大家好!
今日は、本の紹介をします。
「南京レクイエム〜私の失われた時を求めて〜」というエッセイです。
ざっくり言うと、”ファミリーヒストリーを探るお話”と、”縁のある北京のお話”、”両祖父が残されたものが何か”が書かれています。
『縁、ルーツ、運命』
改めて、生きていることは、何かしらの”線”でつながっているんだなぁっと思わされます。
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父方、母方の祖父が両方とも南京におられた事があり、そして著者の方も中国へ留学、駐在もされ、中国にとてもゆかりのある方なのですが、なぜ中国に引き寄せられたのか?とても野生の感が鋭い方なので何かあるぞ!っと思ったらそれを深く掘り下げないと居てもたっても居らない。自分のファミリーヒストリーを探りたいと思われたら、すぐ見つけに行くことの行動に移されそして本まで出されてその行動力にはとてもびっくりです。
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少し弊社のことも書いていただいているので、その裏話を書きます。
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この著者の田中さんの依頼で、南京旅行の依頼があったのは、2019年1月。
ある一枚の写真のついた中国語の場所説明が送られてきて、この場所に行きたいとの事。
<”百度”で検索されたこのスクリーンショットが送られて来た>
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全然観光地ではない場所で、見るものがない場所へ行きたいと言われ、何を求められているのか?どのように要望にお答えすれば良いのか??頭の中は疑問だらけでした。
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その後、電話が掛かってきて、「母方の祖父が戦争で南京にいたことがあるから、足取りを探したい」、「正月に帰った時に母から祖父の話は今まで無かったのに、ポツリポツリと話始めた」との事でした。
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そこからは、中国のネットで調べたり、知り合いの南京在住のJさんにお願いをしたり、、、
Jさんが本当に色々と真摯に調べていただき、Jさんのお知り合いの協力のおかげでこの依頼を成し遂げることができました。
これも本当に運命で、北京で出会ったJさんがちょうど2018年の秋に南京へ引っ越された事。そして北京でJさんに出会っていなければこの依頼ができたかはわかりません。
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「南京レクイエム〜私の失われた時を求めて〜」の本の表紙の写真の場所に田中さんが立たれたとき、お爺様が日本へ帰られるために乗り込んだ駅とのタイムスリップされた感覚でとても興奮されたと思うのですが、私も理由は違えど現在は貨物用の駅で人が乗車する駅ではない場所にご案内できたことに興奮しました。
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その後、違う方から朝鮮国境近くの中国にいた祖父の足取りを探したいとの依頼が来たり、雲南省からベトナムへ渡りたいなどの足取りをめぐる旅の依頼が来るようになりました。一度やると繋がって関連した依頼が来るものです。テレビ番組「ファミリーヒストリー」の影響なのかも知れませんが。。。
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観光地をご案内するのはもちろんなのですが、中国にある旅行社の意味、中国の旅行社で働く日本人が役に立つことは何か?を考えることができる有意義なお仕事を田中さんによっていただくことが出来ました。
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実を言うと、私は戦争映画が嫌いで戦争についても全然知ろうとしなかった私ですが、北京に来て中国人だけでなく、ロシア人、フランス人の若者たち(北京の通っていた学校にはロシア人とフランス人の学生がいっぱい)に戦争についてどう思う?、何故神風特攻隊みたいなことができる?、日本人は切腹もあって死を怖くなんだよね。など訊かれてとても困ったと同時に若い世代の人が何故そんなことを知っているの?と言うのも驚きでした。そして日本のことを知らないことは恥ずかしいと思うようになりました。
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私も中国へ引き寄せられたのは何か意味があるのかも知れません。私の父も満洲へ戦争に行ってシベリアから帰ってきています。
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今日は、9月3日。
中国の戦勝記念日です。
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南京レクイエム 私の失われた時を求めて
著者 田中保成
700円(税抜)
2020年8月15日発行
※アマゾンで9月末から販売。