2008.12.22
今年は日仏交流150周年ということで、さまざまなイベントが日本でもフランスでも行われているようです。ルーブル宮の装飾美術館、Les Arts Decoratifs で行われている展示会に行って来ました。
題材は、
感性 KANSEI
その日は展示会最終日の一日前。(12/12-12/21まで開催)
お昼ぐらいに到着すると、想像していたより多くのフランス人が既に展示場内にいました。
入場無料というのもうれしいです。
日本に特に興味の無いフランス人の友人を連れて行ってみました。
この友人、最初は面倒そうで余り乗り気ではなかったので、「簡単に見て帰ろう」などと言っていたのですが、
展示場内に入った途端、展示場内のデコレーションも、デザインも、コンセプトも予想を反して友人の感性を刺激したらしく、「う~ん、スゴイ!面白い!」と感動し、「ちょっとじっくり見たいので時間がかかるかも・・・」と、1つ1つの作品の前でじっくり停まって作品とタイトルを鑑賞していました。
会場の一番奥に何やら造木が見えます。
遠くにふんわりと浮かんで見えるのでとっても幻想的です。
光に照らされた夜桜を見ているようです。
最初何か分からなかったのですが・・・近くで見ると、正体は割り箸でした。
フランス人達にも興味を引いたらしく、カメラを構えていろいろな角度から写真を撮っていました。
この展示会、日本独特の感性を題材として、タイトルごとに作品が並べられています。
多くが、伝統工芸とモダンなデザインが融合したデザインです。
もったい、しつらえる、しなる、かげろう、かろやか・・・
たたずまい、はぶく、もてなし・・・
きめ、にしき、むすび・・・
もったいない・・・など日本独特の言葉はフランス語や英語にするのは難しく、訳すことはできても、シチュエーションの説明が必要だったり、直訳はできません。ニュアンスも多少なりとも異なってしまします。
日本独特の言葉が日本人の感性なのですね。
逆にフランス語にしか存在しない言葉も日本人には無かったり、感じるのが難しい感性です。
最近パリのメトロで、やはり日本人には理解不能な光景を見ました。
一般的に妻や彼女などに優しいとされているフランス人男性。
混雑した地下鉄に若いフランス人カップルが乗ってきました。
その男性は、老人を突き飛ばしてまで、自分の彼女に席を確保しようとしていました。
日本人ならそんな自分の彼の姿を見たら即引いてしまいますが、彼女もお構いなしで、老人を突き飛ばして席を確保してくれた彼に感謝・・・
日本人ならこれをやさしさとは決して呼びませんが・・・
(念のため、もちろんこんな人ばかりではありません。)
自己主張を美学とするフランスと、譲り合いの精神を美学とする日本、ますます文化の違いを感じました。
(HISパリ支店 NI)