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数あるブロードウェイの演目の中から、在米生活20年を越えるスタッフが
「これはぜひ見ておくべき!」とおすすめする、選り抜きの名作をご紹介するコーナー。
第3回は「アラバマ物語(To Kill A Mockingbird)」です。
■人種問題にメスを入れたベストセラーの舞台化■
アラバマ物語は、人種差別が根強く残る1930年代のアメリカ南部、アラバマ州の町で
白人女性への性的暴行容疑で逮捕された黒人青年の事件を担当する弁護士アティカス・フィンチが
法廷で奮闘するドラマです。
原作は1960年に発表されたハーパー・リーの自伝的小説。
翌年ピューリッツァー賞を受賞したこともあり、900万部の大ベストセラーになりました。
さらに1962年にはグレゴリー・ペック主演で映画化され、翌年のアカデミー賞では
作品賞を含む8部門でノミネートされ、主演男優賞、脚色賞、美術賞の3部門で受賞しています。
■予習には映画がおすすめ■
「アラバマ物語(To Kill A Mockingbird)」はセリフを中心とする舞台劇なので、
内容を理解するには、ある程度の英語力が必要とされます。
そこまで英語力に自信がない方は、あらかじめ予習しておくほうがいいでしょう。
それには、グレゴリー・ペック主演の映画を観るのが一番です。
1995年にはアメリカ国立登録簿にも登録され、2008年にはアメリカ映画協会によって、
最も偉大な法廷ドラマの第1位に選ばれた名作。
さらには同じアメリカ映画協会によって、なんとアメリカ映画100年のヒーロー部門第1位に
この映画の主人公、アティカス・フィンチが選ばれています。
■アメリカの良心を賭けて戦う主人公
弁護士アティカス・フィンチは、なぜそこまでの支持を得ているのでしょうか。
それは、彼の奮闘する姿が、まさにアメリカの良心を体現しているからです。
妻に先立たれたアティカスは、その知性と人柄で周囲から信頼されている町の弁護士。
ある日、白人女性に対する暴行事件が起き、地元の判事は容疑者として連行された
黒人青年トム・ロビンソンの弁護を依頼します。
アディカスが黒人の弁護を引き受けたことで、二人の子どもたちも含め、
フィンチ一家は周囲の人たちから中傷を受けるようになってしまいました。
やがて迎えた裁判の日。陪審員はすべて白人という、被告人にとっては絶望的な状況の中で、
アティカスは必死の弁護を進めていくのですが・・・
■奇妙なタイトルが意味するもの
アラバマ物語の英語タイトルは「To Kill A Mockingbird」。
この奇妙なタイトルにはどんな意味が含まれているのでしょうか。
アティカスが自分の子供に語った言葉で、次のようなセリフがあります。
「他の鳥を殺しても、モッキンバードを殺してはいけないよ。あれは他の鳥の真似をするだけで、
害のない鳥だから」
モッキンバードの意味するものは、観る人によってさまざまな解釈が可能ですが、
少なくとも「悪気はなく、無垢な良心を持った何者か」と考えるのは、間違いではなさそうです。
私たちは「自分の内部と周囲にあるモッキンバード」を大切に育てなければならない。
この物語には、そのようなメッセージがこめられているのかもしれません。
Posted by Firebird '20
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