2020.05.07

本日はフィジーの教育制度をご紹介します。

フィジーの教育制度ですが、日本の小学校にあたるプライマリースクールの8年間が義務教育となっています。

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 プライマリースクールに就学する年齢ですが、基本的にその年の6月末日までに6歳になる子は、1月より1年生に就学することができます。これはあくまで原則であって、お子さんが学校生活に対応できる準備が整ったら、と子ども主体に決められます。

 例えば6月より後に生まれた子どもでも、親の希望で1年早く就学させることも、学校側が承認すれば可能です。なので、7月~9月ぐらいに生まれた子どもは、1年早く就学している子も多いです。また、フィジーの学校は1年生からすべての科目を英語を使って教えられるため、現地語中心の生活から、ある程度の英語が理解できるようになってからでないと、学校の授業についていけません。そのための時間を取り、1年程度就学を遅らせる家庭もあります。

 また、学校選びに関しても、日本のように住んでいる場所よって学区が決められるのではなく、大まかな学区のなかで、子供に合った学校を選ぶことができます。

 フィジーの学校には公立学校と私立学校があり、公立の学校の学費は無料となっています。公立学校のなかでも、宗教色のある学校(キリスト教、ヒンドゥー、イスラム)、また宗教色のない政府系の学校、民族系の学校等があります。ですが、宗教系、民族系の学校であっても、他宗教、他民族の子供は入れないわけではありません。異教徒であっても、厳格なしつけ効果を期待してカソリック校に入れる、または母語でない言葉を覚えさせるために、あえて他民族系の学校に入れる親もいるため、各宗教、民族の子供たちが入り混じって教育を受けています。

 フィジーのプライマリースクールには制服があります。男の子は半そでのシャツに半ズボンまたはスルを履きます。スルというのはフィジー系の人々の民族衣装の巻きスカートのような腰巻です。低学年の子供たちは半ズボンをはくことが多いのですが、3~4年生になると、フィジー系、インド系を問わず、男の子はほとんどスルを履くようになります。涼しくて、また着替えが楽なんだそうです。

 女の子の制服は圧倒的にワンピースが多いです。カラフルな色またはチェックなどの柄で、半そでまたは袖なしのものが多いです。

 プライマリースクールの科目は学校によっても違いがあるのですが、英語、算数、理科、社会、保健、体育などです。学校によっては宗教や、ヒンディ語などの授業があります。また、体育はアートと音楽の3科目から好きなものを選択するという学校もあります。また、金曜日はスポーツデーとし、一日スポーツをするという学校も多いです。

 プライマリースクール入学時に、子供たちは色別のグループに振り分けられます。これをハウスといいます。どの学校も大体レッドハウス、イエローハウス、グリーンハウス、ブルーハウスの4ハウスに分かれます。体操着もそれぞれのハウスカラーのポロシャツをそろえ、スポーツデーにはハウス対抗でスポーツをします。もちろん運動会もハウス対抗戦です。なので、金曜日の朝には、普段の制服ではなく、色とりどりのポロシャツを着た子供たちが通学する風景が見られます。

 フィジーの学校で行われるスポーツはサッカー、ラグビー、ネットボールなどです。また、陸上も盛んです。

 授業ではなく、課外活動としてのスポーツはプライマリースクールでは7年生からの参加となります。フィジーの学校には、サッカー兼ラグビーのコートがあるところが多いです。7、8年生は日本では中学生の年齢ですが、やはりこの学年から学校対抗のスポーツ大会に参加することができるようになります。

 フィジーにいらっしゃるお客様には、小学校(プライマリースクール)なのにラグビーコートがあったり、子どもたちの体が大きいということで、驚かれる方もいらっしゃるのですが、プライマリースクールには中学1~2年生の年齢の子どもたちも在籍しています。

 プライマリースクールの高学年でスポーツ分野にて活躍した生徒は、その後のセカンダリースクールの進学時に考慮されることも多いです。

 通学は徒歩かまたはバスを利用する子が多いです。バスを降りてから幹線道路を安全にわたるために、校門付近に信号がない学校では、上級生が交代でSTOPと書かれたロリポップと呼ばれる手持ちの交通標識のようなものを掲げて、通行車両を一時的に止めます。

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 登下校時にかかわらず、フィジーのプライマリースクールにおいては、上級生が下級生の面倒をよく見ています。これも旧宗主国であるイギリスの学校の制度なのですが、7~8年生になると、Prefectと呼ばれる監督生が選出されます。監督生は、下級生の1クラスの担当となり、始業時に担当のクラスに行き、教師が授業を開始するまでの間に生徒たちを着席させ、静かに待たせたり、朝礼や終礼時に整列させるなどの役割を担っています。

 フィジーにいらした際には、いたるところでフィジーの子どもたちの笑顔を目にすることと思います。ぜひとも、ひとことBulaと声をかけてみてください。

※ 情報は2020年1月現在のものです。

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