2020.05.08

 本日は、フィジーの学校についてのお話、セカンダリースクール編です。

 8年間のプライマリースクールを終了したあとは、ほとんどの子どもがセカンダリースクールに進学します。セカンダリースクールは5年間ですが、義務教育ではありません。

  学校の名称はHigh Schoolだったり、Secondary Schoolだったり、Collageだったり、統一されてはいないのですが、すべて5年制のセカンダリースクールのことを指します。

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フィジーでの学年は、オーストラリアやニュージーランド同様、プライマリースクールとセカンダリースクールを通しで、1年生(Year1)から13年生(Year13)と数えるのですが、セカンダリーの5年間の4年生までを終了すると、プライマリースクールからの通算年数が12年となりますので、高校卒業程度とみなされます。セカンダリースクールの最終学年のYear13は大学の教養課程(foundation)を兼ねており、Year13まで終了した子は、大学を3年間で卒業することができます。(※全世界の大学にこのルールが適用されるわけではなく、フィジーのセカンダリースクールに関しては、Year13終了必須の大学もあります。)大学に進学の予定がなくても、Year13まで終了してから就職する学生も少なくはありません。

 セカンダリースクールへの進学に関しては、学区制が適用されますが、学区外であっても通学が能な範囲であれば、進学が可能です。学校選びに関しては、校風やカリキュラム、卒業生の活躍の分野などが重視されます。日本のような偏差値のような入学の難易度や必要とされる学力の目安などの基準はありません。レベルに関しては、あの学校は成績よくないと入れない、というような風評程度のものしかありません。

 選考方法ですが、日本のような入学試験はなく、プライマリースクールの成績や参加していた課外活動の内容をもとに選考が行われます

 スポーツが盛んな学校では、プライマリースクールでのスポーツチームで活躍した、または個人競技で全国大会へ行った、記録を保持しているなどスポーツの成績も考慮されます。さらには、プライマリースクールで、Prefect(監督生。上級学年の生徒で、教師の補助として下級生の監督をする生徒)を務めた経験があるというのも、リーダーシップのある生徒として高く評価されます。

 セカンダリースクールのカリキュラムですが、最初の2年間はほぼ全員同じ科目を学びます。3年目の11年生から各コース別となります。学校によって違いはありますが、理系、工学系、アカウント、歴史、農業、家政などのコースがあるようです。

 通常の授業以外の学校のカリキュラムとして、フィジーでよく行われているものを紹介したいと思います。まず、スポーツです。

フィジーの学校で人気のあるスポーツはラグビー、サッカー、陸上、ネットボールなどです。また、学校により水泳、バスケットボール、クリケット、ホッケー、バトミントンなどのクラブがある学校もあります。特にフィジーのセカンダリースクールの陸上の全国大会は、日本の高校野球に匹敵するほど人気があります。

 スポーツのクラブ活動は、通年ではなく、大会の日程によって決まります。簡単に言うと、大会の前に部員を慌てて集めて練習をはじめ、大会が終われば活動も終わりです。日本の部活のように在学期間中ずっと打ち込むものではないので、拍子抜けな面もあるのですが、一人の生徒が複数のスポーツを掛け持ちできるという利点もあります。

 例えば、セカンダリースクールの陸上の全国大会は四月下旬なので、陸上のシーズンは新年よりはじまり、学校大会、地区大会を経て一学期の終わりの全国大会で終わります。ラグビー、サッカー、ネットボールなどの球技は、そのころから練習をはじめ、二学期の終わりに大会が開かれます。シーズンが重ならないので、スポーツをする子は、たいてい陸上と球技の両方を掛け持ちしています。

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また、フィジーの学校においては、チームスポーツ風に競い合うTeam Math mastics Competition に参加している学校が多いです。これは、各学年の学校代表の5~6名がチームとなり、学校対抗で数学の問題を制限時間内に解き、競い合うというものです。数学バージョンだけではなく、英語のスペリングや、化学のバージョンもありますが、数学が一番盛んです。

 また、一部の学校ではCadet Training を行います。軍隊調のカーキ色の制服を着て、軍関係者の指導の下に、行進や気を付け、休め、敬礼となどといった基本動作の練習をします。上級生たちは本物のライフルを担いで行進をするので、体力的にもかなりきついものとなります。Cadet Trainingは、涼しくなってくる冬場の5~6月から練習をはじめ。仕上げとして7月の末頃に、Pass Out Paladeを行います。Pass Out Paladeとは、街中をパレードし、スタジアムにて行進や人文字を行い、上級生を送り出すという行事です。このPass Out Paladeは、父兄も盛装にて見学に加わり、パレード終了後にはクラスごとに集まって食べ物を持ち寄り、パーティーを開きます。

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セカンダリースクールの学生生活の締めくくりですが、Year12終了時とYear13終了時に全国共通の試験があります。大学や各種学校に進学する生徒は、このテストの点数によって、進路が決まります。Year13までいくと、生徒数も約3分の2ぐらいに減ってしまうのですが、卒業時にはPromと呼ばれる卒業パーティーが開かれます。女子生徒はドレス、男子生徒はタキシードに身を包み、参加します。一体フィジーのどこにこんなドレスや、スーツが売られているのか、悩んでしまうきらびやかさなのですが、こちらの人は親せきをたどっていけば必ず一人や二人海外に住んでいる人が見つかるので、つてを頼って取り寄せているものと思われます。

 フィジーのセカンダリースクールの学校生活は、なかなか盛りだくさんで楽しそうです。フィジーの人たちの愛校心や卒業生同士のつながりは極めて強く、事業で成功し、母校への寄付を惜しまない卒業生も多数存在します。

 もしフィジーにいらしたら、フィジーの人にどのような学生生活を送ったか、訪ねてみてください。きっと楽しかった思い出を誇らしげに語ってくれることでしょう。

※ 情報は2020年1月現在のものです。

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