ロサンゼルスでドライブするにあたって、まずおさえておかなければならないのが州間高速道路「インターステート・ハイウエイ」です。
このインターステート・ハイウエイですが、「I-15」とか「I-405」
とか「I-110」
とか、無機的に整然と数字が振られているように見えますが、実はこの数字には非常に重要な意味が含まれているのです。
まず、2桁までの数字が振られたものは「プライマリー・インターステート・ハイウエイ」(日本語で表現すると「一級州間高速道路」)と呼ばれ、州を跨いで走る主要な高速道路ですが、奇数の番号が振られたものは「南北」、偶数の番号が振られたものは「東西」を結ぶ高速道路となっています。(重要ポイント①)
たとえば、ロサンゼルス近郊には「I-5」、「I-10」、「I-15」という3つのプライマリー・インターステート・ハイウエイが走っていますが、たとえば奇数番のI-5の場合、南はサンディエゴ、北はカナダのバンクーバーを南北に結ぶ高速道路であり、偶数番のI-10は西はサンタモニカから東はフロリダ州のジャクソンビルまでの2460マイルを結ぶ高速道路となっています。この事が頭に入っていれば、もし道に迷ったとしても、今自分が東西に向かっているのか、南北に向かっているのか認識しやすくなります。
【I-5全線】
【I-10全線】
次に、この2桁までの数字ですが、5の倍数が振られたインターステート・ハイウエイはアメリカを「横断」ないしは「縦断」する長距離の高速道路となっています。(重要ポイント②)ロサンゼルス近郊を走る3つの州間高速は全てこれにあてはまります。
さらに、割り振られている番号ですが、東西を結ぶ偶数番のインターステート・ハイウエイの場合、南から順番に北上するにつれ、数字が増えていき、また南北を結ぶ奇数版のインターステート・ハイウエイの場合、西から東に向かってこの数字が増えていく仕組みとなっています。
たとえば、I-5はサンディエゴからバンクーバーを結んでいる西海岸にある高速道路ですが、I-95はマイアミからメイン州までを結んでいる東海岸にある高速道路で、I-10はサンタモニカからジャクソンビルを結ぶ南部を走る高速ですが、I-80はサンフランシスコからニューヨークを結ぶ、北部を走る高速なのです。なので(ありえない話しですが)目隠しされて誘拐され、どこか知らない街で下ろされたときに、このインターステート・ハイウエイの番号を見れば、自分が今アメリカの中のどのあたりにいるのかを知る手立てになるかも知れませんね。
さて、ロサンゼルスの地図を良く見て頂ければ、インターステート・ハイウエイの中にも3桁の数字が振られたものがたくさんあることがわかると思います。注意深く見て頂くとわかると思いますが、たとえばI-10に対してI-110、I-210、I-710、たとえばI-5に対してI-105、I-405、I-605、、、そうなのです、この3桁の数字が振られたものは、2桁の「プライマリー・インターステート・ハイウエイ」の「支線」なのです。(重要ポイント③)
この3桁のインターステート・ハイウエイですが、2桁の「プライマリー」とは異なり、奇数偶数で東西南北の関連付けを行う事はできません。その代わり、頭の数字の奇数偶数で、その支線がどのように本線と関係しているのかを知ることができます。(重要ポイント④)
たとえば頭が奇数番の3桁インターステート・ハイウエイの場合、本線から枝分かれしていることを意味しています。つまり、支線の一方のみが本線とつながっています。
これが偶数版の場合、この支線は本線のバイパスや環状線、ないしは本線から枝分かれして他のインターステート・ハイウエイと接続していることを意味しています。
【インターステート・ハイウエイ 支線タイプ図解】
【I-10とその支線 (赤-本線/青-奇数支線/緑-偶数支線)】
【I-5とその支線 (赤-本線/青-奇数支線/緑-偶数支線)】
やみくもに地図を頭の中に叩き込むのではなく、このように米国標準の高速道路システムの仕組みを理解することで、ロサンゼルスのインターステート・ハイウエイのことがとても簡単に理解できるようになるのではないかと思います。
ロサンゼルスでのドライブは安全第一で!
by Rant