2016.12.01

Nyphil06_2

前回の記事ではニューヨーク・フィルハーモニック:今シーズンの見どころ(その1)と題して、2017年2月までの注目プログラムをご紹介しました。
今回はその続きということで、3月から6月までの見どころを概観していきましょう。

3月1、2、3、4日
3月最初の4日間は、今シーズンでフィナーレとなる音楽監督アラン・ギルバートの指揮で、マーラーの交響曲第4番を聴くことができます。来たるべき春の訪れを告げるようなメルヘン的な曲想が、この時期にふさわしいとも言えるでしょう。終楽章はオーケストラ伴奏によるソプラノ独唱で、ドイツの歌手クリスティーナ・ランドシャマーが澄んだ美声を披露します。

3月15、16、17、18日
この4日間も引き続きアラン・ギルバートの指揮で、ベルリオーズの傑作「幻想交響曲」を聴くことができます。しかも前半プログラムに登場するのが、いわずと知れたチェロの世界的第一人者、ヨーヨー・マ。演奏曲目は指揮者としても有名な現代作曲家エサ・ペッカ・サロネンによる新作のチェロ協奏曲というのも注目です。文字通り世界初演なので、聴いてみるまではどんな曲なのかわかりません。今後も末永く演奏されるような傑作だとしたら、まさに歴史的な現場に立ち会うひとときになります。

4月27、28、29日
4月終わりの3日間は、前述の作曲家エサ・ペッカ・サロネンが指揮者として登場します。演奏する曲目は、新時代のクラシック・サウンドを創造する現代作曲家タンジー・デイヴィスのホルン奏者4人のソロによる新作と、映画にも使われて有名なリヒャルト・シュトラウスの管弦楽曲「ツァラトゥストラはかく語りき」。音楽と宇宙哲学が融合した密度の高い夜を過ごせるかもしれません。

5月3,4,5,6,9日
この時点で残り2ヶ月となった音楽監督アラン・ギルバート指揮による、ベートーヴェンの第9交響曲。惜別の想いとともに、渾身の名演奏が期待されます。

5月19、20、23日
引き続きアラン・ギルバートの花道を飾るフェアウェル企画。前半プロでは、これまで幾度も共演したニューヨーク在住のヴァイオリニスト、レオニダス・カヴァコスが登場し、ブラームスのヴァイオリン協奏曲を演奏します。後半プロの最後は、これまた地元在住のレジデンス・コンポーザー、エサ・ペッカ・サロネンによる「Wing on Wing」。この日がニューヨーク初演とのことです。

6月1,3,6日
音楽監督アラン・ギルバートのラスト・プログラムは、コンサート形式によるワーグナーの楽劇「ラインの黄金」。豪華な歌手陣と相まって、新たな時代の幕開けとなるような壮大な演奏となるでしょう。

6月8,9、10日
そして、この3日間がアラン・ギルバート祭りの締めくくりで、正真正銘のお別れコンサート。世界的なゲストが招かれる予定・・・というだけで、曲目は発表されていません。すべては当日のお楽しみです。

来季は新音楽監督とともに、新たな門出を迎えるニューヨーク・フィル。今後も欧州の伝統とは一味違うコスモポリタンな響きを聴かせてくれることでしょう。

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