さて、質問です。
どちらが人間に近い彫刻でしょうか???
A. ドナテッロ “デイビッド”
Bargello Museum, イタリア
B. オルデンバーグ “フロア・コーン”
答えは…
B. オルデンバーグ “フロア・コーン” でした。
なんで?と思うでしょ??
私も、初めて答えを聞いたときは、『はぁ?』と思いました(笑)
理由は、“柔らかさ”だそうです。
ドナテッロのデイヴィッドは、確かに見た目も人間っぽいけれど、人間のような柔らかさや、日々の衰えなどとはまったく無縁の鋼鉄の体でできている。それに比べて、オルデンバーグのアイスクリームは布でできてる分、人間のような“衰え”や“腐敗”などは避けては通れない。
アメリカのアーティストはそういったウンチクといいますか、目で見る美よりも、アイディア重視なフシがあります。オルデンバーグは生まれはスウエーデンですが、幼いころに家族と一緒にアメリカに渡って来たということで、アメリカのアーティストとして認知されています。他のアメリカンアーティストと同じく、彼も日常にあるものを違った視点で見て表現し、誰でも手軽に楽しめるヒューモアたっぷりのアートを作っている。
ちなみに、この“柔らかい彫刻”シリーズ、実はオルデンバーグの最初の奥さんが縫っていたらしい…。
この人、なんか知らないけれど巨大な彫刻を作るのがお好きなようで。最初の奥さんと離婚して、“柔らかい彫刻”シリーズを卒業しても尚、巨大彫刻作りに固執していたみたい。(フロアコーンも人間くらいの大きさはあります。)私の地元のフィラデルフィアにも彼の作ったこ~んな洗濯バサミが街の中心にありましたよ。
H.I.S.に来られるお客様は大抵メトロポリタン美術館ツアーをお申し込みなのですが、私としては、せっかくアメリカに来たのだから、モダンアートの聖地ともいえるNYCでもっとアメリカンアートに触れてほしいなぁ…と思うわけです。
オールデンバーグの柔らかい彫刻シリーズはMOMAの4Fにございます。H.I.S.にもMOMAのツアーがございますので、ツアーガイドのトミナガさんに、是非是非オルデンバーグの話をしてもらってください☆
By asa
現地オプショナルツアー