ネパールには、<クマリ>と呼ばれる生き神様が存在しています。サンスクリット語の<少女、娘、処女>を意味する言葉がクマリの語源とされています。
クマリは、ネワール民族のシャキャ姓の中で、満月の日に生まれた女児の中から、厳しい審査の後選ばれます。
ネワール民族は主にネワール仏教と言われるヒンドゥ教的ブッディズムを信仰しています。この仏教系の民族から選ばれた少女を、ヒンドゥー教徒もドゥルガー神やタレジュー神、カーリー神等ヒンドゥー教の女神の生まれ変わりとして崇拝、信仰しています。
この独特な信仰スタイルが、ネパールで大きな宗教的争いが起きていない事に関係があるのではと考えます。
クマリは、ネパール各地の町や村に存在します。中でも有名なクマリは、カトマンズ・ダルバール広場にあるクマリの館に住むクマリです。このカトマンズのクマリはローヤルクマリ、地方に住むクマリをローカルクマリと呼びます。ネパールが、まだ、王国であった時は、国王もローヤルクマリに額ずきティカ(額に付ける赤い印)を受けていました。
クマリは、独特な化粧と赤を基調とした装いをしています。なんと、驚いた事に、今日のオフィス前のイェティは、このクマリに扮装しているのです。
最初今日のイェティは、仏陀だと思い込んでいました。でも、身体全体があまりの派手な赤なので、不思議に思って後ろに回ると・・・額の独特な形の中にある第三の目・・・これを見て、クマリであることが判明いたしました。
クマリと判明すると、前身の左胸のリボンから、クマリの着ているバンディ・チョロと言うブラウスである事もわかりました。
いったい、いつ変身しているのか・・・明日のイェティが気になって来ます。
文:しぇるぱに / 画:あかしゅ