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数あるブロードウェイの演目の中から、在米生活20年を越えるスタッフが
「これはぜひ見ておくべき!」とおすすめする、選り抜きの名作をご紹介するコーナー。
第1回は「北国の少女(Girl from the North Country)」を取り上げます。
■伝説のシンガー、ボブ・ディラン■
このミュージカルの楽曲を提供しているのは、ボブ・ディラン。
誰もが名前を聞いたことのある、伝説のシンガーですね。
2016年に作詞家として初のノーベル文学賞を受賞したことで話題になりましたが、
それ以前にも「卓越した詩の力がアメリカ文化に多大な影響を与えた」として
ピューリッツァー特別賞(2008年)を受賞しており、2012年にはバラク・オバマ大統領から
日本の国民栄誉賞にあたる大統領自由勲章を授与されています。
若きシンガー・ソングライターとしてキャリアを出発し、あらゆる人々を感化ながら、
社会的な影響力を与えてきたことは、同世代に生きた人間ならよく知っています。
まさに「レジェンド」という称号が当てはまる、数少ない現代の偉人と言えるでしょう。
■ボブ・ディランの楽曲と「北国の少女」■
このミュージカルに使われている楽曲は、すべてボブ・ディランによるオリジナルです。
デビューまもない1963年に作曲された初期の曲から、2010年に発表されたアルバム
『テンペスト』の収録曲に至るまでの全20曲。
彼の曲に少しでも興味のある人なら、「風に吹かれて」「ライク・ア・ローリング・ストーン」
「時代は変わる」「アイ・ウォント・ユー」などのタイトルを聞くだけで、
当時の世相や空気を思い出すのではないでしょうか。
ミュージカルのタイトルになった「北国の少女(Girl from the North Country)」は、
初期の1963年にレコーディングされたフォークソングです。
かつてディランが愛したことのある北国の少女への想いについて語った曲で、
ニール・ヤングやロッド・スチュワートなどもカバーしています。
■ディランがすべてを託した劇作家コナー・マクファーソン■
このミュージカルでディランが脚本を託した劇作家が、コナー・マクファーソン。
アイルランド出身で、これまでにローレンス・オリヴィエ賞(1997)を受賞したり、
トニー賞ノミネート(2004)などの実績がありました。
しかしミュージカルの脚本は今回が初めて。ディランは、多様な人間模様を描き分ける
緻密な精神描写を得意とするマクファーソンの才能に賭けたにではないかといわれています。
■ストーリーの舞台と人間模様■
舞台はミネソタ州ダルース。五大湖のスペリオル湖畔にある街で、ボブ・ディランが幼少期を
過ごした街でもあります。1934年、おりしも全米に襲いかかる大恐慌時代を背景に、
あるゲストハウスに生きる人たちの人間模様が展開されます。
ゲストハウスのオーナー、ニック・レーンは多額の借金を背負い、家族をどうにか経済的に
救おうを苦心しています。妻のエリザベスは人生に絶望するあまり、精神分裂症の状態。
19歳になる養女マリアンヌは、父親が誰ともわからぬ子を妊娠しています。
マリアンヌの身を案じたニックは、彼女を靴修理人ペリー氏と結婚させようとしました。
ニックが慰めを見出しているのは、同居するニールセン未亡人。
さらに同じゲストハウスには失業中のバークス氏の三人家族も2階に同居しています。
そこに加わったのが、聖書を売り歩く宣教師マーロウ氏と、復帰を目指すボクサー、ジョー・スコット氏。
ここから、物語はあとに退けない状況へと展開していくのですが・・・
過酷な環境の中、底辺に生きる人々に寄り添うようにして、詩情豊かなボブ・ディランの楽曲が
不思議なハーモニーを奏でていきます。
混迷の時代にある私たちにも「生きることの意味」を教えてくれる作品ではないでしょうか。
Posted by Firebird '20
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