【ボクシーシ】
物乞いの人に喜捨することを、ボクシーシといいます。
そんなコトバを説明するということは、
バングラデシュではボクシーシを求められる、ということです。
多くの人々が信仰するイスラム教でも、
人々の義務のひとつに「喜捨」があります。
たとえばダッカの街中で渋滞で止まっている時に、
物乞いが窓をコンコンと叩いてきます。
「サル、サル」
「プリーズ、プリーズ」
あるいは、黙ったまま手を出してくるわけです。
小さな子どもや、赤ん坊を抱いたお母さん、障害をもった人などです。
ダッカの中心部の交差点で止まったら、彼ら彼女らがやってきます。
何をすればいいんだろう。
無視すべきなの?…などなど。
バングラデシュのお話ではないのですが、
隣のインド、「Traffic Signal」という映画によりますと、
物乞いの人々は、かなり「組織化・職業化」されているそうです。
子連れの物乞いのほとんどは、実の母子ではない、なとなど。
あの映画のあとでは、
単なる「かわいそう…」ではなくなって、
彼らへの接しかたが変わったものです。
ちなみに、「サル、サル」、
インド英語でいうところの「Sir」(イエッサーのサーですね)です。
インド英語(バングラデシュは1947年まで、イギリス領インドの一部でした)では
英単語の「r」をそのまま発音するんです。
カル(Car)、ハウエバル(However)、フォンナンバル(Phone Number)。
「サルサル」言われても怒らないようにしましょう。
いやいや、たとえば横柄な態度のお役人を相手にせにゃいかんとき、
「猿!猿!」
連呼しててもOKファルム(牧場もインド英語にしてみた)なので、むしろ便利かも(笑)。
日本には、ホームレスはいても
物乞いはまず見かけないので、
私たち日本人は、どう対処していいか分からんぞ、
「困っちゃうな~」(by山本リンダ)となります。
旅行のガイドブックには、
「ボクシーシハ考えものだ、トラブルのもとだから止めたほうがいい」
とありますが、
心が動けば、いくばくかを渡してもいいのかな。と、個人的には思います。
お客様の中にはどうしていいか分からず、戸惑われ方もいらっしゃいますが、
ガイドと一緒のときであれぱ、もちろん聞いてください。
ひとりのとき、彼らに声かけられたら、この記事のことも思い出して、
判断してくだされば、と思います。