賑やかな方を目指して奥へ進むとまた別の一団が現れました。かごに入ったオレンジを配っています。
パレードをしてる目抜き通りに出ました!可愛い子供たちもオレンジを持っています。カラフルな揃いの衣装がカーニバルらしくて素敵!「アルルカン(道化師)」
こちらはファンタジーな雰囲気の一団。「ピエロ」
農夫のような衣装の少年たちは「ピーザント(農民)」だそうです。
この子たちもオレンジを手にしています。
このパレードの肝は、投げつけるオレンジを沿道の観衆が必至こいて拾ったり掴むのですが、かなりの豪速球が飛び交い、特に沿道から離れていればいるほど飛んでくるオレンジに当たる確率が上がりちょっと危険を感じます。いくつか食らいましたが、デッドボール並みのダメージがあります。目の前の歩いてたおじさんが側頭部に食らってムッとしていました。
恐れをなして沿道を囲む人垣にくっ付きましたが、前にいた方がオレンジを手渡してもらえたり、写真もよく取れるので安心です。
子供たちの後はいよいよ主役の「ジル」たちのお出ましです。
古くはスペインのインカ帝国及び南米征服を祝って行われた舞踏会がこのカーニバルのルーツです。
主役の「ジル」がまとう衣装には星、ライオン、王冠など150ものデザインのアップリケで飾られています。頭のダチョウの羽根飾りも、茶赤黄を基調としたビビットな色合いも、南米をイメージしたものなのでしょう。この役はこのバンシュで生まれ育った男の人しかなれません。
「ジル」の役割はバンシュの役は世代を通じて引き継がれていきます。
羽根飾りは白がメインですが、カラフルに飾ったものも。衣装も羽根飾りも「ジル」の妻たちが手入れをし村で保管しています。
パレードが一山越えると残されるのは路上のオレンジオレンジオレンジオレンジオレンジオレンジの数々…ちょっときちゃない。
パレードは村の中心マルクト広場に集まります。皆で輪になって踊ります。ジルの服に付いたベルが非常に賑やか。
まだオレンジも投げてくれます。誰もが拾ったり貰ったりしたオレンジで袋やポケットをいっぱいにしていました。17:30頃でした。祭りはこのまま夜中まで続くのですが、あとはぐるぐる踊り続けて花火をする流れ。実は外で立ちっぱなしで2時間近く見ていたのですっかり体が冷え切り、このまま夜も見続けるのはしんどいので、夜の分は諦めてブリュッセルに戻ることに。
マルクト広場に面する観光案内所が資料館のようになっていました。
帰ろうかという頃にやっと見つけた町の地図。左端下が駅の方で、マルクト広場までは単純な道だったのがようやくわかります。
駅は大混雑!ブリュッセルに戻る列車(1時間に1本)を待ってごった返し、規制でしばらく駅に入れないほどでした。
バンシュの駅に来た非常に長~~~~い電車のおかげで待っていた人もみんな乗れたようです。(それでも車内は座れない人もいました。)
車内ではこの辺りの公用語であるフランス語だけでなく、イタリア語、スペイン語、ドイツ語、英語が聞こえてきていかにこの祭り目当てに世界中から沢山の人が集まっていたかが分かります。
バンシュのカーニバル 次回 2017年2月下旬?
伝統行事なので一日見ると早朝から深夜までかかり大変ですが、火曜日午後のメインイベントのパレードを見るだけでも十分満足できます。ブリュッセルからの日帰りが便利です。
ちなみに今年は延期になったおかげで下記都市でのカーニバルはこれからでも楽しめます♪
3月5-7日 スタブロ(ブランムーシ)のカーニバル(ベルギー) ブラン・ムーシとは「白装束」の意味で、白い衣装と長く赤い鼻の仮面が特徴
3月6日(日)
デン・ボッシュ(オランダ) ヒエロニスム・ボッシュ没後500年で盛り上がる古都のカーニバル
ブレダ(オランダ) 巨大な山車のパレード
フォス・ラ・ヴィル(Fosses-La-Ville、ベルギー) 300年以上続いているカーニバルで日曜日の午後が盛り上がる。