観光 2010.06.15



 ダッカの中央駅、コムラプル駅。エッジの効いた外観と


H.I.S. ダッカ支店 (バングラデシュ) ~ショナル バングラ~ -01コムラプル駅外観
 

 効きすぎて鉄道駅っぽくない雰囲気(?)と、そして鉄道がさほど発達していないバングラデシュ(河の国ですから)だけあって、インドの駅前のような活気はありません。落ち着いた雰囲気です、とカバーしときます()

 

 そんなコムラプル駅、西側にはバングラ商業・金融業の心臓部モティジール。


H.I.S. ダッカ支店 (バングラデシュ) ~ショナル バングラ~ -02モティジール中心
 

 南西はバスターミナルとダッカ旧市街への入り口として有名なグリスタン。


H.I.S. ダッカ支店 (バングラデシュ) ~ショナル バングラ~ -03グリスタンバス乗り場
 

 有名な観光地やショッピング街、ホテルなど、ダッカを観光で訪れるかたならば、ほとんど「コムラプル駅の西側」で用が済んでしまいます。それくらい、中央駅が「中央」にない印象です。ちなみに「河の国」バングラデシュで伝統的に長距離移動に使われてきたのは船舶。


H.I.S. ダッカ支店 (バングラデシュ) ~ショナル バングラ~ -04河の主役は運送の主役
 


H.I.S. ダッカ支店 (バングラデシュ) ~ショナル バングラ~ -05モハッカリのバスターミナル
 

 最近ではバスが圧倒的。ときにジェットコースター化するとか…。

 

 というわけで、ダッカに暮らして以来「コムラプル駅の東側って何あるん?」なんとなく気になっていました。「普通の住宅街なんやろなあ」とは思っていましたが。

 

 そんなある日、モティジールを走り回る知り合いのリキシャーおじさん、ムハマドさんが「ウチ来なよ」誘ってくれまして。モティジールで待ち合わせして、キコキコと漕ぎだして


H.I.S. ダッカ支店 (バングラデシュ) ~ショナル バングラ~ -06アルゼンチン、長い。
 

アルゼンチン国旗、長すぎ!てか、公共の道路に他国の旗、いいんか?!


 さきほどのコムラプル駅前を南に下ると


H.I.S. ダッカ支店 (バングラデシュ) ~ショナル バングラ~ -07踏切
 

 線路を東に渡ると、そこはあこがれの()コムラプル駅東側なのでした。


H.I.S. ダッカ支店 (バングラデシュ) ~ショナル バングラ~ -08アメリカモード!
 

 怪しさ大爆発のペイントカーに出迎えられました。


H.I.S. ダッカ支店 (バングラデシュ) ~ショナル バングラ~ -09貨物トラックだらけ
 

 コムラプル駅構内の東側は貨物列車のヤードらしく、いかついトラックが頻繁に出入り。のせかえて、貨車で港町チッタゴンまで行くのでしょうね。


H.I.S. ダッカ支店 (バングラデシュ) ~ショナル バングラ~ -10私立病院建設中
 

「あの建築中の、何? ホテル?」

「プライベートホスピタル」


H.I.S. ダッカ支店 (バングラデシュ) ~ショナル バングラ~ -11路地に入りまして
 

 どんどん小さな路地に入っていき


H.I.S. ダッカ支店 (バングラデシュ) ~ショナル バングラ~ -12リキシャー溜まり
 

 リキシャーの駐輪場!


H.I.S. ダッカ支店 (バングラデシュ) ~ショナル バングラ~ -13リキシャーのねぐら

 雨期に水没しないよう、すべて竹で組まれた高床のスペースにぎっしりとリキシャーが。夜はもっと増えるのでしょう。入り口で、ここのボスが「なんで外国人がここ来とるんや?」みたいな顔で歓迎してくれました。


自分「あー、よく言ってる『ボス』があの駐輪場管理してるわけ?」

ムハマド翁「そう。新しいリキシャーとか買うときもボスから。普段から借り賃払ってるし」

自分「新しいリキシャー、いくら?」

翁「200ドルくらい」

 

 ちなみに、彼自身は月3000タカ(4400)の収入と言っています。


H.I.S. ダッカ支店 (バングラデシュ) ~ショナル バングラ~ -14勝手にブラジル通り
 

 ブラジル通り(勝手に命名)を進んでムハマドさん家へ。おじゃましまーす。


H.I.S. ダッカ支店 (バングラデシュ) ~ショナル バングラ~ -15ムハマドさんのお孫さん
 

 お孫さん(2)が飛び跳ねてお出迎え。家はアパートの一角のふた部屋で、決して豪華ではありませんが手入れは欠かさず、ほかの部屋の人とも仲良く暮らしている、そんな感じです。コンロ回りが共用でした。


H.I.S. ダッカ支店 (バングラデシュ) ~ショナル バングラ~ -16ムハマド家テレビ
 

 テレビもありますし(現在筆者自宅になし。東京時代から連続7年目)


H.I.S. ダッカ支店 (バングラデシュ) ~ショナル バングラ~ -17ムハマド家扇風機
 

 風通しいいうえに天井ファンがとなりあって2(なぜだ!)あり…


H.I.S. ダッカ支店 (バングラデシュ) ~ショナル バングラ~ -18ムハマド家某鼠(笑)
 

 ▲このネズミのキャラクターは…私、どこかで見た気がするのだが()


H.I.S. ダッカ支店 (バングラデシュ) ~ショナル バングラ~ -19野菜カット中
 

 縦に立ったナイフで、奥様が野菜を切りまして


H.I.S. ダッカ支店 (バングラデシュ) ~ショナル バングラ~ -20昼食はチキンと玉子
 

 鶏と玉子のカレーをいただきました。食後は完熟マンゴー!


