近頃は、ニューヨークを訪れる観光客の傾向として、単なる観光だけでは飽き足らず、現地で英会話を学んだり、エステのクラスに参加したりという体験型の旅行に興味を持つ人たちが増えてきている。
そのような体験型の旅行を考えている人へお勧めしたいのが、ニューヨークでのボランティア。その気になれば、こんな体験も可能だ。
ニューヨークには、あのニューヨークシティ・マラソンを主催しているニューヨーク・ロードランナーズ(NYRR)というランニング・クラブがあって、セントラルパークなどで定期的に開催されているレースでは、毎回ボランティアを募集している。
自分もいつかやってみたいと思っていたのだが、先週の土曜日(6月7日)、ついに意を決して、裏方のボランティアを初体験してみることにした。
受け持ったのは、コースマーシャルというお仕事。これは、参加するランナーが所定のコースを安全に走るように誘導するという交通整理係である。
セントラルパークのループコースは、必ず片方の車線を公共のトラフィックのために空けておかなくてはならないことになっている。NYRRのレースでは、通常、数千人のランナーが参加するので、放っておくと、ものすごい数のランナーが道幅いっぱいにあふれてしまう。
そうならないように、道路の中央車線には目印の赤い三角錐のコーンが立てられているのだが、それだけでは足りないので、要所要所でコースマーシャルのボランティアを配置し、安全なレース運営を図るのである。
今回、自分がボランティアを行なったのは、「New York Mini 10K」という女子の10kmレース。世界のトップランナーから、ダイエット目的の健康ウォーカーまで、幅広い参加者で賑わう人気レースだ。
レースの主役は、もちろんランナーたちではあるが、裏方のボランティアの存在がなければ、大会は成り立たない。走る人たち、裏方に従事する人たち、そして応援する人たちの一致協力があって、はじめて大会は成功する。レースボランティアは、実際に走ることがなくとも、心で「共走」することができるという意味で、実に貴重な体験であると思う。
NYRRのレースやボランティアに関する詳しい情報は、オフィシャルサイト(www.nyrr.org )をご参照下さい。
★セキュリティ用のオレンジ色のベストを着て、所定の位置に向かうボランティア部隊。
★先導のパトロールカー。いよいよトップランナーがやってくる。
★タイムを表示するオフィシャルカー。先頭集団のすぐ前方を、絶妙のスピードコントロールで走る。
★先頭集団を形成する3人のランナー。この時点ではアテネ五輪胴メダリストのディーナ・カスターが一歩リード。
by Minakovich (URL )