数年前にCDを聴いて以来、ずっと生で見てみたかった舞台「ラスト・ファイブ・イヤーズ」がついにオフ・ブロードウェイで再演されることになり、見てきました!CDを繰り返し聴いていたので、予習はバッチリです。

H.I.S. ニューヨーク支店便り


この作品の出演者は男性1人、女性1人だけ、あるカップルの5年間に渡る出会いから結婚、そして破局までの物語です。しかもこの2人は、舞台上でそれぞれ1人芝居を交互にし、お互いに視線を合わせたり2人で会話をするシーンはほとんどありません。

ややこしいのですが、どういうことかご説明しますね。

男性の物語は時系列に過去(5年前の出会いの日)から現在(5年後の別れ)までが綴られ、一方の女性の物語はと言いますと、現在(別れ)から過去(出会い)へと時がさかのぼっていくのです(ビデオテープの逆再生のような感じ)。

これがこの作品の最大のヒネリになるのですが、予備知識をなく舞台を見ると、え?え?なんで?と混乱する事間違いなしです。

男女それぞれ逆の時間軸となるのですが、過去から現在と進む男性と、現在から過去へとさかのぼる女性の時空は、当然途中の地点で一度だけ交差するのです。このつかの間のシーンだけ、男性と女性はお互いを確認しますが、やがてまた2人の時空は虚しくビュンビュンと遠ざかり、二度と交差する事はないのです。

CDを聴き込んでいたときは、このヒネリの意図はあまり意識していなかったのですが、舞台を見て、これは5年間同じ時間と場所を共にしても心がすれ違いで、まるで互いに別々の時空にいるような2人を表現している、という演出意図がハッキリ分かりました(それくらいCDを聴いてすぐに気づけよ、という話ですが)。


H.I.S. ニューヨーク支店便り

このミュージカル、音楽が素晴らしく、特に幕開けで女性が歌う Still Hurtingという曲が名曲です。ご興味のある方は以下で聴いてみてください↓
http://www.youtube.com/watch?v=ujHlChTlC3Q

その他の曲もユーモアやウィットたっぷりで、延々と男女の一人芝居が交互に続く、という事から想像できる退屈さは全くないです。

5月までの限定公演ですが、ぜひおススメです。ご覧になる方は、2人の時空の進み方が逆、という点を念頭に置いて見てくださいね(でないと、ストーリーがさっぱり理解できないかもしれません)!


H.I.S. ニューヨーク支店便り


The Last Five Years
Second Stage(43ストリートと8アベニュー)で5月12日まで上演中


Ken

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