2014.05.05
皆さんはベーグルはお好きでしょうか日本から来られる方の中には、大好きという方もいらっしゃれば、ちょっと硬くて噛むのに疲れるので苦手...という方もいらっしゃいますね
かく言う私は、ベーグルが無いと一日が始まらない(または、一日が終わらない)というベーグル狂で、昔はベーグル屋さんでバイトをしたこともありましたし、今でもマンハッタンのベーグル屋さんで「美味しい」と評判を聞けば、すぐに食べに行ってしまうほどなのです。
そこで今回は、ベーグルを語らせたら止まらない(きちんと話は終わらせます!)私の独断に満ちたベーグル・ストーリーをお届けしましょう。
まず、ベーグルは食べる前に美味しいかどうかが大体わかります。
見た目
いえいえ、”重さ”です
まずは手に持ってみて、パンにしてはズシリとした重量感があれば、そのベーグルは決してハズレではないと言えます。
ご存知の方も多いかと思いますが、その理由は、ベーグルというのは茹で&焼きパンであるという点です。ベーグルは焼き上げる前に、グツグツと茹でるので、水分がしっかりと含まれています。
よって、この作業を念入りに行っていないベーグルは、手に持ったときに軽く、食べると中身がスカスカで、普通のパンみたいになってしまうわけです。
充分に茹で上げて、水分がしっかりと含まれると、食べたときにコシのあるモチモチ感(英語では「チュウイー(chewy)」と言います)が出てくるんですね
逆に言えば、水分が消えてしまうと、ベーグルは焼いても、ただのパンみたいで美味しくありません。ベーグルは焼いたその日の内に食べるのが基本ですから、もしも、保存したい場合は、フリーザー・バッグに入れて冷凍庫で保存することをお勧めします。
”手巻き”と”水煮”がベーグルの基本!
ズバリ、ニューヨークのベスト・ベーグルのトップ3は、Ess-A(エッサ)とH&H(エイチ&エイチ)とKossar's Bialys(コッサーズ・ビアリズ)である(であった)と思います。
エッサはガイドブックにもよく出ているので、既に食べられた方も多いかもしれませんね。
H&Hは、かつてはNYナンバーワン・ベーグルと言えました。特に46丁目のハドソン川沿いにあった工場では、常に焼きたてのベーグルが食べられましたし、アッパー・ウェストのブロードウェイ沿いにあったお店も最高にフレッシュなベーグルが食べられたのですが、残念なことに2011年に倒産してしまいました(アッパー・イーストの2番街にあるお店は、別のオーナー経営ですのでご注意)。
コッサーズ・ビアリズはロウワー・イーストのユダヤ人街にある”元祖”的存在ですが、店名にあるビアリ(茹でないベーグル)がメインで、ベーグルも最高に美味しいのですが、ベーグル・サンドなどは一切作らず、あまりにシンプル&トラディショナルなので、観光客の方にはあまりお勧めとは言えないかもしれません。
そんな状況の中、エッサに匹敵するベーグル屋として、ベーグル・ファンには知る人ぞ知るという存在なのが、今回ご紹介するBrooklyn Bagel & Coffee(ブルックリン・ベーグル&コーヒー)です。
このお店はまだ10年ちょっとですから、1970年代に登場したエッサやエイチ&エイチ(コッサーズ・ビアリズは1930年代!)に比べれば、新興のお店ですし、地元エリア以外では、まだあまり知られてはいません。
現在店舗はクイーンズのアストリアに3件と、マンハッタンはチェルシーに1件のみです。
あれブルックリンは
そうなんです。ブルックリン・ベーグルなのに、なぜかブルックリンにはお店が無い
元々はブルックリンから出てきたお店なのかなと思ってお店の人に聞いても誰も知らない
まあ、美味しければ店名はどうでもいいのかもしれませんが、アストリア店の方の人気の高さはアストリア以外でも評判で、朝・昼時は常にお店の外まで行列ができていますし、お昼時が終わると、残っているベーグルは数少ないという人気ぶりです。
ですが、マンハッタンの方はチェルシーでも地元客以外にはまだそれほど知られてはおらず、ちょっとした穴場にもなっています。
ベーグル屋さんというのは基本的にどこも同じような品揃えですから、特に大きな特色というのは無いのですが、それでもブルックリン・ベーグルは、ベーグルが大きめで、ビッグ・サイズのベーグルとミニ・ベーグル(大きさ的には、ミニがちょっと小ぶりの普通サイズです)を揃えていること、自家製スプレッド(週代わりのスペシャル・スプレッドもあります)や絞りたてのオレンジ・ジュースやこだわりのコーヒーの他、スープやサラダ、パニーニなども豊富に取り揃えていること、低カロリーのトーフ・スプレッド(乳製品を使わず、大豆から作った”クリーム・チーズ”)が充実していること、そして、これまたヘルシー志向の強いニューヨーカーには嬉しいグルテン・フリー(ここ数年のニューヨークのヘルシー・トレンドですね)のスペルト・ベーグルがあるというのが特徴です。
このスペルトは古代の穀物ということですが、グルテン・フリーゆえ、モチモチ感はちょっと少なめなので、逆にモチモチ感がちょっと苦手という方にはベターかもしれませんし、ダイエットをされている方々にはベストなベーグルであると言えます。
ブルックリン・ベーグルのもう一つ嬉しい点は、土曜日もオープンしているということです。
エッサやコッサーズ・ビアリズなど、伝統的なベーグルヤさんはユダヤ人経営ですから、土曜日はお休みですが、ブルックリン・ベーグルは年中無休で、チェルシー店はベーグル屋さんとしては異例の夜10時までオープンしています
Brooklyn Bagel & Coffee Company
286 8th Ave #1, New York, NY 10001
(212) 924-2824
朝6時半(土日は朝7時)から夜10時まで
サム