というわけで 、ループゴンジのお散歩に出発です。…そんな軽い気分で出かけたら、予想を軽く超える景色、出てくるわ出てくるわ!人間のいる画にも、人の姿はないけれどたしかに人々の息遣いが残っている景観でも、「息をのむ」景色を目の当たりにしました。
バングラデシュがおもしろいのは、そんな「息をのむ」風景が、世界自然遺産的な、圧倒的な力をこっちに向けて放ってくるたぐいのとは、183度違うトコにある点だと思います。とかく「人間くさい」トコで息をのむんです(しかも、前ぶれなしに)。強いていうなら「文化遺産」とあわせて「複合遺産」と呼ぶべきかな? でも、たくさんの人々に生きられている景観だから「遺産」でもないし。うわー、理屈こねまわすよりまずは写真見てください!そんな感じです(笑)。
細い道路のすぐ横に、こんな水たまりが拡がっています。乾季(10~3月ごろ)には農地に、夏にもっと雨が降れば水位が上がって、いま歩いている道(かさ上げしてあります)以外は水没するのでしょう。今年はひどく少雨ですが。
眼にしみてくる青い空とは対照的に、村人が行きかう一本みちは、涼しげな空間が続きます。
さすが熱帯、樹がよく育つからこれだけ影ができるんかなあ。
…と書いてきて、なんで自分、あの感動を平凡なコメント(と「見せ方」)にしかでけんのか!とプチ自己嫌悪モードに突入しています。詩人や作家、芸術家(―いや、いまブログをお読みのあなたも!)が触れればきっと感動的な紀行文、できることでしょう。「圧倒的な感動の前には、ひとは無言となる」とでも言いわけしとこっと(笑)。
コンクリートで水と陸が隔てられてないループゴンジだからこそ、こんな眺めも。
▲自宅アクセスは、一本の竹を伝って。
水のほとりに暮らしが寄り添ってます。
上の写真で小さく写っていた塔、それが集落の中心にあるモスクです。家からたぶん1キロくらい。写真撮って歩くうちに、本当にあっという間にたどり着きました。ほとんどの道のりが樹のおかげで日陰でしたし。
モスクと並ぶ村の中心施設といえば…そう、学校!
イコール、子どもだらけ!しかも好奇心のカタマリのバングラの子どもだ! 来るぞ来るぞ…本当に来ました!(笑)
やおら樹をおりてきたり(笑)
あっという間に至近距離。例外なくカメラ大好きです。大好きすぎて近寄りすぎて、なぜか自分があとずさりして被写体距離をかせごうとするのだが…
あー!だからこっちに寄ったら撮れんっちゅーの!(笑)
ヤギは(「なせ校庭にいるのか?」とは決して考えないべし・笑)どこ吹く風であります。
うわっ、手前の池と同じレベルで船が行きよる!
やはり”真打ち”は、河でのボート遊びであります(何の真打ちじゃ)。
学校とモスクのすぐ反対側、川岸にボートがつないであり、
どこからともなく船頭氏が現れて、
ドキドキ入浴風景を眺めつつ(笑)漕ぎだしました。聞けば、バルーナディー河というそうです。
ちなみに、河に出たのが夕方4時半くらい。陽が少し傾いて赤みがほんのすこーしだけ出てくる時間です。光は斜め横から当たって、真昼は強すぎる陽射しも弱まってきます。なにが言いたいかというと、「すごくいい写真が撮れる条件が揃った」だ(笑)。そういうわけで、手前味噌ながらいい写真、よっけ撮れました。空の青色と水面のあおいろの違いに…あ、これは若山牧水や。もちろんカモメはいませんが。
▲この船、完全ドリフト航行でカーブ回ってきましたぞ。
で、この流れの中で撮れたのが、ひとつ前の記事の頭で紹介した、男の子の写真3連発なんです。
観光地ではなく、もちろん外国人のためのレストランもお店もないループゴンジ。偶然知り合いのムハマド翁の奥さんの実家、というご縁で出会った、いや出くわした(←熊かよ!)景色でした。
ループゴンジに限らず、バングラデシュという国、たとえばインドのような壮大な建築物も驚異的な観光資源もありません。それだけに、何かを感じるには自分でアンテナのばして、いつも耳を澄ましておく必要があるかもしれませんね。もちろん、アンテナに引っかかったときの感動もひとしお! …ひと味違った旅行をしたいかた、自分のアンテナを磨いてみたいひとへ。バングラデシュだからこそ、あなたにとっての「ループゴンジ」、見つかるかもしれませんよ!