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◎<2日目・5月30日④>
地獄谷を後にして、さらに北上し、次に向かったのは、
マッピ山頂近くにある『スーサイド・クリフ』。
その名の通り、追い詰められた日本人が、その崖から
飛び降り自殺をはかった場所。
為の慰霊碑も建てられていたり、観音像と十字架が一緒に
作られていたりと、民族をこえて、戦没者の魂に祈りをささげて
いるようでした。
ここからまっすぐの方角には、日本があるそうで、みんなが、
北上し、あとから紹介する『バンザイクリフ』同様、そこから身を
投げたのは、少しでも日本に近いところでという思いもあったから
ではないかということでした。
ここで、ちょっとした、うれしい(?)ハプニング
展望台の手すりがあるところまでKさんが歩いていくと、
先にそこにいた、(おそらく)アメリカ人のご婦人が、Kさんに
気づき、「ようこそ!」と言って、ほっぺたにキスを。
ちょっと疲れ気味だったKさんも、たちまち元気になりました
スーサイドクリフを下り、いよいよこの日Kさんが最大に
頑張ったといっても過言ではない、『カラベラ・ケイブ』という
洞窟へ向かいました。
ここへは、舗装された道路から、ほぼ未舗装の道へ入っていき、
ガタガタした道を奥へ奥へと入っていくのですが、私もKさんも、
下手すると、椅子から転げ落ちそうになるのを、必至にこらえて
おりました。
この写真の道から、さらに脇へ入った、木々が生い茂った
場所で車をとめ、洞窟までは、10メートルくらいですが、
草と岩でデコボコの悪路を歩かなければなりません。
最初は渋っていたKさんも、覚悟を決めたようで、ロッドさんと
私が支えながら、洞窟へと進んでいきました。
そして、とうとう洞窟へ到着したKさん!
そんなKさんに催促されて、撮った写真がこれです
この日一番の満足顔に出会えました
ちなみに、右手に持っているのは、ドライバーのロッドさんが、
格納庫を見学しているときに作ってくれた、お手製の杖です。
「カラベラ」とは、チャモロ語で「骸骨」という意味だそうで、
スペイン時代に投獄された人たちの骸骨が山積みだったから、
という説もあるそうです。
この洞窟は、サイパン島がスペインに統治されていた時代、
刑務所として使われ、第2次世界大戦中は、日本軍の
野戦病院として使われていたそうで、軍服や道具なども
みつかったそうです。
Kさんの写真の奥には、大きくて深い穴が開いており、
その下に隠れるようにいたのではないかといわれています。
その穴がどこまで繋がっているかは、未だにわかって
いないそうです。
ここには、古代チャモロ人が書いたといわれている、
壁画もところどころにあり、島のいろんな歴史を感じられる
場所でした。
この洞窟をあとにし、残すところは、サイパン島最北端の岬、
『バンザイクリフ』。
先ほどのスーサイドクリフ同様、北へ逃げて、
行き場をなくした日本軍兵士や一般市民たちが、
「天皇陛下、バンザイ」と叫びながら、身を投げたため、
そう呼ばれているそうです。
その霊を慰めるため、たくさんの慰霊碑や供養塔が
建てられておりましたが、そこからの眺めは、美しい
水平線に囲まれていて、きっと、遠くにある日本を
思いながら、身を投げたのではないかと思いました。
このすぐ側には、『ラストコマンド』という、海軍の
見張り基地があり、そこには、午前中にまわった、
「アスリート飛行場跡」においてあった戦車とは違い、
集めてきた戦車や機関銃がおいてありました。
また、2005年に、戦後60年目にして、日本の皇室と
しては初めて、天皇、皇后両陛下がバンザイクリフを
慰霊訪問し、「ラストコマンド」の並びに、サイパン島内
唯一の、日本政府による慰霊碑が建てられました。
ちなみに、サイパン島には、数々の慰霊碑や供養塔が
建てられていますが、そのほとんどは、民間で
有志の方々が建てたものだそうです。
ちなみに、このあたりも、車から降りて散策を
進めましたが、先ほどの“ジャングルウォーク”で
疲れてしまったのか、全て車窓からの見学となりました。
それにより、ツアーの時間が余ったということで、最後に
サイパン島全部を一望できる、『タポチョ山』へむかうこと
になりました
駐車場から山頂の展望台まで、階段で上らなければ
ならなかったのですが、ツアーも最後ということで、
Kさんも頑張って上りました
東側の太平洋、この日まわった場所が、本当に
一望できました。
少し先には、テニアン島もくっきりと見え、その近さに
驚きました。
こうしてサイパン中を巡って、戦争の爪あとにふれて回った
1日を終え、お友達を思って流した涙や、洞窟までの道を
一生懸命歩いたり、階段を上って頂上からの景色を楽しんだ
Kさんの顔は、本当に満足そうでした。
ただ、さすがにお疲れになられたのか、その日の夜は、
早めのご就寝をされました
3日目は、Kさんのもう一つの楽しみ、買い物&海水浴を
楽しんだ様子をお伝えさせていただきますので、
こうご期待
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