皆様、こんにちは。スノーウィーsnowです。

エイチアイエスが企画するバーチャルツアーがTVでも紹介され、目にされた方や実際に参加された方もこのブログをお読みでいらっしゃるのではないでしょうか。ありがとうございます!

私自身、他の国と地域のツアーに実際参加してみて、改めて世界の広さと面白さに驚かされます。
アムステルダム支店でもオランダ、ベルギー、北欧をテーマに数々の企画をしております。オランダもまだまだ頑張ります!

只今、8月に開催予定の「アンネの日記」をテーマにしたアムステルダムのバーチャルツアーを準備しております。

「アンネの日記」は第二次世界大戦中にナチスドイツの支配下に置かれたオランダで、ユダヤ人迫害と虐殺から命を守ろうと家族で隠れた、アンネ・フランクが残した13歳から15歳の間の日記です。
読んだことは無くても、タイトルを聞いたことがある方は多いかと思います。
その隠れ家が「アンネの家」博物館として公開されています。

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今回のツアーは、1930年代末にドイツから移住してきたフランク一家が過ごしたアムステルダムの街にも焦点を当てています。そう、アムステルダムはアンネが4歳から隠れ家に入る13歳までの少女時代を過ごした街でもあるのです。
日記で有名になりましたが、彼女自身は中流家庭のごく普通の少女として育ちました。

コロナウィルスの感染が広がる中で、オランダでも春から自宅待機が何日も続き、私はその間にアンネの耐えた暮らしを思う機会が度々ありました。
ユダヤ人の彼らは会社の裏の建物に隠れていたため、会社の従業員(何も知らない)がいる朝9時から17時の間は、トイレの使用はおろかくしゃみ一つできないくらい息を潜めていました。
空からの爆撃が近所あっても、例え隠れ家に爆弾が落ちてきても、彼らはどこにも逃げられませんでした。

私は具体的な規制があったのが3月から5月の約8週間ですが、彼女たちは2年もの間、文字通り息を押し殺す生活に耐えてきたのです。更に隠れ家に入る前年の1941年からは、ユダヤ人はあらゆる権利が剥奪されていたのです。今回いくら多少不便を体験したからと言って、当時の状況は想像を絶します。

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私は1994年に「アンネの日記 完全版 (文藝春秋刊)」が出版された時に初めて読みました。
翌年、第二次世界大戦終結50周年の年にアンネの家を訪れる機会を得ました。

当時は中学生、アンネと同年代でしたが、日記の内容にはピンときませんでした。
13歳になったばかりのおしゃまなティーンエイジャーの「私はクラスで一番かわいくて~」と始まり、隠れ家に同居の家族や他のユダヤ人に対する態度、後半にかけてやたら高尚になっていく内容に全く共感できなかったのです。
けっ、自己中心で鼻持ちならねえ女だ、としばらく思っておりました。アンネ・フランクさんごめんなさい。(あとでアンネ自身が多少直してるとはいえ、結構これ、本人の恥ずかしい黒歴史なのでは?)

ただ、当時アウシュビッツ強制収容所を訪れて、真夏の太陽の下そこは穏やかでとても静かで、逆にゾッとしたのは今でも強烈に覚えています。
戦時中も同じように美しい夏があったでしょう。同じ太陽の下で、同じ壁と土の間で、ユダヤ人はゴミか虫のように処理されました。殺すという言葉さえ用いられずに、モノのように淡々と。
とんでもなく残虐なことが行われた現場が、日常と並行して人々が無差別に殺されていた現実が、その時肌で感じられたのです。真冬に来たらもっと雰囲気がリアルだったと思います。

それから何年も経ち、アンネの日記を読み返して、やっとこの日記の凄さが分かりました。
極限状態の中で、普通の女の子が大人の女性へと驚くべきスピードで目覚ましく成長し、その軌跡が日記に残されているのだと理解しました。

平和な時代ならアンネももっとチャラチャラと楽しく青春を過ごせていたであろうに、この子はユダヤ人と言うだけで殺される恐怖に晒され、友達からも社会からも切り離され、孤独の中で急激に思慮を深め、大人にならざるを得なかった状況。

そしてドイツのホロコーストで命を奪われたユダヤ人の一人でしかないのだと、他の570万人ともいわれる全ての命にも人生が、人格が、あるべくして奪われた幸せがあったのだという事実。

正直、この企画のために史実や資料を調べれば調べるほど、鬱になります…。

ドイツに住んでいた時から家族を生かすために奔走し続け、逮捕後もアウシュビッツからただ一人生還して、娘たちの帰りを信じて待ち続けたオットー・フランク氏の願いが、最悪の結果に終わってしまうこと、やるせなくて仕方ありません。

アンネの家族だけでも知れば知るほど気が滅入るのに、その後ろにはオランダだけでも10万4000人以上のユダヤ人がいました。
戦後オランダに戻って来たユダヤ人は5000人、他国に逃げた方もいましたがそれは一握りで、多くの方が命を奪われました。

「民族浄化」というおぞましい思考の元で。

アンネたちを助けたのはオランダ人、そして密告し逮捕させたのもオランダ人。
倫理観すら破壊される戦争の中、加害者も被害者も境界が曖昧で、どんどん人の心の持つ闇に踏み込んでいくような心地になります。

それと同時に、このオランダという国がどういう場所なのか、今という時代が何なのか、どこまでも残酷にも優しくもなれる人間がどういうものなのかを再確認してる気がします。それは、この先の時代をどう生きるべきか、という指標にもなります。


ご参加頂く皆様にはアンネのメッセージを通して、在りし日と今のアムステルダムをご案内できればと思います。それはバーチャルだからこそ過去と現代、現実と仮想の境界を超えて繋げられると、どんなに気が重くても今こそやる価値があることだと信じて。

人類の幸せの意味を、現代の我々に問いかける「アンネの日記」も、この機会にぜひ一度お読みください。

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■「アンネの日記」とアムステルダム・バーチャルツアー
開催:8/14(金) 19:30 (日本時間)
参加費:1グループ 10€
https://activities.his-j.com/TourLeaf/AMS0216/

~~ 8月開催予定のオランダのバーチャルツアーも! ~~

■日本語バーチャルガイド♪アムステルダムをオンライン体験 (残り僅か!)
開催:8/6(木) 19:30 (日本時間)
参加費:無料
https://activities.his-j.com/TourLeaf/AMS0215/

アムステルダムの見どころをハイライトでご案内!
約30分のツアーと質疑応答になります。

■ 画家ゴッホと行くオランダ美術巡り アムステルダム国立美術館 バーチャルツアー
開催:①8/10(月) 19:00 ②8/20(木) 21:15 (日本時間)
参加費:1グループ 10€
https://activities.his-j.com/TourLeaf/AMS0213/

大好評につき、再催行決定!
有料版の今回は、時間と内容拡大の90分!!
このゴッホ、もう止まらない…

■フェルメールと歩くデルフトツアー【日本語ガイド】火・木曜日催行
火・木曜日 19:00 または21:00

参加費:1グループ 20€
https://activities.his-j.com/TourLeaf/HAG0006/

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