現在の年3回の3連休制度が実施されて7年目を
迎え、その弊害についてかねてから論争が続い
ていたが、ついに中国国務院常務会議が12月7
日に新制度の発表をした。新しい祭日制度では、
労働節の3日間の連休が廃止されることが決定し
た。そのほか、中国の伝統的な「節日の日」が
祭日とされるなど、登場した。
●中国伝統的な「節日」が休日に3連休が増加
今回の新しい祭日の組み方について、すでに
11月9日に国家開発改革委員会から公式HPを通じ
てアンケート調査が行われていた。その結果に
基づき、12月8日に国務院常務会議で原則的に
新しい祭日制度が認められたことになった。
これと同時に、有給休暇についても明確な法案
が制定された。以上の新制度は、さらに検討が
重ねられた上で、国務院から正式に公布施行
されることになる。
現行方式
元旦(1月1日)
春節(旧暦の1月1日~1月3日)
労働節(5月1日~5月3日)
国慶節(10月1日~10月3日)
新方式
元旦(1月1日)
春節(旧暦の大晦日から1月2日)
労働節(5月1日)
国慶節(10月1日~10月3日)
清明節(旧暦の3月3日ごろ)
端午節(旧暦の5月5日ごろ)
中秋節(旧暦の8月15日ごろ)
さらに、新しい制度の特徴として土日を組み
合わせた3連休を認めているという点だ。その
結果、従来の7日間連休が3回の制度から、7日間
の連休が春節と国慶節の2回、3日間の連休が元旦
・労働節・清明節・端午節・中秋節実施される
ことになる。トータルでは、年間11日間の祭日
となり、従来よりも1日増加することになる。
清明節とは、周代から続く中国での大切な24
節句の一つで、自然界では春に向けて生物が動
き出し、農村では農作業を始める頃と言われて
いる。現在、習慣的にこの時期に墓参りに行く
人が多く、兼ねてから墓参り休日を求める声が
多かった。
端午節は、日本でお馴染みの祝日だが、屈原
の故事は非常に有名で、粽を食べたり、菖蒲の
葉を玄関に飾ったり、生薬で作った香り袋をか
けたりする。地方によっては、竜舟と呼ばれる
ボートレースが行われる。
中秋節では、中秋の名月を鑑賞するお祀りで、
月餅を食べることはすっかりお馴染みになった。
そのほか、上海の豫園など観光地では、あんどん
を使った装飾が行われる。こうした中国の伝統的
な祭日が休みになることで、中国の伝統文化に対
する認識が高まることが期待されている。
●『職工帯薪年休假規定』で有給休暇が明確
11月5日に発表された有給休暇制度について、
中国でも新しく導入されることになった。
今回の新しい祭日制度とセットで国務院常務会議
にて可決されている。5月の労働節1週間連休が無
くなった代わりともいわれている。
在職満1年~10年未満 年間5日間
在職満10年~20年未満 年間10日間
在職満20年以上 年間15日間