2020.10.29

オランダからこんにちは、スノーウィーsnow です。

灰色の空、吹きすさぶ北風、今秋から冬時間に入り暗くなるのが一層早くなりました。
そして、先日の政府発表により、部分的ロックダウンが少なくとも12月まで延長されることに。

ちょうど2週間前に記事を書いたとき以上に感染は広がっております。

その際に予定の泊りがけはあきらめたユトレヒトでしたが、結局日帰りで行ってきました。
目指すはユトレヒト鉄道博物館。

ユトレヒト中央駅から歩いて30分ほどの、旧ユトレヒト・マリーバーン (Maliebaan station)駅が博物館になっています。

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秋晴れの週末で、秋休みの最中、多くの親子連れが集まっていました。
そんな中で私の今回のお目当てはここに展示してある、ユダヤ人移送に実際に使われた貨物車。

説明しますと、8月からオランダにおける第二次世界大戦中のユダヤ人迫害の歴史を紹介するバーチャルツアーを開催しております。
ナチス・ドイツの支配下に置かれたオランダや諸国から東欧にユダヤ人を移送する際に、客車のみならず貨物列車にまで人を詰め込んでいた、というのは割と知ってる人も多いと思うのですが、その現物が見られる機会はなかなかなく、ここの展示もひょんなことから知りました。

実は博物館の公式サイトにも写真がなく、行って見てみないとわからん…と思いユトレヒトへ。
電車がいっぱいあってとても楽しい、そして外にも中にも広い敷地。

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博物館の入り口は駅舎を利用しており、中も当時の雰囲気たっぷりでおしゃれ。

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レトロな列車は実際に乗れます。

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少し前まで乗っていた「犬の頭」型電車も。懐かしい!

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蒸気機関車も、オリエンタル急行の展示も!

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貨物列車を見るとこれかな?と思いますが、違う。

一つ一つ確認しながら小1時間うろうろして見つからず、本当この中にあんのか?と終盤に差し掛かったころ、ついに見つけました。

「積載列車 Beladen treinen」

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…なんていうか、禍々しさが漂うというか肌で感じる存在感というか周りの空気が違う。
上の写真を見比べるとわかると思いますが、他の列車&電車はよく手入れされていて、古い物もピカピカです。
それに比べてこの圧倒的な荒みっぷり。

YABEEYABEEYABEEEEEEEEEE

21世紀に入ってから、ルーマニアで放置されているものが実はオランダ国鉄の車両だったと、鉄道マニアの調査で判明したそうです。
車両に残った型番から戦時中のユダヤ人移送に実際に使われたものだということもわかり、重要なコレクションとしてこの博物館で保管されることになりました。
マニア凄い…!

木製のため長年の風にさらされて朽ちていた部分などを修復し、今日まで展示されています。

それにしてもこの風貌は、今まで見たどんな展示物よりも時の流れとこの物に染み付く重い歴史とを想起させられました。

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オランダの北東部にあるウェステルボルグ通過収容所跡の記念館に残るアウシュビッツ収容所行き移送列車のプレート。
アンネ・フランクもここから貨物列車でアウシュビッツ収容所に送られています。

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より具体的に当時の遺物を見ることで、ユダヤ人迫害と虐殺のリアルを感じました。

■「アンネの日記」とアムステルダム・バーチャルツアー

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開催:11/3(火・祝) 19:00 (日本時間)
参加費:1人 15€
https://activities.his-j.com/TourLeaf/AMS0216/

「アンネの日記」を読んだことが無くても、タイトルは聞いたことがある方は多いかと思います。
ナチス・ドイツによるユダヤ人迫害の中、オランダに逃れてきたフランク一家が暮らした街、アムステルダム。
第二次世界大戦の終戦75年のこの夏に、アンネの足跡を辿ります。
人類の幸せの意味を、現代の我々に問いかける「アンネの日記」、ぜひ機会があれば一度お読みください。

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