去年のスーパーボウルでは劇的なプレーが続発し、ニューヨーク・ジャイアンツが17年振り3度目の優勝を決めたのだが、今年は去年のような奇跡は起こらなかった。クォーターバック、イーライ・マーニング率いるニューヨーク・ジャイアンツが優勝候補の筆頭に挙げられていたが、残念ながらフィラデルフィア・イーグルスのディフェンスに太刀打ちすることができず、23対11でプレーオフの初戦で敗退した。
去年のMVPに選ばれたマーニング。この試合は去年の調子とは裏腹にミスを連発。勝負どころで2回ものインターセプトによりチームの足を引っ張っぱってしまう始末。これが引き金となり、チーム全体のオフェンスにリズムが突如と崩れていった。タッチダウンまで30ヤード以内のチャンスが5回巡ってきたにもかかわらず、一度もタッチダウンをものにすることができず、全てフィールドゴールに頼らざるを得なかったが、そのフィールドゴールも決まったのが5回中、3回という結果だった。
一番の敗因はチャンスをものにできずリズムが崩れていったとマーニングは言う。この試合、29回のパス場面のうちパスが通ったのは15回、トータルで169ヤード。数字的には良くも無く、悪くも無くという感じだが、もしチャンス時にパスが決まっていたらこのステータス以上にマーニングそしてチーム全体が輝いていただろう。
どのスポーツでも、特にチームスポーツで優勝の連覇を狙うことは本当に容易なことではないと改めて実感した試合であった。そういうこと考えると、90年代のシカゴ・ブルスは恐ろしいほどの強さだったと思う。
木下 一