言葉で尽くせない大変なことに遭われた被災地の皆様
心よりお見舞い申し上げます。
思いがけずこちらで暮らすようになってからずっと
今まで感じたことのない程、日本を意識し、自分が日本人であることを
強く思うようになった。
傍観者、客観的な海外赴任者のおごり?そんなものは最初っから
微塵もない。
あの日、
サイパンに残ってるお客さんのこと考えなきゃ・・・
それ以外何もなかった。日本にいる人の事考える余裕はなかった。
それがすごく申し訳ないって思う。
サイパンは町中、津波警報でパニックを起こしていた。
空港のお客さんをバスに誘導して高いところで待機のイメージを
思い浮べながら津波到達時間をじっと待って、ダイビングで習った
パニック回避誘導マニュアルを一つ一つ反芻しながら空港で待った。
その間、オフィスのスタッフは、誰も逃げずに津波が来たら木端微塵の
室内で黙々と仕事をしている事が分かってたから自分も怖くなかった。
それがいいことだったのか悪いことだったのかはわからない。
海辺の自分のアパートで自分の帰りを待ってる猫が津波で溺れる様も
ついでに想像してしまい心の中でごめんって謝った。
結果、サイパンには40センチの津波がやってきて、被害は無かった。
フライト欠航が相次ぐ中、随分と時間が経ってしまったけれど、
日本の家族と、日本の大切な友人に素早くメールした。
”大丈夫か?”その先が続かない。
これ以上ないくらい頑張ってる人に頑張れって言えない。
とっても言えない・・・・。
サイパンのオフィスには、ちゃんと壁もあって、屋根もあって、電気も
ついてる。
夜中に自分だけの為だけに明かりを灯ける気には到底ならないけれど。
止まって、落ち着いて、考えなきゃって言い聞かせる。
自分にできることを考える。
阪神大震災の事を調べた。
自分にできることは驚くほど少ない。
お金が一番やっぱり役に立つのと、被災者の尊厳を守ることと、
マスコミで話題に上がらなくなった頃に忘れ去らない事、だって書いてあった。
だからごめんなさい、本当にごめんなさい。
HISサイパンでできることは、お水を送ってくださいっていうことと、僅かな
募金と、心からの祈りと、そのくらいしか今はできません。
そして自分に精一杯できることは、こんな中サイパンにおいでくださるお客様
例えばハネムーンのお客様。
ご両親や親戚のおばさんおじさんから、
”一生に一度のことだし、せっかく二人で準備して楽しみにしてた新婚旅行
なんだから、こっちの事は心配しないで行ってきなさいね”
ってサイパンにおいでになったお客様もいらっしゃるかもしれない。
お客様一人ひとりのご事情は自分たちには分からない、けど、
そういうことを考えながら、とても、とても大切に接することが自分にできること。
そして、上から目線とかそういうんじゃなく、元気を少しでもサイパンから持って
帰って頂くこと。
元気玉!持って帰ってもらおうって思ったらこっちが疲れた顔してる場合じゃない。
昔読んだ本の中で、強く願うこと、その願いは強く願えば願う程、その半分は叶ったも
同じことだって書いてあった。
それを自分に言い聞かせる場面を今以上に知らない。
そしてやっぱり、願わずにはいられない。
頑張ってる被災者のみなさん。HISの日本スタッフの
みなさん。
頑張れ!
by yoshi