芸術/音楽
2008.03.03
さて、皆様は携帯電話にストラップをつけていますでしょうか。
ちょっとした遊び心のこの装飾品に似たものが、実は300年も前に日本で
大ブレークしていたのです。
その名も根付。
根付とはもともと印籠や巾着を帯にとめる際に落ちないように引っ掛ける道具
として開発されましたが、やがて装飾的要素も備わり元禄以降は一種の流行
となりもてはやされました。
印籠と根付 ↑
印籠 根付
当時世界で最も工芸技術の発達していた日本で作られる根付はやがて海外
でその注目を浴びるようになりました。“NETSUKE”は明治以降も数多く輸出
されるようになり、その取引はむしろ欧米で活発化しそして現在に至るのです。
中には一つ数千万円で売買されているのもあるくらいです。
前回ご紹介したロサンゼルス郡美術館(LACMA)の日本館には“NETSUKE”
専門の展示コーナーがあり、およそ数百点が展示されています。
日本国内でも一度にこれだけのコレクションというのはそうそうないようです。
日本民族の習性の一つとしてこうした装飾品を作成し、身に着けることが
挙げられますが、皆様の携帯電話やキーホルダーなども300年後には
どこかの美術館で展示されているかもしれませんね。
LACMA
石川乃五右衛門