ヴェネツィアを訪れたら一度は乗ってみたいゴンドラ。
ヴェネツィアの象徴でもあります。
大運河であるカナレ・グランデ、
そして裏通りに入りひっそりとした小運河を通り、
いつもは橋の上から見る高い目線から一転、
水面から見上げる景色もまた一味違う趣があります。
ヴェネツィアのゴンドラは今でこそ観光用に使用されていますが、
もともとは日常的に使われていたもの。
その形も特徴的で、
漕ぎ手が船先にたって立ち漕ぎをして
バランスがとれるような左右変形型をしています。
ヴェネツィア島内で活躍するゴンドラエーリ(ゴンドラの漕ぎ手)は現在約450人。
一般的には家族代々…というように父から息子へと
その技が受け継がれてきたものですが、
現在の事情はそうでもなく、
新たにゴンドラ乗りになった人やヴェネツィア外からきた人、
はたまた女性ゴンドリエーラまでもが生まれて話題にもなっています。
さて、さらっと見逃してしまうと気付かないゴンドラの特徴。
それは船頭に必ずついている飾りの部分。
よく見てみるとどのゴンドラにも一定のものがつけられています。
それがこちら。
図解はこちらです。
この形が持つ意味。
それ全体がヴェネツィアの構成要素を示しているのです。
大きく見える弓状の形全体がヴェネツィア本島の中心を流れる大運河、カナル・グランデを表します。
大きくくねるカーブがまさしくそれをイメージしていることが判ります。
そして、右側上部の丸い部分は、
ヴェネツィアの政治を司るドージェ(総督)がかぶる帽子の形(Cappello del dogeの部分)を。
左側下方にいき、何本か楯方向に並ぶ突起部分の上の
小さなカーブはBacino di san marco
(サンマルコ湾=サンマルコ広場が面するアドリア海に続く湾)を示し、
カーブしたその形はカナル・グランデに架かるリアルト橋。
そして、弓の左側に上から下に6本突き出ている部分、
これはヴェネツィア本島を分ける
San marco(サンマルコ地区)、
San polo(サン・ポーロ地区)、
Santa croce(サンタ・クローチェ地区)、
Castello(カステッロ地区)、
Dorsoduro(ドルソドゥーロ地区)、
Cannareggio(カンナレッジョ地区)
という6地区を表しています。
さらに、それら6本の間にそれぞれ挟まれた小さな3つの飾りを施した突起は、
Murano(ムラーノ島)、Burano(ブラーノ島)、Torcello(トルチェッロ島)となり、
唯一弓の上部にはGiudecca(ジュデッカ島)が示され、
ヴェネツィアの重要な周辺の島々をも表現しています。
ゴンドラは本島内、あちらこちらに乗り場があり、
それぞれにコースが違います。
乗る際にはおおまかなコースと時間、
そして料金を確かめることをお勧めします。
一例シュミレーションコースをご紹介。
サンマルコ湾からカナル・グランデに漕ぎだし、
サンタ・マリア・サルーテ教会をバックに小運河に入ります。
少々薄暗く静かな運河をゆっくりいくと、
モーツァルトが過ごした家やゲーテの過ごした家などを通りすぎます。
1966年の記録的なアックア・アルタの際に記録された水面の高さを示す文字は、
信じられない高さを示しますが、
建物の壁についた長年の水の汚れを見ることで、
ヴェネツィアの街が常に自然とともに生きていることを感じ取ることができます。
小さな運河の向こうに並ぶ建物の合間からは
ヴェネツィアのなかでも唯一ここでしか見られないという
サンマルコ広場の鐘塔の屋根が。
ぐるりとまわりフェニーチェ劇場の船着場。
徒歩で廻ったら決して見られない場所です。
格別に豪華な造りです。
そしてリアルト橋も水面から。
いつ見ても、何度見てもその美しい姿に惚れぼれします。
再度小運河を廻り、出発地点のサンマルコ湾で終了。
今回の旅は40-45分間のコース。
コース、所要時間、料金などは
内容、出発地点などにより変動しますので、乗船前に確認しましょう。
ゴンドニエーリはそのほとんどが生粋のヴェネツィア人
(前述のようにそうでない場合もあります)ですので、
誰もがヴェネツィアを知りつくした人たち。
いろいろなヴェネツィア秘話を聞き出せるチャンスでもあります。
今回の道案内人はゴンドリエーレ歴18年のピーポさん。
お天気のよい夕焼け時は特に最高です。
記事&写真提供:特派員 白浜亜紀 こちらもチェック
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投稿: his-rome -2012年10月15日 (月) 10時08分
■Re:ヴェネツィア♪
>serioさん楽しい目標があると、人生が楽しくなりますよね。是非、毎回素敵なイタリアを発掘してください。 -
投稿: his-rome -2012年10月15日 (月) 10時09分
■Re:ヴェネツィアに泊まりたい♪
>miporinさんなかなか細部まで目が届きませんよね。ヴェネツィアは独特な雰囲気のある街、是非またゆっくり訪問してください! -
投稿: his-rome -2012年10月15日 (月) 10時10分
■Re:こちらへは
>yumeさん小さなことですが、興味深いですよね。また是非じっくり堪能しに来てください。