何年か前にスカーレット・ヨハソン主演の『真珠の耳飾りの少女』という映画で一般の方にも認知されるようになったフェルメール。残念ながら、『真珠の耳飾りの少女』は彼の祖国のオランダにございますが、このNYCにもフェルメールの絵が数点あるんですね。
実は、只今メトロポリタン美術館 では、フェルメールの傑作の一つと言われる『牛乳を注ぐ女』をオランダから借りておりまして、美術館の一角でフェルメールの展示会をしております。
ちなみにフェルメールは英語ではVermeer(ヴェミーァ)と呼ばれております。何で日本語ではフェルメールになってしまったのかは謎ですが、メトロポリタン美術館に行って、『フェルメール展どこ?』って言っても通じないので要注意です!
私も、もう2回も3回も行っているんですが、人の少ない平日の朝に行ってもミルクメイド(英語ではこう呼ばれております)の周りだけはいつも人だかり…
もちろん、他のフェルメールの絵も素晴らしいのですが、ミルクメイドは流石傑作と呼ばれるだけあり、他のフェルメール作品がかすんで見えます。
このミルクメイド、フェルメールが26歳頃の作品なのですが、この完成された構造といい、写真のような美しい背景、そしてフェルメール・ブルーといわれるこの美しい青!彼はこの青色を作るのに、その当時とても高価だったラピスラズリという鉱石を使っているのです。これはエジプトのツタンカーメンとかが被ってるあの仮面に付いてる青い石ですが、これ、その当時(17世紀半ば)、一筆5万円の価値もしたそう!彼の財力なしではこのような美しい絵は完成しなかったという事です。私は個人的に、フェルメール作品によく見られる、この青と黄色の色使いが大好きです。
この絵の後ろにある四角い箱は当時の暖房器具だったらしく、この絵が描かれた季節が冬だと決定付けるアイテムとなっております。その箱の後ろの壁にはキューピット(なの?)の絵が描かれておりますが、これは性的な意味を表し、彼女がミルクを注ぎながら男の人のことを考えているのでは…、という見解がなされているそう。もともと、この時代のオランダ文学や絵画に出てくる女中は男性を惑わす性的なシンボルとして扱わることが多かったそう。ミルクを注ぎながらかすかに微笑む彼女は、かの有名なモナリザのような、『何考えてるんだろう…?』的な不思議な魅力を持っています。
このフェルメール展、11/29までやっておりますので、ご興味のある人は、是非!行ってみてください。ちなみに、HISでもメトロポリタン美術館ツアーがございまして、フェルメール作品もハイライトしております。
それではそれでは。
By asa
