ツアーの紹介記事にいきなり私事で申しわけないのですが、私、これほど「自分で参加したい!」と思ったツアー、久しぶりです。その名は「バングラデシュを撮り続けて36年の吉村繁氏が案内する バングラデシュ・フォトツアー7日間」。
デジカメ時代になり、いちどに撮り貯められる写真の枚数は劇的に増えました。たった10年前、私が高校1年で初めてインドに行ったとき、用意したのは36枚撮りのフィルムを12本。これでも鞄の中で転がり、ずいぶん苦労したものです。
いまや、ダッカの休日にデジカメへ収めるは、一日きりで500枚! 「そんなに撮って、『いい写真』は10倍になったのかい?」「いや…いまは何ともない写真も、あと30年経てば大切になるから」 そんな言いわけを私はいつも使うのですが、正直なところ、なぜ写真を撮っているのか、わかっていません。
そんな「下手の横好き」でしかない私に解を導いてくれそうなのが、写真家・吉村繁さんです。
<バングラデシュの歴史を、「いまに記す」旅。>
吉村さんがはじめてバングラデシュを訪れたのは、1974年でした。71年の独立からわずか3年。それから36年。吉村さんはこの間、毎年のようにバングラデシュを訪れときに暮らし、またときに同じ場所で同じ人を、フィルムに収めてきました。
吉村さんは、たとえばバングラデシュ北部のある村で、少年たちが青年になり、大人になるまでを撮り続けてきました。一枚一枚はそれぞれの時代の刹那―「いま」を写したものに過ぎませんが、一つにつなげることで、彼らの「ライフヒストリー」という、別の物語が浮かびあがってきます。写真から立体的な歴史が立ち上がるって、すごく不思議でワクワクする体験だと思います。私たち日本人にとっても、写真がまだまだ一般的ではない彼らバングラデシュ人にとっても。
さあ、吉村さんと一緒に、バングラデシュの歴史を「いまに記す」旅へ。この国が急速な変貌をはじめた、いまだからこそ。
<都会/農村―「ふたつの?」バングラデシュを撮る旅。>
「ダッカは異常なんだ。農村地帯こそがバングラデシュだよ」
「一度、僕の田舎に来てみな」
ダッカに暮らしている私、毎日とは大袈裟ですが頻繁に聞かされます。バングラデシュ人から。たしかに、ほこり色+大喧騒のダッカに、緑をひっくりかえした農村地帯の対比ときたら! バングラデシュにお越しになる皆様には、ぜひダッカの外を訪れてほしいと思います。でも…。
1995年の夏、吉村さんがダッカで出会った少年。乞食稼業だそうです。吉村さんが彼から聞いたところでは…
「僕の将来の夢は、ふるさとで雑貨店をやることさ!」
「この腕?畑仕事を手伝っていてポンプに巻き込まれたんだ。今度のイード(犠牲祭)までここで、その資金を稼がなくちゃ」
上京して乞食。開業資金稼ぎ目的。日本人には「乞食」という手段と「資金稼ぎ」という目的がうまく結びつかないと思います。でも実際、この少年は1年後、郷里でお店を始めたのだとか。彼に限らず、決して少なくない数の乞食が、故郷と「稼ぎのいい」首都ダッカを往復しているそうです。
バングラデシュではありふれた、しかし近づきがたい乞食に吉村さんは寄り添ってきました。氏の写真を拝見していると、「都会=ダッカ」と「農村」のつながりは僕らの想像以上にフクザツじゃないのか? そんな気がしてきます。
今回のフォトツアーでは、首都(ダッカ)と農村部(タンガイル県)、両方を訪れます。ダッカでは、地方へつながる河の玄関口、ショドルガット(河港)へ。タンガイルへの道中(約2時間半)では、グラデーションのように変わってゆく景観を。そして、農村地帯ならではの景色と笑顔に迎えられながら、その製品はダッカのみならず世界に名を馳せるNGO・ウビニーグを擁するタンガイルへ…。この旅であなたが見つけるのは「都会と農村」? それとも…?
教科書通りではない、2010年ありのままのバングラデシュを、先達吉村さんとともに見つけ、感じ、写真にしてみてはいかがでしょう?
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<バングラデシュを撮り続けて36年の吉村繁氏が案内する>
「バングラデシュ・フォトツアー7日間」
・現地写真家との交流会あり!
・現地最終日&帰国後の写真報告会も!
詳しくは http://www.his-j.com/tyo/group/2010ban_photo/ へ。
出発日: 8月23日(月) ※今後も定期的に催行予定!
お値段: 198,000円 (東京発、大人お1人様あたり、2名1室ご利用時)
ご予約締切日: 7月20日(火) ※期日以降も継続募集する場合があります。
お問い合わせ・お申し込み先:
株式会社エイチ・アイ・エス 海外視察旅行専門デスク(担当:深谷)
電話:03-5908-3225
平日 09:30-18:00 土・日・祝 休み
吉村繁さんのホームページ: http://www7.plala.or.jp/phyoshi/
※ この記事の一枚目を除き、すべて吉村氏の著作物です。
吉村氏の写真の転載等はご遠慮くださいませ。