何度かこのブログの中で紹介しているセコイア国立公園。
ロサンゼルスからわずか4時間の距離でありながら、
シエラネバダ山脈の元、大木の森を育む緑豊かな山。
今回は世界最大の巨木、セコイア杉の群生である
国立公園内ミューアグローブまでの2時間のハイキングをご紹介。
都会の喧騒を忘れ、大自然の中に身を委ねるのは
なんとも気持ちのいい瞬間です。
出発地はドーストクリークキャンプ場(地図中腹右側)から
B地点であるミューアグローブ(Muir Grove)まで。
往復2時間程度の行程差の少ない簡単なハイキングコースです。
キャンプ場の中からハイキングコースのスタートです。
人が一人通れる程の道が、山の中ずっと続きます。
太陽に照らされた葉がきらきらと光を放ち、
山を彩る色彩豊かな木々が優しく目に入ります。
深い緑に囲まれながら歩く山の中はマイナスイオンだらけ。
あんまり綺麗な森なので、コダマが出てこないかなー
なんて思いがつい頭をよぎります。
でも実際にでてくるのはコダマではなくクマ
森に出かける時は野生の熊に襲われないよう熊鈴は必須アイテムです。
コース中腹位までいくと突如開けた場所にでます。
花崗岩がむき出しになった場所でちょっとした休憩ポイントに便利です。
家族でハイキングを楽しむ父娘。
父が娘に伝える言葉はどんなセリフだったんでしょうか。
この写真ではお伝えにくいのですが非常に背の高い松の中を抜けます。
高さ平均40-60mもあるシュガーパインが聳え立ち、
これだけの高さの松が揃う森というのもなかなかの圧巻です。
セコイア国立公園でよく見かける苔。
松の木の北側又はよく日陰になる方向に生息します。
万が一光の届かない森の中で迷った場合は、
この苔を良く見ると東西南北の位置が分かると言われています。
淡い黄緑が目に優しく入り込み、
奥へと進むと風の音しか聞こえない静寂の世界に突入します。
木洩れ日を受けて、影を映す緑の葉。
緑のカーテンを潜り抜けると、そこに登場したのは森の王者でした。
【ジャイアントセコイア杉の群生・ミューアグローブに到着】
山の主ともとれる程の巨木が佇んでいました。
周りに生えているのが高さ50m級の松なので、
比べてみると一目瞭然ですが、世界最大の生物と言われるセコイア杉の
大きさがよく分かります。
このセコイアの巨木は平均約2000~2800年生きると言われ、
この地に芽吹いてから高さ平均80mになるまで約600年をかけ
上に向かって成長していきますが、
その後は太さを競う様に横に大きく太くなるのが特徴です。
つまり背の高いセコイア杉はまだ若いという証拠で、
太い杉は年齢を重ねた老木と言えるでしょう。
表面が他の木に比べて赤いのが特徴です。
自分の足で歩いてしかいけない山の中の奥の森。
舗装されたトレイルを歩くのと違って、自分で森を散策した結果、
秘密の場所に辿り着いたような、そんな感覚を覚えさせてくれます。
人の訪問も少なく、ひっそりと山に佇む無言の巨木達は、
物言わぬ力強さを内に秘め、
なんとも自然界の生命のパワーを感じさせてくれる神秘の場所でした。
夫婦杉を発見(勝手に命名)
仲良く寄り添って成長していく姿は木といえど微笑ましいものがあります。
軽く2000年生きている木からすると人間の営みなんてあっという間だろう
とついつい思いに耽る瞬間でもあります。
【巨大松ぼっくり】
松ぼっくりですら軽く50センチを超えるサイズに成長する
巨木の森を育むシエラネバダ山脈はそれはそれは緑豊かな土地でした。
帰りがけには微笑ましい親子を発見。
簡単なコースとは言え、大人の足で往復2時間かかる距離を、
3歳程度の子供がえっちらおっちらと自分の足で進んでおりました。
小さな子供の目に映る巨木は大人より感動が大きいかもしれませんね。
ロサンゼルスから気軽に行けるセコイア国立公園。
巨木の森を歩きにいってみませんか。
Sequoia National Park