2018年も早や9月。
「芸術の秋」の到来とともに、リンカーン・センターに本拠地を持つオペラ、バレエ、オーケストラ
の新シーズン開幕が近づいてきました。
その中でとりわけ注目されるのが、ニューヨーク・フィルハーモニック。
すでに告知があったとおり、2018-2019年のシーズンから、新たな音楽監督が登場します。
その名は・・・ Jaap van Sweden
オランダ、アムステルダムの出身です。
オランダ語では「J」は「Y」、「W」は「V」の発音に変化するのが一般的であることから、
「ヤープ・ヴァン・ズヴェーデン」という表記が慣例になっています。
経歴を簡単に紹介すると・・・
1960年12月12日出生。
幼少の頃からヴァイオリニストを志し、アムステルダムの音楽学校で学んだ後、
コンクールでの優勝を機に、15歳でニューヨークのジュリアードスクールに留学しました。
そして1979年に19歳で名門アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団のコンサートマスター
(首席ヴァイオリン奏者)に抜擢されました。
これは世界的にもコンマス就任の最年少記録で、演奏者としていかに非凡な才能を持っていたかがわかります。
しかし、彼はヴァイオリニストとしてのキャリアだけでは満足しませんでした。
1995年(35歳の年)に同楽団のコンマスを離れ、指揮者としての道を歩み始めます。
オランダ国内をはじめとしてヨーロッパ各地のオーケストラで指揮活動を続け、
2008年からダラス交響楽団の音楽監督としてアメリカに進出。
2012年からニューヨーク・フィルハーモニックにたびたび客演するようになり、
ついに今回、アラン・ギルバート氏の後任として名門ニューヨーク・フィルの音楽監督という
大きなポジションを得ることになりました。
現時点では、一般的な知名度はあまり高くないかもしれません。
しかし、クラシックファンの間ではブルックナー、ブラームス、ベートーヴェンなどのCD録音で
高い評価を得ていることで知られています。
芸風の特徴をひとことで言えば、
「昔の巨匠を思わせるスケールの大きさと、現代的な緻密さを併せ持っている」
というところでしょうか。
年齢的に見ても(現在57歳)、指揮者として全盛期を迎えるのはこれからであり、
最近では数少ない「大物感のある本格的指揮者」として期待できると思われます。
新たな巨匠(NEW MAESTRO)による新時代(NEW ERA)の到来。
新生ニューヨーク・フィルの記念すべき1年目に注目です。
■MORE INFO■
https://nyphil.org/
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音楽
2018.08.31