H.I.S. ダッカ支店 (バングラデシュ) ~ショナル バングラ~ -21デザートはマンゴー
 

 ▼ちなみにこの家は「アルゼンチン派」だそうで。


H.I.S. ダッカ支店 (バングラデシュ) ~ショナル バングラ~ -22アルゼンチン派ですと。
 

 ワールドカップが近づいて以来、「アルゼンチン派?ブラジル派?」は立派な話のタネです。


H.I.S. ダッカ支店 (バングラデシュ) ~ショナル バングラ~ -23赤牛?の散歩
 

 食後はおしゃべりのあと、そとへ散歩。次第にこんな空間がぽつぽつと


H.I.S. ダッカ支店 (バングラデシュ) ~ショナル バングラ~ -24不思議な景色
 

 そしてついに


H.I.S. ダッカ支店 (バングラデシュ) ~ショナル バングラ~ -25不思議な水の景色
 

 沼地とも草原ともいいがたい、不思議な景色の場所にきました。

翁「これからの雨季、水でこのへん浸かっちゃうのね」

自分「だからぜんぶ高床なんや!」


H.I.S. ダッカ支店 (バングラデシュ) ~ショナル バングラ~ -26高床式、建築中。
 


H.I.S. ダッカ支店 (バングラデシュ) ~ショナル バングラ~ -27小舟と高床式
 

 水上住宅、聞こえはいいけど蚊が凄まじそうです…。


H.I.S. ダッカ支店 (バングラデシュ) ~ショナル バングラ~ -28水がすこしきてます
 

 冠水したら、船で渡ってゆくか


H.I.S. ダッカ支店 (バングラデシュ) ~ショナル バングラ~ -29竹の橋
 

 こんな竹の橋をひたすらたどってゆくか


H.I.S. ダッカ支店 (バングラデシュ) ~ショナル バングラ~ -30土手道
 

 人通りの多い場所は、土手道をつくるみたい。


H.I.S. ダッカ支店 (バングラデシュ) ~ショナル バングラ~ -31ここにもリキシャーたまり場
 

 ここにもリキシャーの車庫が。モティジールやグリスタンに近いので、このエリアから出かけるリキシャー乗りが多いのでしょう。それよりも、こんなのどかな景色がダッカの中心から15分の場所にあるなんて!


H.I.S. ダッカ支店 (バングラデシュ) ~ショナル バングラ~ -32うしくんはどっちよ?

自分「君はブラジル派?アルゼンチン派?」

牛「別に…」()

 

 ダッカにはめずらしく猫のいるチャーイ屋で一息していると、外国人がいるのに気づいた近くのお母さんが「犬連れてきて!」と息子さんにせかしまして、果たして連れてくると、パンをひときれ取りだし


H.I.S. ダッカ支店 (バングラデシュ) ~ショナル バングラ~ -33犬にパン
 

母「クッター(犬のこと)! 食べろ!食べろ!撮れ撮れ!」

自分「おばちゃん、そのセンスめっちゃいい」()


H.I.S. ダッカ支店 (バングラデシュ) ~ショナル バングラ~ -34チャーイ屋の猫
 

ムハマド翁「あんなあ、30年前は、ボナニもグルシャンもさっきみたいな景色だったんやぞ」

自分「あの、雨で水浸しになる?草原+沼みたいな?」

翁「独立してから、政府が急に開発進めて、陸地にしたのね」

自分「いま、ボナニ湖しかないけど」


H.I.S. ダッカ支店 (バングラデシュ) ~ショナル バングラ~ -35ボナニ湖
 

▲ボナニ地区とグルシャン地区の間に広がる、ボナニ湖。

 

 国土にほとんど高低差がなく、降った雨がなかなか海に流れないバングラデシュでは、乾いた土地をつくるには大変な努力が要るのでしょう。現在のボナニ・グルシャンはボナニ湖面より数メートルも高くなっていて、そこが高級住宅地とされるゆえんかもしれません。


H.I.S. ダッカ支店 (バングラデシュ) ~ショナル バングラ~ -36店先
 

 というわけで、リキシャーおじさんの家を訪れただけでなく、普段の観光ではまず行かないエリアで、意外な景色に出会えました。「ダッカの外にこそ面白いものがある」バングラ人はよく言うのですが、ダッカだって、まだまだ驚きの場所があるみたい!



※ すべてのリキシャー運転手や街の人がいい人とは限りません(圧倒的に親切な人の多いのも事実ですが)。見知らぬ場所へ案内されるときは、身の安全には充分気をつけて。ときにはきっぱり断る勇気も必要ですよ。










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