サバイディ
最近のビエンチャンは雨が降る日も多くなり、
だんだんと雨季に向かっているんだなぁと感じています
さて、少し前になってしまいますが、
ラオス語の演劇鑑賞に行ってみましたので、ご紹介します
会場は市内中心部の国立文化会館
このような催し物を行うホールでは一番大きな会場、
というより、他にこんな立派なホールはないでしょう…
ラオスで本格的な演劇の公演は初の試みだそうで、
数日前から宣伝車が走って告知をしていました
映画などの手軽な娯楽もまだまだ少ないので、
本当に一大イベントという感じがします
一日に午前と夜の二回公演、
土日の二日間にわたって上演されました
チケットは当日の開演前、会場入口で購入
全席指定で、30,000~50,000KIP
(10,000KIP=約76円、2013年5月現在)
安い値段の席でも充分よく見えました
家族連れもよく見かけました
外国人はチラホラいましたが、ほとんどがラオス人の観客、
開演する頃には、ほぼ満席になっていました
こちらが舞台、意外と(?)きれいでしっかりしてます
本編が始まる前に、伝統舞踊&現代ダンスの前座がありました
言語はラオス語のみなので、外国人には英語でストーリー紹介を
してある小さな冊子を配ってくれました
残念ながら公演中の写真は撮影できていないので、
ストーリーを簡単にご紹介
簡単に言うと、「クンルー」という男性と「ウア」という女性の
悲劇のラブストーリーです
言葉がわからなくても、見ていれば何となくわかります
オリジナルは有名な作家が書いた民話があり、
それをもとに舞台演劇用にアレンジしたそうです
幼い頃から仲が良く、お互い惹かれあっていた二人、
しかしある土地の領主がウアに結婚を申し込みます。
ウアの知らないうちに、彼の家来が高価な品々をもって
彼女の村を訪れ、結婚の返事をもらいに来るのですが、
貴重品に目が眩んだ母親は、ウアの意思も聞かずに、
領主との結婚を承諾してしまいます
それを知ったウアは悲しみに明け暮れ、親友に相談、
母親の目を盗んではクンルーと逢瀬を重ねるのですが、
彼女の妹はウアを裏切り、母親に二人の密会を告げ口
母親はクンルーとウアに向かって大激怒
ウアに思いを寄せる男の存在を知り、焦った領主は
さっさと結婚式をあげてしまおうと躍起になります。
結婚式の当日を迎えるも、ウアの姿はありません。
全員総出で捜索するも、見つかったのは息絶えた彼女…
悲しみのあまり、前の晩に彼女は自ら命を絶ってしまったのです。
母親と妹は号泣、クンルーは言葉も出ません。
後悔してもウアはもう戻ってきません。
愛した彼女が二度と帰って来ることはない、
そう知ったクンルーは彼女の後を追い、
自宅で自らの命を絶ちます…
悲劇の結末を迎え、物語は終了
おおよそ1時間少しで上演終了、
最後は出演者全員が登壇してご挨拶
今回の上演は「KHAONIEW」(ラオス語でもち米の意味)という、
劇団によるものだったのですが、
影絵をとり入れたりと、演出も現代風な印象を受けました。
悲劇にも関わらず、笑いどころがたくさんあったよう…
台詞はかなりユーモアを加えてアレンジされているみたいです。
自分のラオス語もまだまだと痛感しました
しかし明らかに悲しい場面でも笑い声があがっていたのが謎です
シリアスな物語を真剣に見るという習慣がないのか
いずれにせよ、このように芸術にふれる機会が増え、
ラオスでもその分野のプロが活躍していくようになることを願います