フランスはデモ行進やストライキで有名な国です。
10月18日にも国鉄(RERやRATP)がストライキを予定しています。
フランスではすっかり定着してしまったストライキ(GREVE)ですが、
これが日本で、東京で起こったらどうなるでしょう。
例えばJRが1日まるまる停まってしまうなんてことは
大災害でも無い限り、考えられないことです。
それがここフランスでは普通になってしまっています。
ごみ収集の人たちのストライキでパリの街がゴミだらけに
(もともとゴミの多い街とはいえ・・・)なったり、
学校の先生のストライキで学校が休みになったり
(もっとも子供たちは大喜びですが・・・)、
それだけではなく、空港職員のスト、美術館のスト、
メトロのストなど観光客にも影響を及ぼします。
フランス革命を大変誇りにしているフランス人にとって、
ストライキ、つまり権力と戦うということは非常に名誉なことのようです。
そんなストライキ好きのフランス人。
デモ行進も春や秋になるとよく見かけます
(やはり長いバカンスのある夏と寒い冬は避けているんですね)。
デモ行進もさまざまですが、先日行われていたデモ行進は
フランスでしか行われないのでは・・・というような
非常に変てこなものでした。(フランスではしばしば行われているようですが・・・)
そのデモ行進の内容は、こんなもの・・・
「CO², j'en veux !」
すなわち私は二酸化炭素が欲しい!
なんて言うとんでもないものです。
他にも酷い内容のプラカードを掲げて叫びながら行進しています。
「子供たちにガンを!」
「鳥はもっといなくなって、より多くの車を!」
「もっと遺伝子組換植物を!」
「農薬は私たちの友達、もっと好きになりましょう!」
「温室効果は企業によいこと!」 ・・・・・などなど、
以下デモ行進の様子です。
聞いたところによると、このデモはエレガントな人達による、
全ての正しいと思われるものに反対するデモ(?)とのことです。
確かに多くの人がスーツを着て、シャンパングラスを片手に、
デモをしている人もいます。
そこへ1台の自転車が通りました。
今話題のVelib(パリ市の環境にやさしいレンタルサイクル)
に乗った女性がやってくると、群集は物凄い勢いでその女性を囲み、
ブーイングを始めたのです。
さすがフランス人は慣れているのか、その女性は苦笑いで去っていきました。
このようなデモは、真相は分かりませんが、一部の人曰く、(哲学の国フランスらしく)
「反面教師として、人々にもっと環境について考えさせるためにやっている」
という意見もあるようですが、
フランス人特有の(他の人と一緒の事はしないという)自己主義、
または悪趣味な冗談と捉えている人の方が多いようです。
ともあれ、変わった国ですね。
(HISパリ支店 NI)