モンマルトルの丘に、STUDIO 28(スチュディオ・ヴァンテュイット)という名の小さな映画館があります。黄色い外観がかわいいこの映画館は、1950年にあのジャン・コクトーが内装を手がけ、彼自身こよなく愛したと言われるパリ最古の映画館。最近はチェーン化された映画館が主流のパリですが、内装や併設されたバーがステキとの噂を聞き、興味津々私も行ってみました。
 地下鉄Blanche駅からアメリーのカフェがあるRue Lepicを北に上がり、Tholozé通りに入ると小さい看板が見えます。 チケットの販売は各映画の直前販売が基本だそうで、30分前しか売ってくれませんが、チケットなしでも館内には入れます。上映室は1つしかないので通常1日4本異なる映画が上映され、日替わりで順番が変わります。フランス映画だけでなく、確かいつだか北野タケシ監督の“座頭市”を上演してたこともありました。 中の入り口を入ると廊下がギャラリーになっていて、コクトー直筆のイラストやジャンヌ・モローなどの有名俳優の足型やサインなど、コクトーや映画ファンにはたまらないものが展示されています。 さらに奥に進んで行くとモダンな照明がかわいい小さなバーカウンターがあります。 そしてその横奥には、今日のヒット・スポット、テラス風のステキなガーデン・カフェが待っています。映画のモノクロ写真、モザイクのテーブル、天井から吊るされたモダンでアーティスティックなシャンデリア、テント風の白いカーテン…全てが本当にキュートで居心地抜群の癒しの空間…!飲み物もコーヒー2ユーロ、シャンパン1杯 5ユーロというお手頃なプライス(食べ物はデザートやスナック程度のみ)で、テーブルのメニューも映画のカチンコ風になっていてユニークでした。
 上映前にチケットを買って、いよいよ上映室へ。パリ最古と聞いていたので古めかしいと思いきや、きれいに手入れされていて赤いビロードの幕がかかったスクリーンやメルヘンチックなキノコ風のシャンデリアがとてもチャーミングで大感激!天井を見上げるとなにやら光がきらめいていて、よく見ると“28”という数字が現れるという懲りようでした。
 この日に見た映画は、今年のカンヌ映画祭で話題になった“Paris, je t'aime(パリ、愛してます)”(詳細は次の機会に書きます)で、パリ最古の映画館でパリが舞台の映画を見れるなんて本当に幸せ…と感じた一時でした。 特に併設されたカフェは本当に隠れ家的なスポットで、映画を見なくても観光の合間の一休み、友達とのティータイム、デートなどのまったりタイムにお勧めですよ♪(HISパリ支店 F.T.)

STUDIO 28
10, Rue Tholozé 75018 Paris
※ご注意:上映時間、内容は大体3ヶ月毎に変わります。時々貸切等で休業する事あり。夏季休業もあり。詳しくはホームページでご確認下さい。掲載した情報は予告なく変更されます。
http://www.cinemastudio28.com/
photos : F.T. 写真の無断転用禁

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    2024.05
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