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新型コロナウイルスの感染拡大が最も深刻だったニューヨークは6月8日から経済活動が再開されました。
皆様が安心してニューヨークにお越しいただけるようになった際に参考になる観光情報やスタッフの日常生活などの記載を引き続き努めてまいりますが、
規制は段階的に緩和されていくため、まだしばらくは記載内容が新型コロナウイルス感染拡大前の体験、情報などになることがございます。
何卒ご容赦いただきますようお願い申し上げます。
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「薬膳」と言えば、紀元前を起源とする中国医学の理論に基づく食材と生薬が組み合わされた料理ですが、それ以上の長い歴史(5000年以上前からと言われます)を誇る世界最古の「薬膳」と言えるのが、インド発祥のアーユルヴェーダです。
ご存じの方も多いとは思いますが、アーユルヴェーダとは古代インドの医学と哲学が結合したホリスティックな伝統的療法の体系であり、それは食事に限らず、生薬やマッサージ、運動も含まれ、ヨーガにも繋がっています。
アーユルヴェーダの中でも食事は「薬膳」・食事療法として、その中心部分を成すわけですが、具体的なメニューがあるわけではなく、ドーシャと呼ばれる3つのタイプの生命エネルギーに根ざした食事法であり、食物の分類・組み合わせとも言えるので、ヴァラエティ豊かな様々な調理/メニューが可能です。
ニューヨークには他の国には無いようなヴァラエティ豊かなインド料理の文化と外食産業がありますが、今回はある意味“究極の薬膳”とも言うべきアーユルヴェーダのレストランをご紹介したいと思います。
マンハッタンには現在2軒の代表的なアーユルヴェーダ・レストランがありますが、内1軒は伝統的なインド料理に根ざしたお店(アッパー・ウェストにある「Ayurveda Cafe」)で、もう1軒がいわゆる“フュージョン料理”や“創作料理”を提供する「Divya's Kitchen」です。
白を基調にした落ち着いた雰囲気の店内はインド料理レストランとは趣が異なりますが、メニューもインド料理の範疇を超えたフュージョン感覚に満ちています。
カレーやキチャリ(米と豆を使ったインドのお粥)といったインドの代表的な料理をベースにしたメニューを中心にしつつも、それらと並んで、なんとラザニヤやリゾットやフォカッチャといったメニューが。
※ビーツとレンティル豆、カシュー・ソースのベジタブル・カレー
※カシュー・ミルクのベシャメル・ソースたっぷりのベジタブル・ラザニア
それらは“インド風”のメニューや味付けというわけではなく、見た目と味は完全な創作料理であると言えますが、それでも全てのメニューは“れっきとしたアーユルヴェーダ”なのです。
この店のシェフであり共同オーナーのディヴヤさんは実はブルガリア出身。18歳の時に「食」に目覚めてヴェジタリアンとなり、インドに渡って長年アーユルヴェーダの修行を積みました。
彼女が師事したヴァイジャ・ラマ・カント・ミシュラという人はアーユルヴェーダの古代のテキストと現代の科学を結びつけた、言わば伝統と革新の合体を実現した大変有名なアーユルヴェーダのマスター。彼から長年学んだディヴヤさんのメニューは、イタリア料理の名前が付いていても、それは正に伝統と革新とが合体した“現代のアーユルヴェーダ”と言えます。
イタリア料理(特にピザ)も大好きと言うディヴヤさんですが、彼女の食に対する考え方や態度は普通のレストランのシェフとは異なります。
例えば、初めて彼女の店にやってきた人が「この店のお薦め料理は何ですか?」と尋ねると、彼女は「あなたの今の体調や気分は?」と聞き返します。つまり、この店にはいわゆる”店のお薦め料理”というものはなく、あるのは“その人それぞれに適したお薦め料理”というわけです(そのために、全てのメニューには上記の3つのドーシャに関する記載も付いています)。
アーユルヴェーダの認定された栄養士であり料理教室を運営する教育者でもあるディヴヤさんですが、彼女の書いた料理本も彼女の考え方をよく表しています。
「ニュー・アーユルヴェーダ・キッチン:“あなたがどう感じているか”のために食べるもの」
Divya's Kitchen
25 1st Ave., New York, NY 10003
212-477-4834
一日でも早く世界の新型コロナウイルス感染が終息し、皆様に素晴らしい旅行をご提供できることをスタッフ一同心よりお祈り申し上げます。
皆様も健康に留意し、健やかにお過ごしくださいませ。
HIS ニューヨーク支店